第2930回 次々と決勝トーナメントに進出したフランス勢 (2) リール、15年ぶりに決勝トーナメントに進出
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■第5節で1位と2位の順位が確定したパリサンジェルマンのグループA
チャンピオンズリーグのグループリーグ最終節、フランスチャンピオンのリールはアウエーでのヴォルフスブルク(ドイツ)との一戦、引き分け以上であれば決勝トーナメント進出が決まる。
フランス勢でもう1チーム出場しているパリサンジェルマンはその前日に最終戦を迎えた。パリサンジェルマンは第5節で決勝トーナメント出場を確定したが、グループAの首位通過はマンチェスター・シティ(イングランド)に譲ってしまった。最終節はパリサンジェルマンがクラブ・ブルージュ(ベルギー)をホームに迎え、マンチェスター・シティはRBライプチヒ(ドイツ)とのアウエーでの対戦となる。グループAはすでに1位と2位の順位は決まっているが、クラブ・ブルージュとRBライプチヒは勝ち点4で並んでいる。すでに指定席を確保したビッグクラブ相手に健闘して3位に入ってヨーロッパリーグに転戦し、別の欧州の頂点を狙いたい。
■キリアン・ムバッペとリオネル・メッシの活躍で最終戦を飾ったパリサンジェルマン
新型コロナウイルスのオミクロン株の流行を受けてライプチヒでの試合は無観客となった。無観客ではあるが、ヨーロッパリーグでの戦いを目指すRBライプチヒは2-1と勝利する。一方、同時刻にキックオフされたパリの試合は満員の観客の中で行われた。パリサンジェルマンはリオネル・メッシを中心に右にアンヘル・ディマリア、左にキリアン・ムバッペという3人の攻撃陣が大活躍をする。試合の序盤の2分と7分にムバッペが連続ゴール、38分にはムバッペのパスを受けたメッシが得点を決める。後半になって1点を返されたが、76分にはPKをメッシが決める。ムバッペ、メッシが2得点ずつあげたパリサンジェルマンは満員のパルク・デ・プランスで最終戦を飾り、決勝トーナメントでの雪辱を誓ったのである。
■自宅が盗難被害を受けたジョナタン・イコネが活躍
この勢いが翌日のリールの戦いにも影響しないわけがない。ヴォルフスブルクのフォルクスワーゲンアリーナは無観客ではないが、観客数を6000人に制限してのキックオフとなった。リールは4-4-2システム、2トップはブラク・イルマズとジョナサン・デイビッドである。この2人を4人の中盤の選手、ジョナタン・イコネ、バンジャマン・アンドレ、サンチェス、ガブリエル・グズムンドソンが支える。
この中で出色のパフォーマンスを見せたのは右サイドのイコネであった。イコネは試合の2日前に自宅に泥棒が入り、被害を受ける。高級時計など25万ユーロ相当の被害に遭うというアクシデントに見舞われたが、黒いユニフォームでピッチに入り、果敢に走り回る。11分には右サイドを駆け上がり、クロスをあげ、これをイルマズがペナルティスポット付近で左足でシュート、リールに待望の先制点をもたらした。
■後半に2点を追加したリール、15年ぶりグループリーグ突破を首位で飾る
前半はヴォルフスブルクがやや優勢に試合を進めていたが、リールの1点リードで折り返した。後半は開始早々にヴォルフスブルクがCKを得たが、ファウルでチャンスをつぶしてしまう。ここから次第に試合はリールのペースとなる。68分にはグズムンドソンに代えて小柄なアンヘル・ゴメスを投入、このゴメスが出場早々活躍する。ゴメスはデイビッドにスルーパス、相手GKと一対一になったデイビッドは至近距離からシュート、リールは追加点をあげる。デイビッドはセビリア(スペイン)戦、レッドブル・ザルツブルク(オーストリア)戦に続き3試合連続ゴールとなり、クラブ史上初のチャンピオンズリーグでの3試合連続得点となった。リールの勢いは止まらず、78分にはオフサイドライン上のイコネがゴメスにパス、ゴメスがチャンピオンズリーグでの初ゴールを決めて3点差となる。
試合終了直前のヴォルフスブルクの反撃で1点を失ったものの、リールは3-1と勝利して首位でグループリーグを通過した。
リールがチャンピオンズリーグの決勝トーナメントに進出するのは2006-07シーズン以来15年ぶりとなるのである。(続く)