第2790回 好調リール、アヤックスに連敗(5) 攻め続けるも敗れ、1回戦で姿を消す

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■チャンピオンズリーグよりも先に結果が明らかになるリール

 10年ぶりに欧州カップで決勝トーナメントに勝ち進んだリールであるが、ヨーロッパリーグの決勝トーナメント1回戦ではアヤックス(オランダ)と対戦し、終了間際に逆転され、ホームでの第1戦を落とした。今季の欧州カップの決勝トーナメントについてはフランスからはリールとともに、チャンピオンズリーグのパリサンジェルマンが出場している。本連載の第2783回から第2785回にかけて紹介した通り、パリサンジェルマンは2月16日にアウエーでスペインのバルセロナを4-1と一蹴しているが、パルク・デ・プランスでの第2戦は3月10日に予定されている。一方のヨーロッパリーグは決勝トーナメントに出場するチームが多いこともあり、2月18日に第1戦を行った翌週の25日に第2戦が行われ、チャンピオンズリーグよりも早く1回戦の結果が明らかになる。

■週末の国内リーグでは快勝し、再びリーグ首位同士で対戦する両チーム

 この1週間の間にリールはリーグ戦第26節でロリアンと対戦する。21日の日曜日に試合が行われたため、前日の土曜日に試合を行っていたパリサンジェルマンが暫定的ではあるが首位の座を奪っている。リールはアウエーで勝利すれば首位の座を再び確保することができる。リールはオウンゴールで先制し、その直後に追いつかれたものの、得点を積み重ね、4-1と勝利、リーグ戦ではアウエーの試合で7連勝を記録し、アウエーのアムステルダム(オランダ)に乗り込んだ。
 一方のアヤックスであるが、こちらも週末にリーグ戦でスパルタ・ロッテルダムに4-2と勝利し、リーグ戦での連勝を7に伸ばして首位をキープ、第2戦も第1戦同様にフランスとオランダのリーグ戦の首位同士の戦いとなった。

■第1戦とは見違える攻撃的なサッカーを展開したリール

 第2戦は2月25日、無人のヨハン・クライフアリーナでキックオフを迎える。昨季から通算してアヤックスに3連敗しているリールは、アウエーのこの試合で少なくとも2点が必要である。両チームとも第1戦とはメンバーを若干入れ替える。得点の欲しいリールはジョナタン・イコネ、シェカをMF陣に加え、2トップを第1戦で得点をあげたティモシー・ウェアとグループリーグで2回ハットトリックを決めたユスフ・ヤズジュに任せる。そして直前のロリアン戦ではDFながら得点を入れて活躍したホセ・フォンテをベンチスタートにする。
 一方のアヤックスは守備的な選手を入れ替えてリールの攻撃に対抗しようとする。リールはこれまでのヨーロッパリーグのアウエーの試合は1勝5分6敗と分が悪いが、クリストフ・ガルティエ監督はわずかな確率に賭ける。
 1週間前のホームの試合では守勢一方だったリールはこの日は積極的に攻める。11分にはCKを獲得し、12分にはサンチェスがこの試合初めてのシュートを放つ。しかし、15分にアヤックスは主将のデュサン・タディッチがFKをゴール前に蹴り込む。このボールにヘディングで合わせたのはダフィ・クラーセンであった。リールのGKマイク・マイニャンはこのシュートに触ることができず、失点するが、ゴール直前のプレーでオブストラクションがあったのではないかと抗議し、イエローカードをもらう。マイニャンは第1戦に続いて抗議がイエローカードで戻ってきた。
 29分にはアヤックスはワンツーパスでデバイン・レンシュが決定的なチャンスを迎えたが、マイニャンが負傷覚悟で飛び出して止める。 リードを許したリールであるが、マイニャンの闘志あふれるプレーに触発されたウェア、ヤズジュの攻撃陣は積極的に攻め、リールでの第1戦とは見違える内容の試合を展開する。

■PKで追いつくも終了間際に勝ち越し点を奪われたリール、敗退が決定

 後半に入って75分、リールはジョナタン・ダビッドがペナルティエリア内で倒される。最初は笛を吹かなかった主審であるが、VARの結果、PKがリールに与えられ、ヤズジュが決めて同点となる。このままリールが勢いに乗って逆転すれば試合は振出しに戻る。しかし、1週間前同様、リールは終盤に泣いた。
 88分にアヤックスはタディッチがゴール前にクロスを上げ、これをダビッド・ネレスがヘディングで決めてアヤックスが2-1と勝ち越す。5分間のアディショナルタイムにリールは得点をあげることができず、リールはアヤックスを上回るシュート数を記録しながらも、第1戦に続いて1-2で敗れる。リールは、アヤックスに通算4連敗、ヨーロッパリーグ1回戦で姿を消したのである。(この項、終わり)

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