第2331回 マルセイユ、ヨーロッパリーグ準優勝(1) 準々決勝の相手はRBライプチヒ
7年前の東日本大震災、一昨年の平成28年熊本地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■早々と国内三冠を達成したパリサンジェルマン
今季のフランスサッカー界はパリサンジェルマンが5月8日のフランスカップ決勝でレゼルビエを下し、三冠を達成した。ワールドカップの開催年であり、例年よりも早くシーズンが終わるが、早すぎる三冠達成に、ファンはパリサンジェルマンの強さに驚くだけである。
しかし、そのパリサンジェルマンも欧州の舞台ではチャンピオンズリーグの決勝トーナメント1回戦で簡単に敗れてしまっている。敗れた相手がスペインのレアル・マドリッドという強豪であったが、あまりにもあっけない連敗で欧州のステージから姿を消してしまったことにフランス国内のファンは物足りなさを感じていることは事実である。
■国内ではライバルのパリサンジェルマンに差をつけられたマルセイユ
このような国内外でのあまりにも対照的な戦績だったパリサンジェルマンを横目に、欧州の舞台でしぶとく勝ち残っているのがマルセイユである。
パリサンジェルマンのライバルと自負するマルセイユであるが、近年はパリサンジェルマンには全く歯が立たない。2月下旬にもフランスカップとリーグ戦で連戦したが、いずれも0-3と完敗している。この連敗はアウエーゲームであったは言え、マルセイユのファンにとってはショッキングな内容であった。リーグ戦ではモナコ、リヨンとともに激しい2位争いを繰り広げているが、はるか彼方にいるパリサンジェルマンの姿と比較するとファンは悲哀を感じ得ない。
■8年ぶりにベスト8入りしたマルセイユの相手はRBライプチヒ
しかし、そのマルセイユはヨーロッパリーグではしぶとく勝ち残り、決勝トーナメントに入ってからは1回戦でポルトガルのブラガ、2回戦はスペインのアスレチック・ビルバオをイベリア勢を倒し、今季の欧州カップではフランス勢で唯一のベスト8に進出した。チームとしてもヨーロッパリーグの準々決勝進出は8年ぶりのことである。
欧州での一人旅となったマルセイユの準々決勝の相手はドイツのRBライプチヒとなった。旧東ドイツにあるライプチヒにクラブが創立されたのは2009年のことである。5部からスタートし、2部を2季で通過し昨季初めて1部リーグに昇格した。1シーズン限りの夢かと思われたが快進撃を続け、首位に立ったこともあり、最終的には2位となる。クラブが創設して10年もたたないうちにチャンピオンズリーグ出場を果たす。グループGに入り、モナコと同じグループとなったことから本連載ではその戦いについて紹介してきた。結局、チャンピオンズリーグの決勝トーナメントはベシクタシュ(トルコ)、ポルト(ポルトガル)に譲ったが、モナコを抑えて3位に入り、ヨーロッパリーグの決勝トーナメントに進出した。
■ナポリにアウエーで先勝、アウエーゴールの差で2回戦進出
決勝トーナメント1回戦ではRBライプチヒと同様にチャンピオンズリーグから転戦してきたイタリアのナポリと対戦した。近年は上位の常連であり、名将マウリツィオ・サッキが率いて今季が3シーズン目、チャンピオンズリーグでの上位進出をもくろんでいたが、ヨーロッパリーグへの転戦を余儀なくされた。この強豪相手に第1戦はアウエーの試合となった。ホームのナポリは昨年までボルドーに所属していたアルジェリア代表のアダム・ウナスが後半の先制点をあげる。しかし、RBライプチヒはここから大逆転、61分にエースのティム・ベルナーが同点ゴール、サランイ74分位はポルトガル代表のブルマが逆転ゴール、アディショナルタイムにはベルナーが追加点、アウエーの第1戦で3-1と勝利したのである。
アウエーでの3-1の勝利ということで余裕を持って戦った2月22日の第2戦、ホームのレッドブルアリーナは3万6000人の観客で埋まる。この試合RBライプチヒは余裕を持ちすぎたのか、先制され、終盤の86分にも失点する。0-2というスコアでおさめ、2試合通算スコアは3-3となったが、アウエーゴールの差で、RBライプチヒが勝ち抜いたのである。(続く)