第2603回 チャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦組み合わせ

 9年前の東日本大震災、4年前の平成28年熊本地震、昨年の台風15号、18号などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、すべての日本の皆様に激励の意を表します。

■ヨーロッパリーグでは低調なフランス勢

 前回までの本連載ではヨーロッパリーグに出場したフランス勢について紹介してきたが、ストラスブールはプレーオフで敗れ、サンテチエンヌ、レンヌも最終節を待たずして敗退が決定した。フランス勢がヨーロッパリーグの決勝トーナメントに残ることができなかったのは2011-12シーズン以来のことであるが、これまでのフランス勢の不振は目を覆いたくなるものがある。ヨーロッパリーグが発足した2009-10シーズン以降でフランスからはのべ28チームが出場し、決勝トーナメントに進出したのは半数の14チームである。これは過去10年間に6チーム以上が出場している10か国の中では最低の成績である。
 一方のチャンピオンズリーグであるが、パリサンジェルマンとリヨンが昨年に引き続き決勝トーナメントに進出した。

■史上初めて五大リーグ勢が決勝トーナメントを独占

 今年のチャンピオンズリーグは、史上初めて欧州の五大リーグが決勝トーナメントに進出する16チームを占めたことが特筆される。スペインからレアル・マドリッド、バルセロナ、バレンシア、アトレチコ・マドリッド、イングランドからマンチェスター・シティ、リバプール、チェルシー、トットナム・ホットスパー、ドイツからバイエルン・ミュンヘン、RBライプチヒ、ボルシア・ドルトムント、イタリアからユベントス、アタランタ、ナポリ、フランスからパリサンジェルマン、リヨンという顔ぶれである。30年前であるならば、チャンピオンズカップのベスト16は16か国のチームから構成されていたが、1990年代にチャンピオンズリーグとなって有力国から複数チームが出場するようになり、強豪国のチームが上位を独占してきたが、ベスト16の段階で有力五大リーグが独占したのは実は初めてである。
 そして、この五大リーグからチャンピオンズリーグのグループリーグに出場したのは19チームであった。グループリーグで敗退したのはイタリアのインテルミラノ、ドイツのバイエル・レバークーゼン、フランスのリールだけであるが、リール以外の2チームは3位になりヨーロッパリーグの決勝トーナメントに転戦している。リールの奮起に期待するとともに、上述したヨーロッパリーグの件とも合わせるとパリサンジェルマン、リヨンに次ぐ準トップクラスのチームの力が落ちているともいえる。

■決勝トーナメントに進出する16チーム

 さて、12月16日にスイスのニヨンで決勝トーナメントの組み合わせ抽選が行われた。グループリーグで首位通過したチームがと2位通過のチームが対戦することになり、第1戦は2位通過のチームのホームで行われる。 ここで改めて首位突破のチームをグループ順に列挙するとパリサンジェルマン、バイエルン・ミュンヘン、マンチェスター・シティ、ユベントス、リバプール、バルセロナ、RBライプチヒ、バレンシア、2位突破のチームはレアル・マドリッド、トットナム・ホットスパー、アタランタ、アトレチコ・マドリッド、ナポリ、ボルシア・ドルトムント、リヨン、チェルシーとなっている。
 同一のグループリーグで対戦したチーム、同じ国のチームとの対戦はないことから複雑な抽選方法になっており、対戦する確率がチームによって異なる。パリサンジェルマンにとって最も対戦する確率が高いのはアトレチコ・マドリッド、リヨンにとってはリバプールであり、いずれも避けたい相手である。

■パリサンジェルマンはボルシア・ドルトムント、リヨンはユベントスと対戦

 抽選の結果、パリサンジェルマンの対戦相手はボルシア・ドルトムント、2月18日にドルトムントで第1戦、第2戦は3月11日にパリで行われる。リヨンはユベントスと対戦、リヨンでは2月26日、トリノでは3月17日に試合が行われる。その他のカードはアトレチコ・マドリッド-リバプール、アタランタ-バレンシア、トットナム・ホットスパー-RBライプチヒ、チェルシー-バイエルン・ミュンヘン、ナポリ-バルセロナ、レアル・マドリッド-マンチェスター・シティとなったのである。(この項、終わり)

このページのTOPへ