第2460回 欧州カップの決勝トーナメント始まる(4) リヨン、バルセロナと4回目の顔合わせ
8年前の東日本大震災、3年前の平成28年熊本地震、昨年の平成30年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■7シーズンぶりにチャンピオンズリーグの決勝トーナメントを戦うリヨン
前々回の本連載ではパリサンジェルマン、前回の本連載ではレンヌを紹介してきたので、次はリヨンを紹介する番である。リヨンはグループリーグでは第1戦で勝利した後は5試合連続で引き分け、マンチェスター・ユナイテッド(イングランド)に次いで2位となった。
リヨンがリーグ7連覇を果たしたのは2007-08シーズンのことであり、それ以降優勝はない。リーグチャンピオンから10年以上遠ざかってしまい、その後はフランスカップで1回優勝しただけであるが、国内リーグでは常に上位であり、その後もチャンピオンズリーグあるいはヨーロッパリーグにはコンスタントに出場している。しかし、欧州の壁は厚く、チャンピオンズリーグの決勝トーナメントに進出したのは7シーズンぶりのこととなる。
■過去3回の顔合わせはリヨンの2分4敗
そのリヨンの1回戦の相手はスペインのバルセロナである。スペインリーグではレアル・マドリッドと常に優勝を争い、チャンピオンズリーグでも過去3シーズンは準々決勝で敗れているが、これまでに優勝すること5回、欧州を代表するクラブであり、リヨンとの格の違いは明白である。
これまでにリヨンとバルセロナは3回対戦している。いずれもチャンピオンズリーグでの対戦であり、最初は2001-02シーズン、ソニー・アンデルソンの時代である。グループリーグで対戦し、ホームで2-3、アウエーで0-2と連敗し、リヨンは3位にとどまり、UEFAカップに転戦している。一方のバルセロナは首位で突破し、準決勝でレアル・マドリッドに敗れている。2回目の対戦は2007-08シーズンのグループリーグ、ホームで2-2、アウエーで0-3という成績で2位通過となる。リヨンは決勝トーナメント1回戦でマンチェスター・ユナイテッドに敗れたが、バルセロナも準決勝でマンチェスター・ユナイテッドに敗れる。そして3回目の対戦はその翌シーズン、リヨンがリーグチャンピオンとして出場した最後の大会である。2008-09シーズンのグループリーグでリヨンは2位通過を果たし、決勝トーナメント1回戦で対戦したのがバルセロナであった。ホームでの第戦は1-1のドロー、アウエーでの第2戦で2-5と敗れる。バルセロナはその後も勝ち続け、優勝を果たす。
■グルーパマ競技場史上2番目の観客数
このようにこれまでの対戦成績はリヨンの2分4敗、かなり分が悪いことは事実であるが、チャンピオンズリーグの決勝トーナメントともなれば、簡単な相手と対戦することはない。ファンは久しぶりのチャンピオンズリーグの決勝トーナメントを楽しみにし、バルセロナ戦での初勝利を心待ちにしている。
グループリーグを2位で通過したリヨンはホームで第1戦を迎える。7連覇時代のホームはジェルラン競技場であったが、2016年1月からはパルク・オランピック・リヨネ(現グルーパマ競技場)を使用しており、この近代的なスタジアムで迎える初めてのチャンピオンズリーグの決勝トーナメントである。57,889人の観衆があつまり、開業以来2番目(最多は昨年2月のサンテチエンヌ戦の58,069人)の数字となった。
■ビッグチャンスを逃したリヨン、守りを固めて引き分けに持ち込む
リヨンは直前のリーグ戦でニースに敗れ、ナビル・フェキルが出場停止であり、立ち上がりから黄色いユニフォームのバルセロナが猛攻を仕掛ける。これに対してリヨンはコンパクトに守りを固めてバルセロナの得点を許さない。このピンチをしのいだリヨンは5分にはウセム・アウアが反撃のシュート、そして9分にビッグチャンスを迎える。マルタン・テリエのシュートは惜しいところでゴールに入らない。リヨンの得点機はこれだけで、その後は地力に勝るバルセロナが一方的に試合を進めるが、リヨンのGKのアントニー・ロペスを中心とした守りは固く、リヨン、バルセロナともにゴールネットを揺らすことはなく、スコアレスドロー。舞台をバルセロナに移し、リヨンはバルセロナ戦での初勝利を狙うのである。(この項、終わり)