第2576回 3連勝で折り返したパリサンジェルマン(1) 3度目のイスタンブールでガラタサライに初勝利

 平成23年の東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、このたびの台風15号などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■チャンピオンズリーグのグループリーグの折り返し点となる万聖祭の休み

 10月31日はハロウィン、世界中で地域によっては仮装パレードなどが行われるが、これは元々はキリスト教の諸聖人に祈りをささげる万聖節の前夜祭である。万聖節にはすべての先祖の霊が家族に会うために帰ってくると信じられている。墓参をするフランス人も少なくない。万聖祭を含む1週間は学校は休みになる。本来は墓参するための休みであるが、プチバカンスということで出かけることもあれば、家族でそろって自宅で過ごすこともある。そしてスポーツ観戦も重要な万聖祭の休みの使い方である。
 この時期にパリで行われるのが、テニスの国際トーナメント、通称パリベルシーである。またチャンピオンズリーグのグループリーグもこの時期に行われるが、今年は休みの週の前後の週に行われた。

■第2節でガラタサライと対戦するパリサンジェルマン

 本連載第2557回から第2559回ではフランス勢の第1節の戦いについて紹介したが、今回からは万聖祭の休みに行われる第3節と第4節までのフランス勢の戦いについて紹介しよう。
 第1節はグループAのパリサンジェルマンが勝利、グループGのリヨンが引き分け、グループHのリールが敗戦と三者三様の結果となったが、各チームとも第2節は第1節と同じ結果となった。
 第2節で最初に登場したのはパリサンジェルマン、10月1日にトルコのイスタンブールでガラタサライと対戦した。前回まで紹介した欧州選手権予選のトルコ戦を控えているということもあって盛り上がりを見せる。しかし、両チームに両国の選手はほとんどいない。パリサンジェルマンの先発の中でフランス人はプレスネル・キンペンベ1人である。パリサンジェルマンはMCNといわれるキリアン・ムバッペ、エディンソン・カバーニ、ネイマールは先発には名を連ねておらず、アンヘル・ディマリア、マウロ・イカルディ、パブロ・サラビアの攻撃陣である。
 対するガラタサライも先発にはトルコ人の選手はいない。日本の長友佑都もいるが、フランス関係では代表のスティーブン・エンゾンジ、フランス生まれのユネス・ベランダがいる。ベランダはアンダーエイジではフランス代表であったが、フル代表ではモロッコ代表を選んでいる。

■過去2回イスタンブールで勝利しているガラタサライと互角の前半

 パリサンジェルマンとガラタサライはこれまで欧州カップで2回対戦している。最初は1996-97シーズンのカップウィナーズカップ2回戦、2回目は2000-01シーズンのチャンピオンズリーグのグループリーグでのことである。いずれもパリとイスタンブールで対戦しているが、2回ともイスタンブールでパリサンジェルマンは完封負けを喫している。ガラタサライは第1節はアウエーでベルギーのクラブ・ブルージュとスコアレスドロー、パリサンジェルマンとのホームでの戦いで少なくとも引き分けを狙いたいところである。
 ガラタサライは熱狂的なサポーター4万8000人の声援を受けての戦いとなる。試合はほぼ互角の展開となるが、シュートへの意識という点でパリサンジェルマンが一枚上手であった。ボール支配率、パス数ではほぼ互角、しかしながらシュート数で上回ったパリサンジェルマンが序盤から決定機をつかむものの、前半は両チーム無得点である。ガラタサライも守勢一方ではなく、前半も中盤以降はパリサンジェルマンには好機を与えず、均衡した内容の試合展開でハーフタイムを迎える。

■9月に加入したばかりのマウロ・イカルディの初ゴールが決勝点

 後半になってパリサンジェルマンはムバッペがウォーミングアップを開始する。そして50分過ぎからパリサンジェルマンの波状攻撃が始まり、ガラタサライのGKがセーブを連発する。そしてパリサンジェルマンはイカルディがサラビアのクロスをノーマークで受けて、そのまま左足でシュート、これが決まり先制点となる。9月にイタリアのインエルミラノから加入したイカルディはこれがパリサンジェルマンでの初ゴールとなり、61分にムバッペと交代する。
 試合はこのままパリサンジェルマンが守りきり、1-0と勝利、勝ち点を6に伸ばしたのである。(続く)

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