第2223回 チャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグ開幕(3) 夢のトリオの活躍でパリサンジェルマン大勝
6年前の東日本大震災、昨年の平成28年熊本地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■夢のトリオがいよいよ欧州デビューするパリサンジェルマン
9月12日、フランス勢の先陣を切って今季の欧州カップのグループリーグの初戦を戦うパリサンジェルマンはスコットランドはグラスゴー、セルチック・パークのピッチに立つ。国内リーグ戦でも5戦全勝と勢いに乗るパリサンジェルマンの先発メンバーは欧州での戦いの経験の多い選手が並んだ。GKはアルフォンス・アレオラ、DFは右からダニエウ・アウベス、マルキーニョス、チアゴ・シウバ、レイバン・クルザワ、中盤は中央の低い位置にチアゴ・モッタ。右にマルコ・ベラッティ、左にアドリアン・ラビオ、そして攻撃陣は右にキリアン・ムバッペ、中央にエディンソン・カバーニ、左にネイマールという布陣である。ムバッペ、カバーニ、ネイマールという夢のトリオが欧州デビューである。
■スコットランドリーグで7連覇中のセルチック・グラスゴー
一方のセルチック・グラスゴーであるが、スコットランドリーグは昨季を含め48回優勝している。現在リーグでは6連覇を果たし、今季は7連覇を目指している。歴史をさかのぼると1966年から1974年までのリーグ9連覇は世界の有力リーグでは最多連覇記録となっている。そして1967年には英国のクラブとして初めてチャンピオンズカップを制しており、このシーズンは国内タイトルも含め五冠を達成している。
近年もスコットランドの中では無敵であるが、リーグチャンピオンとして出場しているチャンピオンズリーグでは不本意な成績が続いている。現在までの6連覇の期間にチャンピオンズリーグで決勝トーナメントに進出したのは2012-13シーズンだけであり、それ以外はグループリーグあるいはその前のプレーオフで姿を消している。チャンピオンズリーグでセルチック・グラスゴーは2013年10月22日にホームでアヤックス・アムステルダム(オランダ)に勝利したのが最後で以来14戦連続で勝利から見放されている。
■前半にネイマール、キリアン・ムバッペ、エディンソン・カバーニが得点
そのチームの地力と勢いの差が如実に表れた。紺のユニフォームのパリサンジェルマンは立ち上がりから緑と白の横じまを圧倒する。15分にはカバーニのシュートはゴールインしたが、オフサイドの判定でノーゴールとなるが、7割以上のボール支配率を誇るパリサンジェルマンの先制点は時間の問題であった。19分にネイマールが右足で先制点を決める。なお、ネイマールはこれがセルチック・グラスゴー戦での5得点目となった。
34分にはベラッティの右サイドからのクロスボール、ムバッペが決めて2-0とリードする。ムバッペはパリサンジェルマンの歴史においてチャンピオンズリーグでの最年少の得点者となった。昨季の後半はモナコの一員としてチャンピオンズリーグの決勝トーナメントで大活躍をしたムバッペであるが、その勢いはまだ続いている。チャンピオンズリーグ出場10試合目で早くも7得点、パリサンジェルマンの大型補強が間違いではないことを示す一撃である。
そして39分にはクルザワの左サイドからのクロスに合わせようとしたカバーニに対し、セルチック・グラスゴーの守備陣が腕をつかんでしまう。イエローカードが提示され、パリサンジェルマンにPKが与えられた。これをカバーニが冷静に決める。前半だけでパリサンジェルマンの誇るトリオがそろってゴールを決め、3-0と勝負は決まる。
■アウエーのパリサンジェルマン、22年前同様に大勝する
後半もパリサンジェルマンが試合を支配したが、追加点はなかなか生まれず、83分にセルチック・グラスゴーのオウンゴールで4点目をあげると、その直後の85分にカバーニがクルザワからのクロスに合わせてこの日2点目となるゴールを決める。
結局、アウエーのパリサンジェルマンが5-0と大勝する。22年前のカップウィナーズカップの2回戦でもこのグラスゴーの試合でパリサンジェルマンはパトリス・ロコの2ゴール、パスカル・ヌーマのゴールで3-0と大勝し、優勝への大きな一歩となった。
攻撃陣の活躍で国内リーグ戦同様にゴールラッシュを続け、欧州の頂点を目指すにふさわしい初戦となったのである。(続く)