第3059回 欧州カップグループリーグ組み分け決定 (1) ワールドカップの影響を受けた日程

 平成23年の東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■フランスから6チームが参戦する欧州カップ

 前回までの本連載では欧州カップの予備戦、プレーオフについて紹介し、フランス勢は6チームが欧州カップの本戦であるグループリーグに出場することを紹介した。この6チームを改めて紹介すると、チャンピオンズリーグはパリサンジェルマン(昨季リーグ1位)とマルセイユ(2位)、ヨーロッパリーグはモナコ(リーグ3位、チャンピオンズリーグの予備戦3回戦敗退により転戦)、レンヌ(リーグ4位)とナント(フランスカップ優勝)、ヨーロッパカンファレンスリーグはニース(リーグ5位、プレーオフを勝ち抜き)という顔ぶれである。

■史上初めて秋に開催されるワールドカップ

 欧州カップのグループリーグの組み合わせ抽選が行われたので、今回からは各チームの組み合わせについて取り上げるが、その前に今季の日程を説明しなくてはならない。今年はワールドカップイヤーであるが、20年ぶりのアジア開催である。気候面の課題を解消するために、初めてワールドカップが秋から冬にかけて開催される。これまでにワールドカップは21回開催されたが、最も早い開幕は第2回大会に当たる1934年のイタリア大会で5月27日にキックオフされた。逆に一番遅い閉幕は第1回大会の1930年のウルグアイ大会と第8回大会の1966年のイングランド大会で7月30日に決勝戦が行われた。欧州のサッカーシーズンの終了後の6月から7月にかけて中心に行われてきたワールドカップであるが、22回目を迎えるカタール大会は11月20日から12月18日にかけて行われることとなった。
 このワールドカップの開催時期の変更が欧州のサッカーカレンダーに影響を与えた。例えばフランスリーグは例年通り8月の初旬に開幕するが、11月12日を中心に行われる第15節で中断となり、第16節は12月28日に再開する。そして後半戦最初の試合となる第20節は1月28日に行われ、最終節(第38節)は例年より半月ほど遅い6月3日に行われる。

■シーズンを中断する欧州各国のリーグ

 欧州の他の有力リーグもほとんど同じ日程で行われ、ワールドカップ史上初めてシーズン中に開催されることとなった。シーズン中にワールドカップが開催されるのはラグビーのワールドカップも同様であるが、北半球ではイングランドのプレミアリーグ、フランスのTOP14などはワールドカップ期間中も試合数を減少させてリーグを行う。他方、日本のトップリーグ(現在のリーグワン)はワールドカップ期間中はリーグを中断あるいは開幕を遅らせるなどしてきた。今回の欧州サッカー界は日本のトップリーグの方針を追従したことになる。
 その日本のJリーグはワールドカップ前にシーズンを終了することになり、これまでワールドカップが欧州のシーズン後に開幕するのと同様なスケジュールとなる。このシーズン後にワールドカップを戦うという観点から日本をはじめとするアジア勢を優勝候補とする声も少なくない。

■2か月間の間に開催される欧州カップのグループリーグ

 ワールドカップ開幕の1週間前まで行われ、決勝の10日後に再開するリーグ戦であるが、これと変更して欧州カップのグループリーグが行われる。昨季のチャンピオンズリーグは第1節が9月14日と15日に行われ、その後2週間、あるいは3週間おきに試合を行い最終節(第6節)は12月7日と8日に行われ、およそ3か月かけて決勝トーナメント進出を争った。ところが今季は第1節が9月6日と7日に行われ、これは1週間早まっただけであるが、その後は奇数節の後は1週間後、偶数節の後は2週間後に次の試合が行われ、最終節(第6節)は12月7日と8日となっている。例年よりも1月短い2か月間の戦いとなり、ワールドカップ開幕前にグループリーグが終了し、決勝トーナメントを挟んで決勝トーナメントが行われる。
 決勝トーナメントは1回戦が第1戦は2月14日、15日、21日、22日、第2戦は3月7日、8日、14日、15日、準々決勝は第1戦が4月11日と12日、第2戦が18日と19日とここまでは昨年とほぼ同時期に行われる。それ以降の日程が後ろ倒しになり、準決勝はf第1戦が5月9日と10日、第2戦が16日と17日、トルコのイスタンブールで行われる決勝が6月10日と例年より半月ほど遅くなる。この日程の変更がどのような影響を与えるのであろうか。(続く)

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