第2433回 決勝トーナメントに2チーム進出 (5) パリサンジェルマンとリヨン、最終節で決める
7年前の東日本大震災、一昨年の平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■強力攻撃陣が前半に2点を決める
パリサンジェルマンは本拠地マラカナで今季無敗のレッドスター・ベオグラード(セルビア)とのアウエーゲームに臨む。チャンピオンズリーグでは不振であるが、この試合もエア・ジョーダンとのコラボレーションした黒いユニフォームで臨む。一方のレッドスター・ベオグラードは紅白の縦縞である。
この試合でパリサンジェルマンはエディンソン・カバーニとキリアン・ムバッペの2トップで臨む。両翼には右にアンヘル・ディマリア、左にネイマールという強力攻撃陣を形成する。この攻撃陣が試合開始から機能する。10分には中盤のマルコ・ベラッティから左サイドもまわっていたムバッペにパスし、ムバッペがクロスを入れるとゴール前でカバーニが右足で合わせて先制点。40分にもムバッペがアシストし、ネイマールが追加点をあげる。
■光るネイマールとキリアン・ムバッペのホットライン
後半に入って56分にレッドスター・ベオグラードは1点を返すが、ボール支配率で7割を超え、パリサンジェルマンは後半も攻撃の手を休めることなく、74分にはディマリアの放ったFKにマルキーニョスがヘディングで合わせて再び2点差とする。そして勝利がほぼ確実な後半のアディショナルタイムの92分、今度はネイマールがムバッペにパスし、ムバッペのシュートは相手GKの股間を抜けて4点目となり、4-1とパリサンジェルマンが勝利する。この試合は攻撃陣が活躍し、特にムバッペとネイマールのホットラインのパスは14本、この2人の連携があってこそ大量得点となった。
パリサンジェルマンは自らの勝利で決勝トーナメント進出を決めたが、グループCのもう1試合はホームのリバプール(イングランド)がモハメド・サラーのゴールでナポリを1-0と下した。この結果、パリサンジェルマンは勝ち点11で首位、勝ち点9でリバプールとナポリが並んだが、直接対決の結果は互角(いずれもホームチームが1-0で勝利)、全試合の得失点差も並び、総得点で上回るリバプールが2位となり、前節まで首位のナポリはヨーロッパリーグに回ることとなった。
■内戦のドネツクを避け、雪の降るキエフで最終戦を戦ったリヨン
12月12日にはグループFの最終戦、シャフタール・ドネツク(ウクライナ)-リヨン戦が行われた。リヨンは引き分け以上で決勝トーナメント進出が決まる。また、リヨンが勝利し、もう1つの試合ですでに決勝トーナメント進出を決めているマンチェスター・ユナイテッド(イングランド)がホッフェンハイムに敗れるとリヨンが首位となる。シャフタール・ドネツクもリヨンに勝利すれば決勝トーナメント進出、その場合リヨンはヨーロッパリーグに転戦となり、リヨンとしては引き分け狙いの消極的な試合は望ましくない。ドネツクが内戦による武力紛争が続いているため、シャフタール・ドネツクはキエフのオリンピック競技場で最終戦を行った。
■主将ナビル・フェキルの同点ゴールでリヨン7年ぶりの決勝トーナメントへ
ドネツクよりは北方にあるキエフで雪の降る中での試合となった。先手を取ったのはシャフタール・ドネツクであった。22分にモラエスが先制点を決める。リヨンは1点ビハインドで後半を迎えたが、試合内容は互角である。
後半に入ってリヨンに値千金の同点ゴールをもたらしたのは主将のナビル・フェキルであった。右サイドのメンフィス・デパイからのパスを受けたフェキルはシャフタール・ドネツクの守備陣の厳しいマークをかいくぐって左足でシュートし、得点となる。
試合はこのまま1-1のドロー、リヨンは第2節から最終節まで5試合連続引き分けという珍しい結果になった。リヨンは2位をキープし、決勝トーナメント進出を決めた。リヨンのチャンピオンズリーグの決勝トーナメント進出はこれが10回目のことであるが、実に7年ぶりのことであり、7連覇を果たしたリーグでの優勝からも遠ざかっているチームが久しぶりに欧州の大舞台に戻ってきたのである。(この項、終わり)
本年最後の入稿となります。本年は163回の連載をアップし、読者の皆様のご愛読ありがとうございました。よいお年をお迎えください。