第2762回 2020-21ヨーロッパリーグ(2) 中盤戦で連敗したニース
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■復活した古豪ニース
チャンピオンズリーグに出場したフランス勢は前半戦から苦戦したが、ヨーロッパリーグに出場したニースは前半戦でまずますの戦いを見せた。
ニースは第2回のチャンピオンズカップにフランス代表として出場している。1回戦、2回戦と勝ち抜いたが、準々決勝でレアル・マドリッド(スペイン)に敗れている。前年の決勝でスタッド・ド・ランスを破ったスペインの白い巨人にフランス勢は2年連続して屈しているわけである。さらにニースは1959-60シーズンの第5回大会にも出場しているが、また準々決勝でレアル・マドリッドに敗れている。それ以降、ニースはチャンピオンズカップに出場することなく、カップウィナーズカップに1回、UEFAカップに5回出場しただけで21世紀を迎えた。そして2013-14シーズンにはヨーロッパリーグのプレーオフに出場、2016-17シーズンにはヨーロッパリーグのグループリーグに出場、そして2017-18シーズンはチャンピオンズリーグのプレーオフで敗れたものの、ヨーロッパリーグに転戦し、決勝トーナメントに進出している。
近年はリーグ戦で上位の常連であり、第4シードとはいえ、復活した古豪へのファンの期待は大きい。
■4チームとも1勝1敗となった序盤戦
しかし、10月22日の第1節はアウエーで第1シードのバイエル・レバークーゼン(ドイツ)という厳しい戦いとなった。この試合で序盤にニースは2点を失う。20歳のアミン・グイリが1点を返す。その後は1点ビハインドで試合は進むが、後半に3点を立て続けに奪われ、5点差をつけられる。ニースは試合終了間際に1点を返しただけで2-6と大敗した。
翌週の10月29日に行われた第2節は第3シードのベエルシェバ(イスラエル)をホームに迎える。この試合でもグイリが得点をあげる。この1点を守り切り、1勝1敗と盛り返す。同日に行われたスラビア・プラハ(チェコ)-バイエル・レバークーゼン戦はスラビア・プラハが勝利し、第2節を終えた時点でグループCは4試合すべてホームチームが勝利し、4チームが1勝1敗で並んだ。
■中盤戦でスラビア・プラハに連敗
そうなると重要になってくるのが同じ相手と連戦する第3節と第4節である。ニースは第2シードのスラビア・プラハとまずアウエーで戦う。実は両チームは23年前のカップウィナーズカップの2回戦でも対戦し、2試合とも引き分けであったが、アウエーゴールの差でスラビア・プラハが準々決勝に進んでいる。
11月5日の第3節、ニースは主将のダンテを負傷で欠くが、スラビア・プラハは数名の選手を新型コロナウイルスで失い、下部組織から急遽選手を引き上げている。スラビア・プラハが16分にニースのクリアボールを拾って先制する。対するニースも33分にグイリが同点ゴールをあげる。しかし、43分に勝ち越され、後半に入って71分には追加点を奪われる。後半のアディショナルタイムにニースは1点を返すが、2-3で敗れたのである。
3週間はさんで、第4節は11月26日に舞台をニースに移して行われたが、似た展開となった。14分に先制したのはスラビア・プラハ、前半はそのまま折り返し、後半に入って60分にニースはグイリのゴールで追いつく。アンダーエイジのフランス代表のグイリはヨーロッパリーグで4試合連続得点、両親はアルジェリア国籍であり、フル代表でどちらのユニフォームを選ぶのか注目の選手である。そして第3戦同様、試合終盤にスラビア・プラハが2点を奪い、ニースは1勝3敗となった。
■かすかな可能性にかけて残り2試合を戦うニース
グループCは第4節を終えた時点でバイエル・レバークーゼンとスラビア・プラハが3勝1敗、ニースとベエルシェバが1勝3敗となった。ニースが2位以内に入るためにはバイエル・レバークーゼンとベエルシェバに連勝し、バイエル・レバークーゼンが最終節でスラビア・プラハに敗れることが大前提である。これでバイエル・レバークーゼンと勝ち点で並ぶわけであるが、直接対決の成績で上回らなくてはならない。第1節で2-6で敗れているニースは最低4点差で勝利しなくてはならないのである。(続く)