第2934回 次々と決勝トーナメントに進出したフランス勢(6) ガラタサライに敗れたマルセイユ、3位以下が決定
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■第5節でガラタサライとイスタンブールで対戦するマルセイユ
ヨーロッパリーグのグループリーグに出場したフランス勢は、リヨン、モナコが勝ち点を重ねたのに対し、マルセイユは4試合連続で引き分け、グループEは第4節を終えた時点で首位は勝ち点8のガラタサライ(トルコ)、2位は勝ち点5のラツィオ・ローマ(イタリア)、3位が勝ち点4のマルセイユ、最下位は勝ち点2のロコモティフ・モスクワ(ロシア)、まだどのチームも決勝トーナメント進出も敗退も決まっていない。
マルセイユは、11月25日に行われる第5節では、アウエーでガラタサライと対戦した。マルセイユのファンは熱い心を持つことで有名であるが、ガラタサライはそれ以上であろう。世界で最も歓声の大きなスタジアムとして記録の残るガラタサライの本拠地、トルコテレコム・アリーナには4万3000人のファンが集まった。
マルセイユのトルコ代表、ジェンギス・ウンデルはアルトゥノルド、バシャクシェヒルというクラブに所属した経験があり、イスタンブールのガラタサライはあこがれのチームであるが、先発メンバーから外れる。
■これまでの4試合同様、押し気味に試合を進めながらもリードされるマルセイユ
マルセイユにとってはこれまでの4試合と同じような試合展開となった。ただ、試合結果はこれまでの4試合にはない、残念なものになった。試合展開というのはマルセイユがボールを支配し、ゲームの主導権を握ったという意味である。マルセイユは試合開始直後から積極的にプレスをかける。しかし、最初の得点機は11分、ガラタサライのシュートがバーを直撃する。その直後の12分にガラタサライはルーマニア代表のアレクサンドル・チクルドゥが得点、この試合で勝利すれば、2位以内が確定するガラタサライには大きな先制点である。マルセイユは試合を押し気味に進め、20分にルアン・ペレスがシュートを放つが、ポストに当たる。マルセイユは同点機を逃すどころか、30分にはドゥエ・チャレタツァルが相手のクロスボールの処理を誤ってオウンゴール、2点のビハインドとなる。37分にはマルセイユはマテオ・ゲンドウジのFKをバンバ・ディアンがヘディングシュートするが、ガラタサライのGKフェルナンド・ムスレラが右手で防ぐ。ディアンは42分にもシュートがムスレラの手の先によって阻まれる。マルセイユはガラタサライの倍以上のシュートを放ちながら、2点ビハインドで後半を迎えた。
■一方的に試合を支配した後半も守備の乱れで失点
後半に入ってからマルセイユはボール支配率を高め、一方的な展開となった。立ち上がりからディアン、アルカディウシュ・ミリクがゴールを襲う。しかし、熱い壁に向かっているかのように得点には至らない。一方、マルセイユの守備陣は肝心なところでの集中力を欠く。64分にはストッパーのウィリアム・サリバがボールを失い、その後もガラタサライの選手に抜かれ、最後はアルジェリア代表のソフィアヌ・フェグリに簡単にシュートを決められてしまう。ようやくマルセイユが1点を返したのは68分、ペナルティエリア内でディアンが倒され、ミリクがPKを決める。しかし、ガラタサライは83分にオランダ代表のライアン・ラベルが出場後19秒で得点をあげて、4-1とする。マルセイユは圧倒的に押し気味に試合を進めながら、85分にミリクが1点を返すにとどまり、2-4で敗れた。枠内シュートはマルセイユが10、ガラタサライが4という数字が示すように、マルセイユは決定機を活かせず、逆に肝心なところでの守備が破綻した。
■3位の座をかけて最終節でロコモティフ・モスクワと対戦
ガラタサライは勝ち点を11に伸ばし、2位のラツィオ・ローマ(イタリア)もロコモティフ・モスクワ(ロシア)を3-0で下し、勝ち点を8とする。この2チームが2位以内を確定させた。
最終節は勝ち点4のマルセイユが勝ち点2のロコモティフ・モスクワを迎える。マルセイユはこの最終戦で今季から新設されたヨーロッパカンファレンスリーグの決勝トーナメント進出をかけて、ロコモティフ・モスクワとの直接対決に臨むのである。(続く)