第2596回 終盤戦のチャンピオンズリーグのグループリーグ(5) リヨン、2点差を追いつき、決勝トーナメントへ

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■2位以内を確定しているRBライプチヒがPKで先制

 チャンピオンズリーグの最終節の結果によって首位から最下位までの可能性のあるリヨン、会場のグルーパマ競技場を埋めたファンのボルテージは試合前から最高潮となる。リヨンのルディ・ガルシア監督はマルタン・テリエ、ラファエルを起用し、ジェフ・レーヌ・アデレード、フェルナンド・マルシャルをベンチに置き、勝負どころで起用する考えである。すでに2位以内を決めているドイツのRBライプチヒはこれまでチャンピオンズリーグでフランス勢と3試合戦っているが、唯一敗れたのが今季のリヨンとのホームゲームである。逆にリヨンはチャンピオンズリーグでのホームゲームの成績が悪いところが不安である。
 試合はRBライプチヒのキックオフで始まる。開始早々の2分にRBライプチヒのフランス人選手のダヨ・ウパメカノがリヨンのホッセム・アウアにファウルし、イエローカードとなる。ウパメカノは累積警告で次の決勝トーナメントの第1戦には出場停止となるが、すでに決勝トーナメントを手中にしているRBライプチヒの本気度が伝わってくる。そして7分、RBライプチヒのユセフ・ポールセンがリヨンのGKのアントニー・ロペスと接触して倒れる。主審は笛を吹かず、試合続行となったが、VARとなる。この結果、RBライプチヒにPKが与えられ、これをエミル・フォルスベルクがグラウンダーで決めてRBライプチヒが先制点をあげる。

■PKで2点のリードを許してしまったリヨン

 早く同点に追いつきたいリヨンは20分前後にチャンスを連続してつかむが得点をあげることができず、前半も半ばを過ぎる。そして32分、RBライプチヒのフランス人選手クリストファー・ヌクンクがリヨンのペナルティエリア内にボールを持ちこんだところをリヨンのルカ・トゥザールがファウルしてしまう。今度は主審は自信を持ってペナルティスポットを指差し、満員のリヨンのファンも受け入れざるを得ない。主審の判定に異議を唱えたリヨンのチアゴ・メンデスが警告される。今度はエースのティモ・ベルナーがPKを決めてリヨンは2点のビハインドとなり、チャンピオンズリーグの決勝トーナメントが遠のき、ハーフタイムを迎える。

■リヨンの希望を奪うベンフィカの先制点

 ハーフタイムの時点でポルトガルのリスボンでのベンフィカ-ゼニト・サンクトペテルブルク(ロシア)戦は両チーム無得点、このままのスコアだとリヨンは3位にとどまる。
 しかし、後半が始まってすぐにリヨンのファンは青ざめる。ベンフィカが先制点を入れたのである。ベンフィカが勝利すればリヨンは最下位となり、ヨーロッパリーグの決勝トーナメントも逃すことになる。ここでリヨンはペースを上げる。50分にトゥザールのパスを受けたアウアが見事なゴールを決め、1点差に迫る。しかしながら、ベンフィカは58分に2点目を入れてリードを広げる。ガルシア監督は勝負どころとばかりに64分にレーヌ・アデレード、73分にはマルシャルを投入するが同点に追いつくことがなかなかできない。

■絶体絶命の窮地からリヨンを救ったメンフィス・デパイのゴール

 一方リスボンでは79分にベンフィカがオウンゴールで3点目を得て勝利をほぼ確実にする。ベンフィカにリードを許しているゼニト・サンクトペテルブルクもリヨンが敗れれば、2位を確保し、チャンピオンズリーグの決勝トーナメントが待っている。
 リヨンはチャンピオンズリーグのホームゲームでの戦績が振るわないと言ってもこのまま終わるわけにはいかない。82分、メンフィス・デパイが20メートルの位置からシュートし、RBライプチヒのGKが両手で防ぐ。デパイはビッグチャンスを逃したかに見えたが、その直後に今度はテリエのクロスをムーサ・デンベレがヘディングでゴール前のデパイにつなぐ。角度のないところからデパイがシュートし、同点に追いつく。この時点で2位と4位の順位が入れ替わり、残り8分でようやくリヨンは2位に浮上。このまま2試合とも終了し、リヨンはRBライプチヒに次ぐ2位として決勝トーナメントに臨むのである。(この項、終わり)

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