第2754回 2020-21チャンピオンズリーグ(9) マルセイユも第4節で3位以下が確定

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■引き分け以下で3位以下が確定するマルセイユ

 前回の本連載ではレンヌが第4節で早々と3位以下が確定したことを紹介したが、マルセイユもまた厳しい結果となった。
 マルセイユの所属するグループCはマンチェスター・シティ(イングランド)が3連勝、ポルト(ポルトガル)が2勝1敗、オリンピアコス(ギリシャ)が1勝2敗、マルセイユが3連敗と首位から最下位までがきれいに並んでいる。マルセイユの第4節は11月25日のポルトとのホームゲームである。この試合で引き分け以下であれば、レンヌと同様に3位以下が確定してしまう。

■マルセイユ移籍が実現しなかったディエゴ・マラドーナが逝去

 マルセイユは11月に入ってからは、リーグ戦はストラスブールで1試合行ったのみであり、10月27日以来久しぶりのベロドロームでの試合となる。ちょうどこの日、ディエゴ・マラドーナが亡くなり、試合前には無人のスタジアムでは選手、関係者が1分間の黙祷を行った。大型ビジョンにマラドーナの写真が投影されたが、マラドーナがマルセイユに移籍の動きがあったのは今から31年前、結局移籍は実現しなかったが、当時のマルセイユはまさに飛ぶ鳥を落とす勢い、獲得できなかったのはチャンピオンズカップ(チャンピオンズリーグ)の優勝とマラドーナだけであった。もし、マラドーナがマルセイユに移籍していれば、フランスのサッカーの歴史は変わっていたであろう。

■メンバーを入れ替えて攻撃的に試合に臨んだマルセイユ、先制点を許す

 マルセイユはこの時点でチャンピオンズリーグで12連敗であり、これはベルギーのアンデルレヒトと並ぶ記録であり、この試合で敗れれば、不名誉な新記録となってしまう。マルセイユの課題は攻撃力、前半戦の3試合で無得点、そして枠内シュート数はわずか4である。アンドレ・ビラスボラス監督はメンバーを入れ替え、9月に移籍してきたルイス・エンリケが移籍後初先発、バレリー・ジェルマンも先発メンバーに名を連ね、第3節でPKを失敗したディミトリ・パイエやダリオ・ベネディットはベンチスタートとなる。
 ポルトはマルセイユとは逆にチャンピオンズリーグでは好調であり、過去12試合の戦績は9勝2分1敗、その1敗は今季のマンチェスター・シティ戦である。このポルト相手にマルセイユは積極的に攻め、ボール試合率で上回り、これまでの3試合とは異なり、シュートも放つ。15分にはジェルマンのヘディングシュートがポルトのゴールを襲うが、GKがかろうじてクリア、今季初得点を逃す。試合の主導権を握ったかに見えたマルセイユであるが、ポルトに先制点を奪われる。39分にポルトはCKからヘディングでゴールを襲い、マルセイユのGKスティーブ・マンダンダが手でクリアしたところをザイドゥ・サヌシが左足で押し込む。その後もマルセイユは攻め続けるが、前半は1点のビハインドで折り返す。

■PKで追加点を奪われ、新記録の通算13連敗、3位以下となったマルセイユ

 後半に入り、59分にマルセイユはパイエとベネディットを投入し、同点そして逆転を狙う。そしてそのベネディットは67分にポルトのマルコ・グルイッチの後方からのタックルを受ける。グルイッチはこの日2回目の警告となり、レッドカードを突き付けられて退場し、マルセイユは数的有利に立つ。ポルトのセルジオ・コンセイソン監督はこの判定に抗議し、警告を受ける。戦力がダウンし、指揮官も冷静さを失ったポルト相手に一気に攻め込みたいマルセイユであったが、そうはならなかった。その直後の70分には逆にマルセイユのレオナルド・バレルディがペナルティエリア内でムサ・マレガにファウル、これがPKとなるとともに、バレルディも2回目の警告で退場となる。マルセイユの数的有利はわずか3分で終わり、ポルトの主将のセルヒオ・オリベイラがPKを決め、2点差となる。試合終盤にはマルセイユは長友佑都、ポルトは中島翔哉が交代出場し、マルセイユで先発出場していた酒井宏樹と合わせて日本人選手が3人ピッチに立ち、日本のファンは喜ばれたであろう。しかし、マルセイユは0-2で敗れ、通算13連敗と不名誉な新記録を更新するとともに、3位以下が確定し、ヨーロッパリーグ転戦を残り2試合にかけるのである。(続く)

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