第2763回 2020-21ヨーロッパリーグ(3) 上位シード相手に勝ち点を重ねたリール

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■フランス勢初勝利をかけてスパルタ・プラハと対戦するリール

 前回はヨーロッパリーグの中盤戦で連敗し、決勝トーナメント進出が難しくなったニースを紹介したが、今回は昨季リーグ4位のリールの戦いを紹介しよう。
 リールは2010年代に入るころは欧州カップの常連チームであったが、10年代後半から欧州の舞台から遠ざかり、2季前はリーグ2位となり、昨季はチャンピオンズリーグを戦っているが、欧州での成績は芳しくない。
 リールも第4シード、グループHで戦う。10月22日の第1節はアウエーでチェコのスパルタ・プラハと対戦する。ニースが対戦したスラビア・プラハのライバルであり、昨季はカップ戦に優勝してヨーロッパリーグの出場権を獲得したが、リーグ戦は3位であり、優勝をスラビア・プラハに譲っている。今季の欧州カップのグループリーグにはフランスから5チームが出場しているが、第1節ではチャンピオンズリーグのパリサンジェルマンとマルセイユが敗れ、レンヌが引き分け、ヨーロッパリーグでもニースが大敗し、4試合で勝ち星がない。最後に登場したリールもこれまでの欧州カップでの成績、さらには第2シード相手のアウエー戦ということで期待薄であった。

■ユスフ・ヤズジュがハットトリック、アウエーでスパルタ・プラハに勝利

 しかし、試合開始直後にリールは得点機をつかみ、その後も試合を優勢に展開する。そして23分、スパルタ・プラハの選手のファウルに対して、レッドカード、リールは数的有利になる。前半終了間際の45分、リールはトルコ代表のユスフ・ヤズジュが25メートルの位置からミドルシュート、スパルタ・プラハのGKも触ったものの、止めることができず、先制点となる。後半が開始して間もなく、スパルタ・プラハは後半から出場した選手が活躍して同点に追いつく。これに対してリールは60分にヤズジュが勝ち越しゴールを奪い、さらに66分にはジョナタン・イコネが追加点をあげてリードを広げる。75分にはヤズジュがハットトリック達成となるゴールを決めて、リールがアウエーで4-1と勝利、フランス勢にとって第1節で唯一勝ち星を挙げた。
 また、同時に行われた第1シードの(スコットランド)と第3シードのACミラン(イタリア)の戦いもアウエーで下位シードのACミランが勝利し、波乱の幕開けとなった。

■セルチック・グラスゴーが2点を先制

 10月29日の第2節は第1節で上位陣をアウエーで倒した両チームがホームに上位陣を迎える。リールが迎えるセルチック・グラスゴーは1995年から継続して欧州カップに出場している。またリールのティモシー・ウェアは2年前までセルチック・グラスゴーに所属していた。先制点をあげたのはセルチック・グラスゴーであった。28分にモハメド・エルユヌシがヒールパスを受けてシュートしてゴールをあげる。エルユヌシは33分にも連続してゴールをあげ、リールは2点をリードされてしまう。40分にリールはPKを得たが、これをカナダ代表のジョナサン・デイビッドが失敗、44分にはスベン・ボットマンのシュートがバーに嫌われ、2点ビハインドで後半を迎えた。

■2点差を追いついたリール、中盤戦ではACミランと対戦

 後半に入って67分、リールはCKのチャンスを得て、ヤズジュがペナルティスポット付近をターゲットとしてゴール前にボールをあげる。ストッパーで主将のアダマ・スマオロがヘッドで合わせ、流れたところをゼキ・チェリクが右足で強烈なシュート、リールは1点差に追い上げる。そして75分にはヤズジュのシュートが外れたところをイコネがペナルティスポット周辺からシュートして、リールは同点に追いついた。このまま試合は2-2の引き分けに終わる。
 そしてもう1試合のACミランとスパルタ・プラハの試合はACミランが3-0と勝利し、勝ち点を6に伸ばした。勝ち点4のリールはそれに次いで2位、勝ち点1のセルチック・グラスゴーが3位、勝ち点のないスパルタ・プラハが4位とシード通りにならない順位となった。
 中盤戦でリールは連勝して波に乗るACミランと対戦するのである。(続く)

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