第3066回 チャンピオンズリーグ開幕(6) マルセイユはトットナム・ホットスパーと対戦
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■1990年代にはパリサンジェルマンの上を行ったマルセイユ
欧州カップのグループリーグが開幕し、9月6日にフランス勢の先陣を切ったパリサンジェルマンはイタリアのユベントスと25年ぶりに対戦、9試合目にして初勝利をあげた。
その翌日に登場したのがマルセイユである。ライバルの初勝利に刺激されないわけがない。パリサンジェルマンがカップウィナーズカップやUEFAカップでユベントスに負け続けていたころ、マルセイユはそれらよりも格上のチャンピオンズカップ(チャンピオンズリーグ)でイタリアのACミランと名勝負を繰り返していたのである。
そして時代は21世紀、イタリアでもフランスでも盟主の座は変わった。マルセイユはパリサンジェルマンに勝てなくなり、リーグ戦でパリサンジェルマンより上位になったのは2010-11シーズンが最後、すなわちパリサンジェルマンはカタール資本になってからマルセイユよりも常に上位にある。
■ヨーロッパリーグ、ヨーロッパカンファレンスリーグで優勝に近づいたマルセイユ
パリサンジェルマンの後塵を拝しているマルセイユであるが、2011年以降昨季までの13シーズンで、チャンピオンズリーグに3回、ヨーロッパリーグに5回、ヨーロッパカンファレンスリーグに1回出場している。記憶に新しいのは昨季のヨーロッパカンファレンスリーグ、初代チャンピオンを目指したが、優勝まであと一歩、準決勝でオランダのフェイエノールトに敗れた。そしてヨーロッパリーグは決勝トーナメントに2回進出、中でも2017-18シーズンでは決勝に進出、クラブ史上5回目の欧州カップ決勝となったが、スペインのアトレチコ・マドリッドに0-3と敗れている。
■チャンピオンズリーグで不名誉な13連敗を記録したマルセイユ
このようにヨーロッパリーグ、ヨーロッパカンファレンスリーグでは優勝に近づいたことはあるが、チャンピオンズリーグの成績は芳しくない。2011-12シーズンこそ準々決勝に進出しバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)に敗れたが、2013-14シーズンはグループリーグで6戦全敗、2020-21シーズンはグループリーグが始まってから3連敗で折り返す。第4戦はホームのベロドロームでポルトガルのポルトに0-2と敗れて4連敗となった。2011-12シーズンの決勝トーナメントは最後の3試合でいずれも敗れており、通算して13連敗となった。マルセイユは1992年にチャンピオンズカップがチャンピオンズリーグとなってから、従来はベルギーのアンデルレヒトが持っていた最多連敗記録を更新したのである。第5節でギリシャのオリンピアコスに勝利し、連敗記録は止めたものの、グループ最下位で敗退、2年ぶりのチャンピオンズリーグとなったのである。
■新しいスタジアムでマルセイユを迎えるトットナム・ホットスパー
そのマルセイユの対戦相手はイングランドで昨季4位のトットナム・ホットスパーである。リーグ優勝は2回、最後の優勝は1960-61のことであり、チャンピオンズカップには1回しか出場しておらず、チャンピオンズリーグに復帰したのはちょうど半世紀後の2010-11シーズンのことである。2016-17シーズンからは4季連続出場、2018-19シーズンは決勝に進出、リバプールとのイングランド勢対決となった決勝で敗れている。2010年代以降は欧州カップの常連となり、3季ぶりのチャンピオンズリーグ復帰となった。
第1節はトットナム・ホットスパーの本拠地、トットナム・ホットスパー・スタジアムで行われる。それまでのホワイトハートレーンに代わって2019年春に開業した。チャンピオンズリーグで勝ち進んでいたトットナム・ホットスパーは準々決勝と準決勝のホームゲームで新たなスタジアムを使用する。準々決勝第1戦では同じイングランド勢のマンチェスター・シティと対戦し、6万人のファンの前で1-0と勝利した。アウエーの第2戦は3-4と敗れたが、アウエーゴール2倍ルールで準決勝に進む。オランダのアヤックス・アムステルダムを迎えた準決勝第1戦では0-1と敗れ、ファンを失望させたが、アムステルダムでの第2戦でルーカスがハットトリック、後半アディショナルタイムの決勝点でアウエーゴール2倍ルールを適用させ、クラブ史上初のチャンピオンズリーグ決勝に進出したのである。(続く)