第3057回 本戦出場チームが決まった欧州カップ(2) ニースとマッカビ・テルアビブの第2戦は延長戦に

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■開幕前から低調な結果が続くニース

 昨季リーグ5位のニースはヨーロッパカンファレンスリーグのプレーオフから欧州の戦いが始まる。チームを欧州カップに導いたクリストフ・ガルティエ監督はパリサンジェルマンに移籍した。ガルティエ監督率いるパリサンジェルマンはプレシーズンから好調であり、ようやく「勝てる監督」がやってきたとパリジャンは喜んでいる。一方のニースはスイス人のルシアン・ファーブルが再登板となった。攻撃的なサッカーを志向し、ボールをダイナミックに動かすのがファーブル流であるが、シーズン前の親善試合では国外のクラブを中心に対戦したが、イタリアのトリノに勝利しただけで、ポルトガルのベンフィカ、イングランドのフルハムといったところには負けている。そしてシーズンが始まっても2試合連続の引き分けである。

■7月31日のチャンピオンズトロフィーに続くフランス勢が登場

 8月18日、ニースのイレブンは、不安の中で満員のテルアビブ(イスラエル)のブルームフィールド競技場のピッチの上に立つ。実はこの競技場には20日ほど前にフランスのチームが試合をしている。本連載第3045回で紹介したチャンピオンズトロフィーは7月31日にパリサンジェルマンとナントがここで対戦した。その試合も満員の観衆が集まったが、ネイマール、リオネル・メッシ、キリアン・ムバッペという世界のスーパースターのプレーをファンは楽しんだ。ところがニースがピッチに立った試合はイスラエルを代表するクラブチームの欧州挑戦への最後の関門ということでスタジアムの雰囲気は殺気立っている。

■優勢に試合を進めながら敗れたアウエーのニース

 試合開始直後から試合を優勢に進めたのはニースであり、積極的にゴール前に迫る。25分過ぎに取られた飲水タイムまでニースは惜しい得点機を何回も逃してしまう。ところがこの辺りからマッカビ・テルアビブがようやく目を覚ます。前半の終盤になってニースのゴールを襲うものの、得点には至らず、両チーム無得点で折り返す。
 ニースのボール保持率が6割近かった前半であったが、後半も似たような試合展開となり、ニースが優勢に試合を進めた。ところが、一本の最終ラインからの縦パスが試合を決めた。74分にマッカビ・テルアビブが前方にロングパス、これを交代出場してきたばかりのスティプ・ペリカがロブでシュート、ニースのGKカスパー・シュマイケルは届かず、決勝ゴールとなり、ニースは第1戦を落としたのである。

■リーグ戦で未勝利のまま臨んだホームの第2戦は1-0で90分を終え、延長戦に

 第2戦は25日に行われるが、その間の週末にリーグ戦は第3節が行われた。ニースはアウエーでクレルモンと対戦する。クレルモンは1部昇格2季目というチーム、開幕戦でパリサンジェルマンに0-5と大敗したが、第2節ではモンペリエに4-2と勝利した。ニースはマッカビ・テルアビブとの第2戦を考慮して、選手を大幅に入れ替える。クレルモンが立ち上がりの6分に先制点を奪い、その後はニースは攻めるものの、得点をあげられず、最後は退場で2人減り、またもリーグ戦で勝利できなかった。
 そして迎えた25日の第2戦、ニースは本拠地アリアンツ・リビエラに2万人のファンを集める。マッカビ・テルアビブはスコアレスドローで逃げ切ろうと、守備を固めた布陣で臨む。試合はニースが第1戦以上に試合を支配する。ニースの先制点は時間の問題であった。25分に右サイドのケフラン・テュラムが素晴らしいクロスをあげる。これをアレクシス・クロード・モーリスが押し込んで先制点を奪い、通算でのスコアをタイとする。マッカビ・テルアビブは得点を奪われても攻撃の芽がなく、ニースは32分には追加点、2試合通算で言えば勝ち越し点、というアンディ・ドロールのシュートは惜しくも得点にはならなかった。
 後半に入っても攻めるニース、守るマッカビ・テルアビブという構図は変わらない。ニースは勝ち越し点を奪えないまま、時計の針は90分となる。90分を終えた時点で1-0、2試合通算では1-1となり、試合は延長戦に突入したのである。(続く)

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