第2243回 中盤を迎えたチャンピオンズリーグ (2) モナコ、勝ち点1で前半戦を終了

 6年前の東日本大震災、昨年の平成28年熊本地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■リーグ2位ながら足踏み状態のモナコ

 9月下旬に行われたチャンピオンズリーグの第2節、フランス勢のパリサンジェルマンとモナコは明暗がくっきりと分かれた。昨季のリーグでは優勝と2位、そして国内外のタイトルもこの2チームが最上位であった。そして今季もリーグ戦では首位パリサンジェルマン、2位モナコという順位が続いている。
 ただし、首位のパリサンジェルマンが9月27日にバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)に勝利した後、リーグ戦ではボルドーに6-2、ディジョンに2-1と連勝して第9節を終えた段階で8勝1分、勝ち点を25に伸ばしているのに対し、2位のモナコは9月26日にポルト(ポルトガル)に0-3と敗れた以降は、リーグ戦ではホームでモンペリエと引き分け、アウエーでリヨンに敗れており、白星から遠ざかった状態でチャンピオンズリーグの第3節を迎える。

■同じ相手と連戦、連勝したい中盤戦

 チャンピオンズリーグの第3節と第4節は同じ相手と連続して対戦する。したがって、第3節で勝利してその勢いに乗って2週間後に行われる第4節でも連勝をしたいところである。ノックアウト方式のホームアンドアウエーの連戦の場合は、いわゆる後攻めとなる第1戦アウエー、第2戦ホームという日程が有利であるが、チャンピオンズリーグのグループリーグの場合は必ずしもそうではなく、先攻が有利であるともいえる。
 フランス勢の中盤戦であるが、モナコはベシクタシュ(トルコ)と対戦し、先攻、パリサンジェルマンはアンデルレヒト(ベルギー)と対戦し後攻である。いずれも相手は第3シードであり、連勝し、モナコは上位進出、パリサンジェルマンは一気に決勝トーナメント進出を決めたいところである。

■待望の本拠地初ゴールはラダメル・ファルカオ

 第3節は10月17日と18日に行われグループGのモナコが一足早く登場した。ここまで2試合で勝ち点わずかに1の最下位、そしてリーグ戦でも調子を落としていることから本拠地のルイ二世競技場の観衆は7400人、第2節のポルト戦では1万人以上が集まっていたことを考えるとファンというものは正直であると感じる。しかし、これまでも閑古鳥の鳴く競技場で勝ち星と栄光を重ねてきたのがモナコの伝統である。
 モナコの選手たちの動きは低調であり、ここまで2連勝というベシクタシュの紺のユニフォームの方が目立った動きをする。しかしながら先制点はモナコが奪った。30分に右サイドに入ったケイタ・バルデがクロスをあげ、ラダメル・ファルカオがベシクタシュのDFをかわしてシュート、これがゴールとなり、モナコはチャンピオンズリーグでようやく初の得点をあげた。

■攻撃陣が好調なベシクタシュ、モナコを逆転して3連勝

 しかし、ここまで連勝しているベシクタシュは攻撃陣が好調である。中央にはジェンク・トスン、右にリカルド・クアレスマ、左にライアン・バベルとキャリア十分の3人が並び、トップ下には若きブラジル人のタリスカ、フル代表の経験はないが、第二のリバウドという評判の23歳である。
 試合全体を通じてはモナコが優勢であり、パスの本数も多かったが、ベシクタシュはこの4人が効果的なパスをつないでモナコのゴールを襲う。先制を許した直後の34分にはタリスカ、クアレスマとパスがつながり、クアレスマがモナコの守備陣の中心のカミル・グリックとジェメルソンの間にクロスをあげる。絶妙の位置に上がったクロスをトスンがヘディングでシュートする。モナコのゴールを守るのは負傷から復帰したダニエル・スバシッチ、背番号1の正GKも及ばず、ベシクタシュが追いつく。  そして後半に入って54分、ベシクタシュはトルガイ・アルスライのシュートがポストに当たり跳ね返ったところをバベルが確保し、オフサイドぎりぎりであったがトスンにパスし、トスンが逆転ゴールを決める。
 試合はベシクタシュが2-1と勝利し3連勝、モナコは前半戦を終えてわずか勝ち点1と不振にあえいでいるのである。(続く)

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