第2720回 パリサンジェルマン、 準優勝に終わる(4) 欧州王者となったバイエルン・ミュンヘンと1勝1敗
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■3年ぶりにチャンピオンズリーグに出場したパリサンジェルマン
前回の本連載ではパリサンジェルマンとバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)の2回目のチャンピオンズリーグでの戦いを紹介したが、3回目の対戦は2000-01シーズンのことであった。
この年もパリサンジェルマンはモナコに次いでリーグ2位となり、3年ぶりのチャンピオンズリーグに出場する。フランスからは前年リーグ3位のリヨンも予備戦を勝ち抜いて本線に出場している。この年のチャンピオンズリーグは本戦に32チームが出場し、一次リーグを行い、各グループの上位2チームの16チームが二次リーグを行い、各グループの上位2チーム、すなわち8チームが決勝トーナメントを争うというものであった。
■一次リーグで同じグループに入ったパリサンジェルマンとバイエルン・ミュンヘン
3年ぶりのチャンピオンズリーグでパリサンジェルマンは一次リーグでバイエルン・ミュンヘンと同じグループFに入る。バイエルン・ミュンヘンはブンデスリーガのチャンピオンとして第1シード、パリサンジェルマンが第2シード、これは3年前と変わらない。第3シードとしてノルウェーのローゼンボリ、第4シードとしてスウェーデンのヘルシンボリが加わった。
パリサンジェルマンとバイエルン・ミュンヘンは第3節と第4節に対戦することになり、ホームとアウエーの試合が入れ替わったが、3年前と同じような状況となった。
パリサンジェルマンは第1節でアウエーのローゼンボリ戦では逆転負けで黒星スタート、第2節のヘルシンボリとのホームでの試合は4-1と巻き返して1勝1敗でバイエルン・ミュンヘン戦を迎える。一方のバイエルン・ミュンヘンは北欧の2チームに連勝して中盤戦を迎えた。
■アディショナルタイムのローラン・ルロワのゴールで勝利
3年前と異なり、第3節はパリで行われた。満員のファンの集まるパルク・デ・プランス、開始早々にパリサンジェルマンはニコラ・アネルカがスライディングしながらシュートをするが、これをバイエルン・ミュンヘンのGKオリバー・カーンがセーブする。パリのファンをワクワクさせるスタートとなったが、試合はその後は重苦しい展開となる。ボール支配率ではバイエルン・ミュンヘンが優勢となり、パリサンジェルマンは劣勢となる。前半だけで両チーム3枚のイエローカードという荒れた展開であった。このまま引き分けかと思われたアディショナルタイムの92分、途中から交代出場してきたパリサンジェルマンのローラン・ルロワがペナルティエリアの外でゴールを受け、数多くの選手がマークしていたにもかかわらず、うまくスペースを見つけてシュート、開始早々に得点を阻止したカーンは今度は止められず、これが決勝点となる。パリサンジェルマンは2勝目を挙げた。
グループFはパリサンジェルマン、バイエルン・ミュンヘン、ローゼンボリの3チームが2勝1敗で並び、ヘルシンボリが3敗で後半戦を迎えることになった。
■ミュンヘンではバイエルン・ミュンヘンが勝利、25年ぶり4回目の優勝を果たす
この当時のチャンピオンズリーグは第3節と第4節の間に3週間のインターバルがあった。このインターバルの間、パリサンジェルマンは国内の試合で好調であったが、バイエルン・ミュンヘンは取りこぼしが目立った。
しかし、ミュンヘンのオリンピックスタジアムではホームのバイエルン・ミュンヘンが主導権を握った。3分にボスニア・ヘルツェゴヴィナ代表のハサン・サリハミジッチが先制点をあげ、終了間際にもブラジル代表のパウロ・セルジオの追加点を許し、バイエルン・ミュンヘンが2-0と勝利、両チームは1勝1敗であった。
この後、パリサンジェルマンはローゼンボリに大勝したが、ヘルシンボリと引き分ける。またバイエルン・ミュンヘンは2試合とも引き分ける。この結果、グループFの首位はバイエルン・ミュンヘン(3勝2分1敗、勝ち点11)、2位はパリサンジェルマン(3勝1分2敗、10)となる。
パリサンジェルマンは二次リーグでは振るわず、最下位に沈み、敗退する。一方のバイエルン・ミュンヘンは二次リーグを突破、決勝トーナメントでも勝ち進み、スペインのバレンシアとの決勝をPK戦で制し、25年ぶり4回目の欧州王者となったのである。(続く)