第2599回 フランス勢不振のヨーロッパリーグ(3) 第2節も勝利できなかったフランス勢
平成23年の東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、この度の台風15号、19号などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■国内リーグでは不振を極めるサンテチエンヌとレンヌ
ヨーロッパリーグ第1節でフランス勢はレンヌもサンテチエンヌも勝利をあげることができなかった。前回の本連載で両チームは近年安定した成績を残していると紹介したが、今季のリーグ戦では苦戦している。サンテチエンヌは8試合終えたところで勝ち点がわずかに8、下から2番目の19位と低迷している。レンヌは順位こそ8位と悪くないように見えるが、リーグ戦では3連勝でスタートしたが、9月に入ってからはリーグ戦では3分2敗、ヨーロッパリーグと合わせてこのところ6試合勝ちがない。両チームはこのリーグ戦の成績を引きずるかのようにヨーロッパリーグでも低迷する。
■ヴォルフスブルクとホームでドロー、ギスレーン・プランタン監督を更迭
第2節は10月3日、今度はサンテチエンヌが18時55分に先にキックオフ、ドイツのヴォルフスブルクを本拠地のジェフロワ・ギシャール競技場に迎える。前回の本連載今季は新監督にギスレーン・プランタンを迎えたものの、リーグ戦では開幕から8試合して勝ち点がわずかに8、順位も下から2番目の19位と不振を極めている。監督交代も秒読み段階であり、後任にはクロード・ピュエルの名があがっている。
ヴォルフスブルクは初戦ではウクライナのオレクサンドリーヤに勝利している。サンテチエンヌと同様、数少ない緑がチームカラーであるが、アウエーの試合とあって水色のユニフォームを着用する。日本の皆様にとってはヴォルフスブルクというと長谷部誠のイメージが強いが、現在の主将はフランス代表の経験もあるジョシュア・ギラボギである。マキシミリアン・アーノルドと組む中盤がチームのダイナモである。2万5000人近い観衆に後押しされたサンテチエンヌは試合を優勢に進め、13分には右サイドDFのマチュー・ドビュッシーのクロスを左サイドDFのティモテー・コロジェチャクがシュートし、先制点をあげる。しかし、ヴォルフスブルクはその2分後、アーノルドの左からのクロスをウィリアムがヘディングで決めて同点に追いつく。その後もサンテチエンヌは優勢に試合を進めるものの、決め手を欠き、1-1のドローで終わる。その翌日サンテチエンヌの経営陣はプランタン監督の解任と後任のピュエルの新監督就任を発表したのである。
■ラツィオに逆転負けを喫したレンヌ
レンヌは21時にイタリアのローマでラツィオと対戦する。ラツィオは第1戦でノーマークといえるルーマニアのCFRクルージに1-2と逆転負けを喫し、ホームの初戦のレンヌ戦では勝利を要求される。ラツィオのシモーネ・インザーギ監督はこのレンヌ戦は決勝のようなものであるとチロ・インモービレとフェリペ・カイセドの2トップで臨む。
会場のオリンピックスタジアムはわずか1万3000人の観衆、試合はレンヌが押し気味で試合を進める。前半は両チーム無得点、均衡を破ったのはレンヌであった。55分にクレマン・グルニエのFKをジェレミー・モレルがヘディングで決める。
しかし、63分にラツィオはセルゲイ・ミリンコビッチ・サビッチが同点ゴール、さらに75分にインモービレがヘディングシュート、レンヌのGKエドゥアール・マンディもよく反応したが届かず、第2節もフランス勢は勝利をあげることができず、サンテチエンヌは3位、レンヌは最下位と低迷し中盤戦を迎えることになった。
■中盤戦を迎える時点でリーグ戦の順位が逆転した両チーム
中盤戦となる第3節と第4節でサンテチエンヌは最下位のオレクサンドリーヤ、レンヌは首位のCFRクルージと連戦する。いずれも第4シードでありここで巻き返しは可能である。
10月24日に行われる第3節までに国内リーグが2試合あり、サンテチエンヌは監督交代が功を奏し、宿敵リヨンとのダービーマッチに勝利し、アウエーでボルドーに勝利と連勝し、10位まで順位を上げる。一方のレンヌはスタッド・ランス、モナコに連敗し、9試合連続で勝利がなく、順位を12位まで下げた状態で中盤戦を迎えたのである。(続く)