第2266回 チャンピオンズリーグ終盤戦 (1) 守備崩壊で4失点、最下位が確定したモナコ

 6年前の東日本大震災、昨年の平成28年熊本地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■大きく出遅れたモナコ

 今季のチャンピオンズリーグについては第2221回から第2224回で序盤戦、第2244回から第2246回で中盤戦の模様を紹介してきた。パリサンジェルマンは4連勝を果たし、2試合を残して決勝トーナメント進出を決めている。一方、昨季のリーグ覇者のモナコは苦戦し、4試合を終えた段階での勝ち点はわずかに2、2分2敗の未勝利で終盤戦を迎えることになった。この時点でのモナコの所属するグループGの順位を確認すると、首位は勝ち点10のベクシタシュ(トルコ)、2位は勝ち点6のポルト(ポルトガル)、3位が勝ち点4のRBライプチヒ(ドイツ)であり、モナコは大きく出遅れている。

■直前の試合でベクシタシュが引き分けて、モナコの望みがつながる

 11月21日に行われる第5節は18時からベクシタシュ-ポルト、20時45分からモナコ-RBライプチヒとなっている。もしも18時からの試合で2位のポルトが首位のベクシタシュに勝利すれば、モナコは決勝トーナメントに進むことができなくなる。また、18時からの試合でベクシタシュが引き分け以上の場合でもモナコは引き分けてしまうと2位以内に入ることが不可能となる。そしてベクシタシュ-ポルト戦の結果に関わらずモナコはRBライプチヒに敗れた場合は決勝トーナメントへの道が絶たれる。
 モナコのファンは18時からのイスタンブールでの試合に注目せざるを得なくなる。首位のベクシタシュは2位のポルトに対し、引き分け以上の成績を残せば、クラブ史上初のチャンピオンズリーグの決勝トーナメント進出を決めることができる。会場のボーダフォンパークは超満員でボルテージも最高となる。ベクシタシュは先制を許したが、タリスカのゴールで追いつき、この同点ゴールで選手もファンも満足であった。1-1のタイスコアで試合を終えたベクシタシュは首位突破というおまけまでついたのである。

■試合序盤にジェメルソンの連続ミスで2点を失ったモナコ

 さて、首の皮一枚残ったモナコには勝利が要求される。相手のRBライプチヒは昇格初年のブンデスリーガでは2位に入ってチャンピオンズリーグの出場権を得たシンデレラチームであるが、チャンピオンズリーグでは苦戦している。ただ、ここでモナコに勝利すれば、最終戦はすでに首位突破を決めたベクシタシュをホームに迎えることから新たなシンデレラストーリーが作られる可能性も残っている。
 リーグ戦ではパリサンジェルマンと勝ち点6差で2位を保っているモナコ、一方のRBライプチヒも国内リーグでは3位につけている。国内リーグの成績は似たような位置にある両チームであるが、一方的な試合になった。
 モナコはジブリル・シディベ、トマ・ルマールなどを負傷で欠くものの、ほぼベストメンバーであったが、モチベーションの欠如が次々と守備に穴を作ってしまった。まずは開始早々の6分、RBライプチヒのこの試合初めてとなる攻撃に対し、モナコのストッパーのジェメルソンが相手のクロスを自分のゴールに蹴りこんでしまう。そして、その3分後の9分にもジェメルソンがミスを犯す。ジェメルソンがファビーニョに送ったパスがケビン・カンプルにインターセプトされてしまい、ティモ・ベルナーがカミル・グリックを交わしてシュート、ダニエル・スバシッチも届かず、10分も経っていないのにモナコは守備陣のミスで2点のビハインドとなる。

■CFのラダメル・ファルカオが守備でミス、大差で敗れたモナコ

 そして31分にRBライプチヒはCKのチャンス、このCKに対しペナルティエリアまで戻って守備に入っていたCFのラダメル・ファルカオが相手の選手を倒してしまう。モナコはPKを与えてしまい、これをベルナーが決めて3-0となる。モナコは前半終了間際の43分にロニー・ロペスのFKをファルカオが合わせて無人のゴールに流し込み、2点差とするが、45分にはRBライプチヒのギニア代表、ナビ・ケイタがファビーニョ、グリックを抜いて右足でシュート、4-1とし、モナコの望みを砕いたのである。
 1-4で敗れたモナコはグループ最下位が確定し、ヨーロッパリーグにも向かうことができなかったのである。(続く)

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