第2809回 パリサンジェルマン、バイエルン・ミュンヘンと対戦(4) 第1戦直後のリーグ戦の結果が対照的な両チーム
平成23年の東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■第1戦のヒーロー、攻撃のキリアン・ムバッペ、守備のケイロス・ナバス
バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)とのチャンピオンズリーグ準々決勝の第1戦はミュンヘンで行われ、バイエルン・ミュンヘンが試合を支配しながらもパリサンジェルマンが数少ないチャンスを活かして3-2と勝利した。勝利の立役者は2ゴールを決めて今季のチャンピオンズリーグでの通算得点が8となったキリアン・ムバッペ、そしてバイエルン・ミュンヘンのシュートの嵐をことごとく防いだGKのケイロス・ナバス、この2人であろう。
一方のバイエルン・ミュンヘン、ホームで敗れ、さらに3得点を奪われたというのはショックであろう。しかも試合内容は一方的に押していただけに悔やまれる。
■攻守のヒーローが出場し、ストラスブールに大勝したパリサンジェルマン
新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、日程面では影響を受けている欧州カップであるが、今季はノックアウト方式の決勝トーナメントにおいて第1戦の翌週に第2戦が行われる。第1戦の勝利の勢いに乗ったチームが有利ということは、1回戦で8試合中5試合は連勝したチームが1回戦を突破したという数字が物語っている。
パリサンジェルマンは第1戦の直後に行われたリーグ戦では4月10日にアウエーでストラスブールと対戦、メンバーを大きく入れ替えて臨んだ試合であったが、第1戦の攻守のヒーローのムバッペとナバスは最前方と最後方で先発する。ムバッペの先制点を皮切りにパリサンジェルマンは4得点を奪い、ストラスブールの反撃を1点に押さえて4-1と完勝してパリに戻ってきた。
■1部2年目のウニオン・ベルリンとホームで引き分けたバイエルン・ミュンヘン
バイエルン・ミュンヘンは同じく4月10日に国内リーグでウニオン・ベルリンとホームで対戦する。遠藤渓太の所属するチームということで日本の皆様はよくご存じであろうが、旧東ドイツのチームであり、昨季初めてブンデスリーガの1部に昇格した。昨季は11位で残留し、今季も中位にいる。昨年12月にRBライプチヒと引き分けたのを最後にホームのリーグ戦では連勝を続けているバイエルン・ミュンヘンの優勢を疑う存在はいなかった。バイエルン・ミュンヘンはパリサンジェルマン戦とは先発メンバーを半数入れ替えて臨み、68分に待望の先制点を奪ったものの、終盤の86分に追いつかれてドローとなる。バイエルン・ミュンヘンは実に5か月ぶりにホームのリーグ戦で勝ち星を逃したことになる。バイエルン・ミュンヘンがホームの試合で2試合連続して勝つことができなかったのは2019年11月にハンス・ディーター・フリック監督が就任して以来初めてのことであり、ショックから立ち直っていないことが伝わってくる。
■ストッパーを入れ替えたバイエルン・ミュンヘン
さらにバイエルン・ミュンヘンはこれまでパリサンジェルマン相手にパルク・デ・プランスでは4戦全敗である。気落ちしているうえに苦手のパリでの試合となれば、バイエルン・ミュンヘンの勝機は少ない。
バイエルン・ミュンヘンのフリック監督がパルク・デ・プランスのピッチに送り出した11人は次のとおりである。GKはマヌエル・ノイアー、DFは4バックで右からバンジャマン・パバール、ジョシュア・ボアテング、ルカ・エルナンデス、アルフォンソ・デービスMFは低い位置に2人、ダビッド・アラバとヨシュア・キミッヒ、攻撃的なMFは3人、右にレロイ・サネ、中央にトーマス・ミューラー、左にキングスレー・コマン、1トップはマキシム・シュポ・モティンである。攻撃陣は変わっていないが、最終ラインが変わり、エルナンデスが左サイドからストッパーの位置に入り、ストッパーは2人とも1週間前の試合とは入れ替わっている。
フリック監督になってからパリサンジェルマン相手に1勝1敗、1週間前の試合は2-3で敗れたが、試合は支配していた。そして昨夏のリスボン(ポルトガル)の試合もスコアこそ1-0であったが、試合内容はバイエルン・ミュンヘンのワンサイドであった。そして2点差以上あるいはハイスコアでの勝利が必要なアウエーでの試合、同じような展開となったのである。(続く)