第2746回 2020-21チャンピオンズリーグ(1) 例年より1月遅く始まるグループリーグ
平成23年の東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、昨年の台風15号、19号、令和2年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■10月中旬に開幕するグループリーグ
前回までは23回にわたってUEFAネーションズリーグについて取り上げてきた。今回からは同時期に開催されたチャンピオンズリーグのグループリーグについて紹介しよう。
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて2019-20シーズンのチャンピオンズリーグは3月に中断し、8月に残りの日程を一気に消化し、最後は準々決勝以降をポルトガルのリスボンで行った。例年は5月の下旬に行われる決勝は3か月遅れで実施された。例年チャンピオンズリーグのグループリーグは9月の中旬に始まり、12月の上旬に最終節を迎える。また、グループリーグの始まる前に予備戦が行われ、7月から8月というほとんどの国でリーグ戦が開幕していない段階から欧州の頂点を目指す戦いは始まっている。
前年度のスケジュールが大幅に遅れたことは、今年度のスケジュールに影響し、グループリーグは例年通りよりも1月遅い10月中旬に開幕している。また、予備戦については予備予選、予備戦1回戦、2回戦、3回戦、プレーオフと最大5試合を消化することになるが、予備予選から予備戦3回戦までは1回戦制にして8月中に行い、ホームアンドアウエーで行うプレーオフは9月に実施した。
■リーグチャンピオンのパリサンジェルマンは第1シードに
フランスからは昨季のリーグ優勝のパリサンジェルマン、2位のマルセイユ、3位のレンヌがいずれもグループリーグから参戦する。注目の組み合わせであるがリーグ別のランキングの上位国のリーグ優勝チームと前年度のチャンピオンズリーグとヨーロッパリーグの優勝チームが第1シードに入る。前年度のチャンピオンズリーグの優勝チームであるドイツのバイエルン・ミュンヘンは国内リーグも制覇しているため、リーグランキングが7位のポルトガルの優勝チームのポルトも第1シード入りした。第1シードに入ったのは前年優勝のバイエルン・ミュンヘン、ヨーロッパリーグ優勝チームのセビリア(スペイン)、以下、各国のリーグ優勝チームをリーグランキングごとに並べると、レアル・マドリッド(スペイン)、リバプール(イングランド)、ユベントス(イタリア)、パリサンジェルマン、ゼニト・サンクトペテルブルク(ロシア)、ポルトとなる。
第2シードにはリーグチャンピオンにはなれなかったビッグクラブが目白押しである。バルセロナ、アトレチコ・マドリッドのスペイン勢とイングランドのマンチェスター・シティはパリサンジェルマンよりも高いUEFAのインデックスを誇る。パリサンジェルマン自身も出場32チームの中ではUEFAインデックスは6番目であるが、第2シードからどのチームが入ってくるかが気がかりであろう。
■第4シードにとどまったマルセイユとレンヌ
そして残りのフランス勢2チームは欧州での実績に乏しいため、いずれも第4シードにとどまった。全盛期のディエゴ・マラドーナを獲得する勢いのあったマルセイユは、チャンピオンズリーグは7年ぶりの出場であり、7年前はグループリーグ最下位に終わっている。本選出場32チーム中のUEFAインデックスの順位は26位である。またレンヌはこれがチャンピオンズリーグ初出場となる。2年前のヨーロッパリーグでの活躍が記憶に新しいが、それ以外は欧州の舞台では極めて低調な成績しか残しておらず、UEFAインデックスでは出場32チーム中31番目のチームとなっている。
■組み合わせが決定
組み合わせ抽選の結果、パリサンジェルマンはグループH、第2シードはマンチェスター・ユナイテッド(イングランド)、第3シードはRBライプチヒ(ドイツ)、第4シードはイスタンブールBBSK(トルコ)となった。マルセイユはグループCに入り、第1シードはポルト、第2シードはマンチェスター・シティ、第3シードはオリンピアコス(ギリシャ)となる。そしてレンヌはグループEで第1シードのセビリア、第2シードのチェルシー(イングランド)、第3シードのクラスノダール(ロシア)と対戦することになったのである。(続く)