第2877回 欧州カップ本戦出場への道(2) ヨーロッパカンファレンスリーグの本戦出場を決めたレンヌ

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■モナコとともに本戦を目指すレンヌ

 前回の本連載ではチャンピオンズリーグの本戦出場をかけてプレーオフでモナコがウクライナのシャフタール・ドネツクに惜しくも敗れたことを紹介した。アウエーゴール2倍ルールの撤廃により、延長戦が行われ、延長後半のオウンゴールで敗れた。アウエーゴール2倍ルールの撤廃は今季から適用されたが、チャンピオンズリーグでは予備戦1回戦で2回、予備戦2回戦で1回、予備戦3回戦で1回該当するケースがあり、6カードが行われたプレーオフではこのモナコ-シャフタール・ドネツク戦のみが該当した。
 モナコ以外のフランス勢で、欧州カップの本戦に直接出場できないのはヨーロッパカンファレンスリーグに出場するレンヌが相当する。

■シーズン後半の過密スケジュールが問題となったヨーロッパリーグ

 このヨーロッパカンファレンスリーグは従来のヨーロッパリーグを分割する形で行われ、UEFAが主催する第3のタイトルとしての位置づけとなる。ヨーロッパリーグは過密スケジュールが問題となっていた。これまでのヨーロッパリーグのグループリーグは48チームが出場し、12グループに分かれて行われ、各グループの上位2チームが決勝トーナメントに進出する。これらの24チームに加え、チャンピオンズリーグのグループリーグの3位チームの8チームを合わせた32チームが決勝トーナメントに出場していた。つまり、決勝トーナメントでは最大9試合(決勝のみ1回戦制)を戦うことになり、決勝トーナメントを16チームで争うチャンピオンズリーグよりも2試合多くなる。

■第3のタイトルとして新設されたヨーロッパカンファレンスリーグ

 一方、イングランド、スペイン、ドイツ、イタリア、フランスという五大リーグのビッグクラブの争うチャンピオンズリーグだけではなく、中堅以下の国のクラブにも欧州の場で戦う機会を広げたい、それがヨーロッパリーグのチーム数、試合数の拡大につながったが、シーズン終盤の過密スケジュールを避けたい。
 中堅以下の国の上位チームへの門戸を広げたいUEFAの解決策が新たなトーナメントの創出であり、ヨーロッパリーグ、ヨーロッパカンファレンスリーグとも決勝トーナメントはそれぞれ16チームで争われることになった。
 180以上のチームが出場するヨーロッパカンファレンスリーグであるが、グループリーグに直接出場するチームはなく、予備戦やプレーオフを経なくてはならない。フランスまでの上位国からの出場チームはプレーオフからの参戦となり、イングランドのトットナム・ホットスパー、イタリアのローマ、ベルギーのアンデルレヒト、オランダのフェイエノールトなどの名もある。

■ノルウェーの強豪ローゼンボリ相手に連勝したレンヌ

 レンヌはプレーオフでノルウェーのローゼンボリと対戦した。国内では最多の26回のリーグ優勝を誇り、チャンピオンズリーグにもしばしば出場したローゼンボリは、昨季はノルウェーリーグで4位に沈み、予備戦2回戦からの参戦である。リーグ戦では第1節、第2節とも引き分けだったレンヌはそろそろ初勝利が欲しい。8月19日にレンヌのロアゾパークで行われた試合はファンの期待に応える内容であった。レンヌの注目の若手であるが、カマルディーン・スレマナは先発、エドゥアルド・カマビンガはベンチスタートである。レンヌは15分にモロッコ代表のストッパーのナイフ・アゲルドがCKから始まった一連の攻撃でヘディングで先制点を決める。さらに、終盤の84分にはセル・ギラシがヘディングシュートで追加点をあげ、2-0と先勝した。
 第2戦は8月25日にローゼンボリで行われた。レンヌはこの間のリーグ戦ではナントに勝利して初勝利をあげる。調子をつかんだレンヌは第2戦も終始主導権を握った。6分にはロマン・デスカスティージョが先制点をあげ、41分にはCKからアゲルドがヘディングで追加点を決める。後半に入ってレンヌはGKのアルフレッド・ゴミスのファウルでPKを与え、1点差に詰め寄られるが、81分には3点目をあげ、3-1と連勝し、グループリーグ進出を決めたのである。(この項、終わり)

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