第2244回 中盤を迎えたチャンピオンズリーグ (3) パリサンジェルマン、多彩な攻撃陣がゴールラッシュ

 6年前の東日本大震災、昨年の平成28年熊本地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■モナコに差をつける好調パリサンジェルマン

 前回はモナコがベシクタシュ (トルコ)に逆転負けし、前半戦を終えて勝ち点がわずか1であることを紹介した。昨年度のモナコはチャンピオンズリーグではプレーオフから勝ちあがり、グループリーグを首位で突破し、準決勝に進出している。昨季はグループリーグで勝ち点11(3勝2分1敗の成績を残したが、前半戦では勝ち点5(1勝2分)であり、今季のモナコは昨季には遠く及ばない。
 一方、もう1つのフランス勢のパリサンジェルマンは好調である。昨季の成績を振り返れば、チャンピオンズリーグはグループリーグは2位、そして決勝トーナメントでは1回戦敗退とモナコの後塵を拝した形となった。今季のリーグ戦では終始首位を走り、10月に入って足踏み状態である2位のモナコを後目に、勝ち点を重ね、チャンピオンズリーグの第3節を迎える段階で8勝1分、2位のモナコに勝ち点で6の差をつけ、早くも独走の予感がする。

■4年前にも同じ中盤戦で対戦したアンデルレヒト

 そしてチャンピオンズリーグでも連勝スタート、中盤戦になる第3節と第4節の相手はベルギーのアンデルレヒトである。名門アンデルレヒトもチャンピオンズリーグの本大会には4年ぶりの出場である。4年前に出場した際にはパリサンジェルマンとグループリーグで対戦している。4年前もグループリーグの中盤戦で対戦し、奇しくも第3戦がブリュッセル、第4戦がパリと今回と同じ順番で対戦する。パリサンジェルマンは同じ首都のチームとしてアンデルレヒト、レアル・マドリッドに対しては特別なライバル心を持っている。4年前の対戦の際は欧州カップで20年ぶりの対戦ということで注目を集めたが、ブリュッセルでの試合はズラタン・イブラヒモビッチが4得点をあげ、エディンソン・カバーニの1ゴールと合わせて5-0と大勝している。またその2週間後にパリで行われた試合はアンデルレヒトが先制したが、イブラヒモビッチのゴールでパリサンジェルマンが追い付き、ドローに持ち込んでいる。結局、4年前はパリサンジェルマンはグループリーグを首位で通過したが、アンデルレヒトは敗退したのである。

■クラブの勢いが対照的なパリサンジェルマンとアンデルレヒト

 そして4年、二都のチームの対戦となったがパリサンジェルマンは4年前のヒーロー、イブラヒモビッチこそ去ったが、欧州屈指のビッグクラブとして大型補強を続け、アンデルレヒトは主力選手が他のビッグクラブに流出した。4年前には主力であったユーリ・ティールマンスはモナコに移籍している。アンデルレヒトの頼みの綱はポーランド代表のCFウカシュ・テオドルチュク、しかし今季は調子が上がらず、チャンピオンズリーグでも連敗スタートである。

■3人の攻撃陣がゴールを決め、脇役に回ったアンヘル・ディマリアも得点

 隣国ということもあり、パリからは約900人のファンがブリュッセルに駆けつけ、試合はキックオフされた。パリサンジェルマンはこの日もネイマール、カバーニ、キリアン・ムバッペの強力3トップの布陣である。この3人が爆発的な攻撃力を見せた。開始早々の3分には右サイドに移動したカバーニが起点となり、ムバッペにつなぎ、ムバッペがマルコ・ベラッティとのワンツーパスを交換し、ムバッペが右足のシュートを決め、先制点。そして前半終了間際の44分にネイマールのシュートをアンデルレヒトのGKがはじいたボールをムバッペがヘディングで折り返し、カバーニがあわせて追加点、2-0というスコアで折り返す。
 後半もパリサンジェルマンのゴールラッシュは止まらない。58分には波状攻撃でカバーニがシュートしたボールがブロックされ、再びカバーニがシュートするが、枠を外れる。66分には他の2人のFWに負けじと、ネイマールがFKを壁の下を狙ってグラウンダーのシュートで直接決めるスーパーゴールで3-0.さらに3人のFWで出番の少なくなったアンヘル・ディマリアが途中出場し、GKと1対1になり、ループシュートを決めて4-0となる。4年前はイブラヒモビッチのリサイタルであったが、現在のパリサンジェルマンは大オーケストラの響きがあり、この勢いは止まらないのである。(続く)

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