第2747回 2020-21チャンピオンズリーグ(2) パリサンジェルマン、ホームでマンチェスター・ユナイテッドに敗れる
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■リーグ戦5連勝で迎えたチャンピオンズリーグの初戦
新型コロナウイルスの感染拡大によってチャンピオンズリーグのグループリーグは例年より1月遅く始まった。フランス勢3チームの中で先に登場したのは、グループHのパリサンジェルマンとグループEのレンヌであり、10月20日の21時にホームで開幕を迎えた。
昨年準優勝のパリサンジェルマンは、チャンピオンズリーグのファイナル8と国内リーグの開幕の時期が重なったため、2週間遅れてリーグ戦が開幕した。初戦(第2節)のRCランス戦をアウエーで落とし、次戦のマルセイユ戦をホームで落とすというまさかの連敗スタートであったが、その後は5連勝でチャンピオンズリーグの開幕を迎えた。
■2シーズン前の決勝トーナメントでは歴史的な逆転負け
初戦の相手はイングランドのマンチェスター・ユナイテッドである。第2シードのチームをホームに迎えるという難しい初戦となった。近年は同じマンチェスター勢のマンチェスター・シティに押され気味であるが、本連載の読者の皆様であれば、2シーズン前のことは忘れてはいないであろう。これまでにパリサンジェルマンはマンチェスター・ユナイテッドとは1回(2試合)しか対戦していない。それが2018-19シーズンのチャンピオンズリーグの決勝トーナメント1回戦である。パリサンジェルマンはグループリーグを首位で通過し、まず2月12日にアウエーでマンチェスター・ユナイテッドと対戦する。後半にプレスネル・キンペンベ、キリアン・ムバッペのゴールでパリサンジェルマンがアウエーで2-0と勝利する。
過去の欧州カップのノックアウトステージでアウエーの第1戦を2-0で勝利して、逆転されたケースはなかった。パリサンジェルマンはホームのパルク・デ・プランスで立ち上がり2分に1点を失うが、その直後に追いつく。マンチェスター・ユナイテッドは30分に勝ち越し点を奪うが、勝ち抜くためにはもう1点必要である。パリサンジェルマンは圧倒的にボールを支配しており、この試合に勝つことはできなくても勝ち抜くことに間違いはないとだらしもが思っていた。しかし、アディショナルタイムにビデオ判定の末、マンチェスター・ユナイテッドにPKが与えられる。これをマーカス・ラッシュフォードが決めて、パリサンジェルマンは歴史に残る大逆転負けを喫したのである。
■先制はマンチェスター・ユナイテッド
それ以来1年9か月ぶりの再戦となり、今度はパリで先に対戦する。パリサンジェルマンは負傷者が相次ぎ、ポルトガル代表で新加入のダニーロ・ペレイラがパリサンジェルマンの試合で初先発、またレイバン・クルザワも1月ぶりに先発する。しかし、攻撃陣は中央にネイマール、アンヘル・ディマリア、左にキリアン・ムバッペと盤石の布陣である。
一方のマンチェスター・ユナイテッドも多数の負傷者を抱えて初戦を迎えた。フランス代表ではアントニー・マルシャルは先発したが、ポール・ポグバはベンチスタートとなる。
試合は両チームが積極的に攻める見どころの多い試合となった。そして光ったのは両チームのGKである。パリサンジェルマンのケイロス・ナバス、マンチェスター・ユナイテッドのダビッド・デヘアの2人は好セーブを連発した。しかし、この試合ではゴールネットが3回揺れた。まず前半の23分、パリサンジェルマンのストッパーのアブドゥ・ディアロがペナルティエリア内でマルシャルを倒してしまう。ブルーノ・フェルナンデスの蹴ったボールによく反応したナバスが止めたが、GK側に違反があったということで蹴り直しとなる。今度はフェルナンデスが、逆方向に蹴り、これはナバスは届かず、マンチェスター・ユナイテッドが先制する。
■オウンゴールで同点となるも、試合終盤にマーカス・ラッシュフォードが決勝点
このスコアで前半を折り返し、後半に入って55分、パリサンジェルマンは左サイドからのCKのチャンスを得る。ネイマールがゴール前にあげたボールをマンチェスター・ユナイテッドのマルシャルがヘディングでクリアしようとするが、このボールが自らのゴールに吸い込まれ、パリサンジェルマンはオウンゴールで追いつく。
この後、マンチェスター・ユナイテッドはポグバを投入、ここでリズムが変わる。しかしパリサンジェルマンもよく持ちこたえ、このままドローかと思われたが、87分にマンチェスター・ユナイテッドはラッシュフォードが決勝点をあげ、2-1で勝利する。パリサンジェルマンは本拠地パルク・デ・プランスで連敗を喫したのである。(続く)