第3078回 中盤戦を迎えたチャンピオンズリーグ(4) 全勝対決となったパリサンジェルマン-ベンフィカ戦

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■ポルトガル3強の中で最下位となった名門ベンフィカ

 国内でのライバルのマルセイユが第3節でようやく初勝利をあげたチャンピオンズリーグのグループリーグ、パリサンジェルマンの中盤戦は10月5日にベンフィカ(ポルトガル)とリスボンで対戦する。ベンフィカはポルトガルを代表するチームであるが、過去3シーズンはリーグチャンピオンの座から離れている。
 昨季はポルト、スポルティング・リスボンに次ぐ3位であった。この3チームがポルトガルのサッカーをリードしているわけであるが、首位のポルトは29勝4分1敗で勝ち点91、2位のスポルティング・リスボンは27勝4分3敗で勝ち点85、そして3位ベンフィカは23勝5分6敗と勝ち点74、2位とは勝ち点11差、首位とは勝ち点で17も差がついており、実質最下位であるとファンは失望した。

■予備戦を勝ち抜き、プレーオフでディナモ・キーウに連勝

 しかし、ポルトガルではリーグ3位チームは予備戦3回戦からチャンピオンズリーグ出場のチャンスが開けている。フランスのモナコと同じスタートラインに立ったが、ベンフィカは予備戦3回戦でデンマークリーグで2位となり予備戦2回戦を勝ち抜いたミッティランに連勝、プレーオフに進出する。
 プレーオフの相手はウクライナのディナモ・キーウである。2021-22シーズンのウクライナリーグはロシアのウクライナ侵攻のために中断されたが、ウクライナサッカー協会は上位2チームのシャフタール・ドネツクとディナモ・キーウをチャンピオンズリーグ出場チームとして決定した。中断時で首位であったシャフタール・ドネツクはグループリーグから、2位だったディナモ・キーウはホームでの試合をポーランドで戦う。予備戦2回戦はトルコのフェネルバフチェと対戦、ポーランドのホームゲームでスコアレスドロー、イスタンブールでの試合は延長を終えたところ90分を終えたところで1-1、従来であれば、ディナモ・キーウの勝ち抜きであったが、アウエーゴール2倍ルールがなくなり、延長戦を戦い、延長後半決勝点をあげたディナモ・キーウが予備戦3回戦に進む。オーストリアのシュトゥルム・グラーツにポーランドでの第1戦に1-0で勝利したが、第2戦は90分を終えた時点で0-1となり、延長戦を戦い、ここでもアウエーの延長戦で2点を奪ったディナモ・キーウが勝ち上がった。
 ベンフィカにとってウクライナ侵攻に負けずに戦い、不撓不屈の闘志で勝ち上がったディナモ・キーウは難敵であったが、プレーオフではポーランドでの第1戦で2-0、ルス競技場での5万8000人観衆の前では3-0と連勝し、本大会出場を決めたのである。

■プレーオフからの勝ち抜き組では唯一第3シードに入ったベンフィカ

 チャンピオンズリーグのグループリーグに出場する32チームのうち、前年の各国リーグ、欧州カップの成績で本戦にストレートインするチームは26チームであり、残りの6チームは予備戦、プレーオフを勝ち抜いてきた。この予備戦、プレーオフを勝ち抜いてきたチームは欧州での実績に乏しく、ほとんどがグループリーグのシード分けで第4シードとなるは、ベンフィカは唯一第3シードに入った。

■第2節でアウエーでユベントスに逆転勝利、全勝対決が実現

 すなわち、パリサンジェルマン、ユベントス(イタリア)の所属しているグループHはただ1つ、プレーオフを勝ち抜いたチームが2つ入っているグループである。したがって、楽勝のグループであるという見方もあったが、その予想を覆したのがベンフィカであった。
 グループHの第1節ではベンフィカと予備戦2回戦から勝ち上がってきたイスラエルのマッカビ・ハイファがリスボンで対戦し、ベンフィカが2-0で勝利し、順当な結果に落ち着いたかと思われた。第2節でベンフィカはユベントスとアウエーで対戦する。ホームのユベントスは4分に昨季までマルセイユに所属していたポーランド代表のアルカディウシュ・ミリクが先制点をあげるが、ベンフィカは前半終了間際にPKで追いつき、後半に入ってダビッド・ネレスが勝ち越しゴールを決め、連勝する。グループHの中盤戦は連勝同士のチームが連戦することになったのである。(続く)

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