第2581回 決勝トーナメント進出を決定したパリサンジェルマン(2) 圧倒的な強さで4連勝
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■第4節で勝利すれば決勝トーナメント進出が決定
前回の本連載ではチャンピオンズリーグの後半戦の最初となる第4節でのリヨンとリールの戦いについて紹介したが、いよいよ11月6日にはパリサンジェルマンが登場、早ければ2試合を残して決勝トーナメント進出が確定する。
パリサンジェルマンの所属するグループAは前半戦を終えた段階で3連勝で勝ち点9のパリサンジェルマンが大きくリードし、2位のレアル・マドリッド(スペイン)は勝ち点4、3位のクラブ・ブルージュ(ベルギー)は勝ち点2、最下位のガラタサライは勝ち点1にとどまっている。パリサンジェルマンが第4節のホームの戦いでクラブ・ブルージュに勝利すれば決勝トーナメント進出となる。引き分けた場合でもレアル・マドリッドがホームのガラタサライ戦で引き分け以上であれば大丈夫である。
■チャンピオンズリーグのホーム戦では驚異的な強さも、直前のリーグ戦で敗戦
パリサンジェルマンはチャンピオンズリーグのグループリーグはホームで現在22試合無敗(17勝5分)、最後に負けたのは2004年12月のCSKAモスクワ(ロシア)戦である。クラブ・ブルージュとは2週間前にアウエーで対戦し、第2578回の本連載で紹介したとおり、5-0と大勝していることから本拠地パルク・デ・プランスで地元ファンと歓喜の瞬間を分かち合うことができる確率は高いであろう。ただ、国内リーグでも独走しているパリサンジェルマンであるが、直前の11月1日に行われたリーグ戦のディジョン戦ではアウエーゲームではあったが、まさかの1-2という黒星を喫している。
■負傷者が重なり、リーグ戦と連続して出場の多いパリサンジェルマン
パリサンジェルマンはリーグ戦とは選手を3人入れ替えただけでクラブ・ブルージュ戦に臨む。これは負傷者を多数抱えているが故の布陣である。このカードの注目選手、クラブ・ブルージュから移籍してきたトマ・ムニエ、注目の若手、18歳のロイック・ムベ・ソーも負傷でメンバー外となっている。攻撃陣は左にキリアン・ムバッペ、中央にマウロ・イカルディ、右はアンヘル・ディマリアとディジョン戦と同じ顔ぶれだが、ディジョン戦は負傷で欠場していたチアゴ・シウバが戦列復帰し、キャプテンマークを巻く。
満員の観衆の前でパリサンジェルマンは立ち上がりからクラブ・ブルージュを圧倒する。一方、同時刻にマドリッドでキックオフしたレアル・マドリッドは最初の15分間に3ゴールをあげ、なかなか先制点をあげることができないパリサンジェルマンは引き分けでも決勝トーナメントへの道が広がる。しかし、ファンは引き分けで満足はできない。
■チャンピオンズリーグ男のマウロ・イカルディがまたも決勝点
そしてパリサンジェルマンは先制点をあげる。22分に右サイドのコラン・ダグバからのクロスをディマリアが繋いで最後はイカルディがクラブ・ブルージュのGKと一対一になり、右足で至近距離からシュート、ゴールネットを揺らす。イカルディは今季途中にパリサンジェルマンに加わったが、チャンピオンズリーグ第2節のガラタサライ戦で加入後初ゴール、クラブ・ブルージュとのアウエーの試合では2ゴールを決め、これがチャンピオンズリーグ出場4試合目で4得点目となった。また、イカルディは前所属のインテルミラノ(イタリア)でもチャンピオンズリーグには6試合に出場し4得点をあげており、さながらチャンピオンズリーグ男といえるであろう。
試合はガラタサライ戦同様、イカルディのゴールが唯一の得点となり、パリサンジェルマンが1-0と勝利する。早々とグループリーグ突破を決めた。第4節を終えた時点で決勝トーナメント進出を決めたのはパリサンジェルマン以外にはグループBのバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)、グループDのユベントス(イタリア)の3チーム、ユベントス以外は4戦全勝であるが、バイエルン・ミュンヘンもユベントスも4失点、無失点(10得点)のパリサンジェルマンの強さは盤石である。(この項、終わり)