第2759回 2020-21チャンピオンズリーグ(14) パリサンジェルマン4季連続で首位突破

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■3チームが勝ち点9で並んだグループH

 パリサンジェルマンは第5節でマンチェスター・ユナイテッド(イングランド)にアウエーで勝利した。このカードは4戦連続してアウエーチームが勝利するという結果になっている。そして今年の対戦成績はパリサンジェルマンから見ると、パリで1-2、マンチェスターで3-1とパリサンジェルマンが1点リードしている。マンチェスターでの試合の後半アディショナルタイムのネイマールのゴールは値千金である。
 第5節でRBライプチヒ(ドイツ)も勝利したため、グループHはパリサンジェルマン、マンチェスター・ユナイテッド、RBライプチヒの3チームが勝ち点9で並んだ。第5節終了時点の直接対決の結果で順位が決まるが、首位はアウエーゴールで両チームに勝っているパリサンジェルマン、2位はホームでしか試合をしていないがRBライプチヒに勝利しているマンチェスター・ユナイテッド、そして3位がRBライプチヒとなる。これらの3チームが上位3位以内を確定させており、チャンピオンズリーグかヨーロッパリーグの決勝トーナメントに進出する。

■直接対決の結果で優位に立つパリサンジェルマン

 最終節は12月9日、RBライプチヒ-マンチェスター・ユナイテッド、パリサンジェルマン-バシャクシェヒルという2試合が同時にキックオフされる。パリサンジェルマンは勝利すれば首位突破となる。引き分けた場合でも2位以上が確定する。そして敗れた場合も、RBライプチヒとマンチェスター・ユナイテッドが引き分けにならない限り、2位以内となる。前半戦の苦戦からは考えられないほど優位な位置で最終節を迎えることとなった。

■第四の審判の人種差別的な発言で試合が中断、2位以内が確定

 無人のパルク・デ・プランス、立ち上がりからパリサンジェルマンが攻め続け、バシャクシェヒルは守勢となり、反則でパリサンジェルマンの出足を止め、すでに12分の段階で2枚のイエローカードがバシャクシェヒルに出されていた。そして13分、今度はバシャクシェヒルのベンチにいるスタッフに主審がレッドカードを突き付ける。バシャクシェヒルのアシスタントコーチが第四の審判と口論したことが理由である。しかし、この際に第四の審判は人種差別的な発言を繰り返していることが判明した。ここでバシャクシェヒルの選手たちはピッチから引きあげ、説明を聞いたパリサンジェルマンの選手も同調し、観客席だけではなくピッチも無人となり、試合は中断したのである。中断後2時間近く経過した23時5分、試合は審判団を変えて翌日の18時55分に再開することとなった。
 他方、ライプチヒの試合はRBライプチヒが3点を先行、マンチェスター・ユナイテッドも追い上げたが、わずかに及ばず、RBライプチヒが3-2と勝利して勝ち点を12に伸ばす。一方のマンチェスター・ユナイテッドは勝ち点9にとどまる。これでRBライプチヒとパリサンジェルマンの2位以内が確定し、マンチェスター・ユナイテッドは3位に甘んじた。

■再開後はネイマール3得点、キリアン・ムバッペ2得点で首位突破

 最終節ならではの順位争いの趣は失われたが、翌日に仕切り直しとなった試合、パリサンジェルマンは勝利すれば首位、それ以外なら2位となる。13分から試合は再開するが、キックオフ前に両チームの選手がセンターサークル上に集まり人種差別反対のこぶしをあげる。再開後の試合はバシャクシェヒルが攻勢にでる。しかし21分にネイマールが右足で先制ゴールを奪うと、一気に流れはパリサンジェルマンのものとなる。38分にはパリサンジェルマンは自陣ゴール前のクリアボールを前線までつなぎ、最後はネイマールがまた右足で追加点をあげる。
 さらに39分にはミッチェル・ベイカーのゴールがオフサイドでいったんは取り消しになったが、その直前のプレーでバシャクシェヒルにファウルがあったということで、PK。今度はキリアン・ムバッペが決めて3-0となる。
 後半に入って50分にはネイマールがハットトリック達成で4-0と突き放す。バシャクシェヒルも57分に1点を返すが、62分にムバッペがこの日2点目を決めて5-1とパリサンジェルマンが大勝、4季連続でチャンピオンズリーグのグループリーグで首位突破となったのである。(この項、終わり)
 
 本年の入稿はこれが最後となります。読者の皆様、ご愛読ありがとうございました。よいお年をお迎えください。

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