第2398回 チャンピオンズリーグ開幕(5) 不振のモナコ、アトレチコ・マドリッドとの初戦に敗れる
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■リーグ戦では不振のモナコ
前回の本連載ではパリサンジェルマンが初戦で昨季準優勝のリバプール(イングランド)に敗れたことを紹介したが、同時刻にキックオフを迎えたモナコの戦いについて紹介しよう。このところフランス国内のタイトルはパリサンジェルマンが独占しているが一矢を報いているのがモナコである。
しかし、今季のリーグ戦では苦戦している。パリサンジェルマンが第5節まで5連勝しているのに対し、モナコは開幕戦こそナントに勝利したものの、その後は2分2敗、勝ち点はわずか5であり、15位と大きく出遅れている。
■欠場者の目立つモナコ
そのモナコは第3シードとしてグループAに入り、初戦は第1シードのアトレチコ・マドリッド(スペイン)とホームで対戦する。アトレチコ・マドリッドは昨季のヨーロッパリーグの優勝チームとして今季のチャンピオンズリーグに出場するが、強豪のひしめくスペインリーグでも2位になっており、今季のチャンピオンズリーグの出場権を有していた。
モナコはGKのダニエル・スバシッチを負傷で欠くだけではなく、昨季の15得点をあげチーム得点王だったロニー・ロペスが移籍の可能性があるため、レオナルド・ジャルディム監督はメンバーから外している。またワールドカップで注目を集めて移籍してきたロシア代表のアレクサンドル・ゴロビンもベンチ外である。さらにトマ・ルマールはアトレチコ・マドリッドに移籍している。ただ、直前のトゥールーズ戦には欠場したラダメル・ファルカオは出場し、主将を務める。ファルカオは古巣との対戦となる。
■3人のフランス代表が先発するアトレチコ・マドリッド
一方のアトレチコ・マドリッドには先発メンバーに3人の世界チャンピオンがいる。アントワン・グリエズマン、ルカ・エルナンデス、そしてルマールである。ただ、アトレチコ・マドリッドも国内リーグでは1勝2分1敗と試合数は1試合少ないものの、勝ち点5にとどまっており、近年では最も悪い成績であり、リーグ順位は8位である。しかし、アトレチコ・マドリッドは欧州カップではフランス勢に対して相性がいい。記憶に新しいところではこの5月のヨーロッパリーグの決勝でマルセイユを退けているが、これまで13試合して7勝5分1敗と大きく勝ち越している。唯一の黒星は1999-2000シーズンのUEFAカップのベスト8決定戦のRCランス戦であり、前世紀のことである。
注目の右サイドのFWはイングランドのウエストブロムウィッチから移籍してきたベルギー代表のナセル・シャドリを起用し、左サイドにもトロワから加入したサミュエル・グランシールを起用した。またトップ下はベルギー代表のユーリ・ティーレマンスが控える。試合は約1万人の観衆の前でキックオフされる。
3人のフランス代表選手が出場するとあってスタンドにはフランス代表監督のディディエ・デシャン監督の姿がある。そしてその隣には2人の代表選手が出場するベルギー代表のコーチであるティエリー・アンリが座る。代表チームのスタッフとして2人はモナコを訪れたわけであるが、デシャンは監督として、そしてアンリは選手としてモナコに所属しており、強豪相手のモナコの戦いを期待しているのであろう。
■先制も空しく、逆転負けでチャンピオンズリーグで3連敗
モナコは22歳のグランシールが18分に先制ゴールをあげたところまでは良かったが、力の差は明らかであり、31分にディエゴ・コスタに同点ゴールを決められ、前半のアディショナルタイムにはCKを与え、コケのCKをニアサイドにいたホセ・ヒメネスがファルカオなどとの競り合いに勝って逆転ゴールを決める。
後半に入ってもアトレチコ・マドリッドは優勢に試合を進め、試合は1-2というスコアのまま終了する。モナコはチャンピオンズリーグではリーグチャンピオンとして出場した昨季もグループリーグで2分4敗で最下位、昨季からの連敗を3に伸ばしたのである。(続く)