第2633回 チャンピオンズリーグ決勝トーナメント開幕(3) リヨン、ホームでユベントスに先勝

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■コロナウイルスの感染の広がる北部イタリア、リヨンでの試合は実施

 パリサンジェルマンがボルシア・ドルトムント(ドイツ)にアウエーの第1戦で敗れた翌週の2月26日、もう1つのフランス勢のリヨンが本拠地グルーパマ競技場に登場した。リヨンの相手はイタリアのユベントスである。コロナウイルスのイタリア北部での感染が拡大する中であったが、試合は通常通り行われ、ユベントスの所在地であるトリノからも3000人のファンがアルプスを越えてやってきた。

■ユベントスに勝利したことがなく、今季の成績も見劣りするリヨン

 両チームの対戦成績はユベントスの3勝1分であり、リヨンは勝利したことがない。両チームが対戦したのは2013-14シーズンのヨーロッパリーグの準々決勝の際はリヨンでの第1戦は1-0、トリノでの第2戦も2-1とユベントスが連勝している。2016-17シーズンのチャンピオンズリーグではグループリーグで対戦し、リヨンではユベントスが1-0と勝利、トリノでは1-1のドローであり、ユベントスは首位で決勝トーナメント進出、リヨンは3位でヨーロッパリーグに転戦している。
 今季のチャンピオンズリーグのグループリーグでもリヨンが最終戦でようやく2位に滑り込んだのに対し、ユベントスは初戦こそアウエーでアトレチコ・マドリッド(スペイン)と引き分けであったが、その後は5連勝して首位で通過した。国内リーグの順位もユベントスが首位であるのに対し、リヨンは7位と不本意な成績である。またリヨンはチャンピオンズリーグではホームのアドバンテージを生かし切っておらず、今季のグループリーグでも勝利したのはベンフィカ(ポルトガル)戦だけであり、ゼニト・サンクトペテルブルク(ロシア)、ライプチヒ(ドイツ)との試合は引き分けているが、それまでも5試合連続で引き分け、なかなか勝利をすることができない。

■ポルトガル代表のチームメイトであるアントニー・ロペスとクリスチアーノ・ロナウド

 このような過去と並びに現在の成績を考慮するとリヨンの勝機は少ないと思われ、さらにコロナウイルスの影響が懸念されたが、グルーパマ競技場にはマスクをつけたトリノからのファンを含む5万7000人の満員の観客が集まった。
 リヨンの先発メンバーであるが、GKはアントニー・ロペス、DFは3バックで右から主将のジェイソン・デナイヤー、マルセロ、マルシャル、MFは5人、右にレオ・デュボワ、左にマクスウェル・コルネ、中央にはルカ・トゥザール、ブルーノ・ギマラエス、ホッセム・アウア、FWは2トップで右にカール・トコ・エカンビ、左にムーサ・ダンベレという布陣である。グループリーグ突破の立役者のメンフィス・デパイは負傷によりメンバーから外れている。
 一方のユベントスは今季から加わったクリスチアーノ・ロナウドに注目である。これまでにマンチェスター・ユナイテッド(イングランド)、レアル・マドリッド(スペイン)という欧州を代表するチームの主力として活躍し、リヨンともチャンピオンズリーグで10回対戦し、4ゴール4アシストをあげている。フランス勢には滅法相性がよく、リヨンにとって最も注意をしなくてはならない選手であり、リヨンのGKのアントニー・ロペスとはポルトガル代表のチームメイトである。

■ルカ・トゥザールが決勝点をあげたリヨン

 試合は立ち上がりからクリスチアーノ・ロナウドがチャンスを作り、予想通りユベントスのペースとなる。ユベントスはパスをつなぎ、一方的に支配する。リヨンは防戦一方となるが中盤の選手がよく頑張り、ユベントスに決定的なチャンスを与えない。逆に、21分にはトコ・エカンビがヘディングシュート、これはバーに嫌われる。30分にユベントスのストッパーのオランダ代表のマタイス・デリフトが負傷してピッチから離れている時にリヨンはチャンスを迎える。アウアとコルネがワンツーパスで前進し、アウアがゴール前にトゥザールにパス、これをトゥザールが左足でシュート、ゴールの左隅にボールは吸い込まれ、リヨンが先制する。その後もユベントスはクリスチアーノ・ロナウド、パウロ・ディバラを中心にリヨンを攻めるが、枠内にシュートを放つことができず、無得点に終わる。
 1-0というスコアでリヨンはユベントスに初勝利し、トリノでの第2戦に向かうのである。(この項、終わり)

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