第3081回 中盤戦を迎えたチャンピオンズリーグ(7) パリでの試合もベンフィカと1-1のドロー
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■激震となったキリアン・ムバッペの退団報道
10月5日にポルトガルのリスボンで行われたベンフィカとパリサンジェルマンの試合はパリサンジェルマンが優勢に試合を進め、先制をしながらオウンゴールを与えて1-1の引き分けに終わった。一方、もう1つのカードは全敗対決であったが、ユベントス(イタリア)がマッカビ・ハイファ(イスラエル)を3-1と下して初勝利をあげた。
無敗同士の戦いとなった第4節は6日後の10月11日に行われるが、激震が走った。それはキリアン・ムバッペが今冬にパリサンジェルマンから退団する希望があることが報道された。契約が満了となった今夏もムバッペの移籍、特にスペインのレアル・マドリッドへの移籍が話題となったが、パリサンジェルマン側が破格の好条件を提示し、2025年までの契約を結び、新シーズンを迎えた。チームは順調、ムバッペ自身もここまで公式戦12試合で11ゴールと好調、アシストも重ねている。しかし、ネイマールとのPKのキッカーをめぐる問題は完全には快勝していないであろう。そしてベンフィカとの第1戦と第2戦に行われたリーグ戦のスタッド・ド・ランス戦、アウエーの試合ではあったが、セルヒオ・ラモスが退場したこともあり、試合はスコアレスドローに終わった。この試合の後にムバッペはクリストフ・ガルティエ監督の戦術を批判したこともあり、ムバッペとクラブの間にすきま風が吹いたことを受けてのインタビュー記事であった。
■国内外で無敗をキープする両チーム、負傷者の多発したパリサンジェルマン
チャンピオンズリーグのグループリーグの折り返しの時点でパリサンジェルマンは国内外で無敗であるが、ベンフィカは国内リーグではリオ・アベに4-2と勝利し、こちらもシーズン開幕後無敗をキープしている。
舞台にパルク・デ・プランスに移した第4戦であるが、パリサンジェルマンは負傷者が続出した。リオネル・メッシ、ヌーノ・メンデス、プレスネル・キンペンベ、レナート・サンチェスが戦列から離れ、攻撃陣は中央にムバッペ、左にネイマール、右にはパブロ・サラビアが入る。また、3バックはマルキーニョスを中心に右にセルヒオ・ラモス、左は第1戦でオウンゴールを記録したダニーロ・ペレイラが務める。
■勝利したチームは決勝トーナメント進出が決定
この試合の前に行われたマッカビ・ハイファ-ユベントス戦でマッカビ・ハイファが勝利したため、このパリサンジェルマン-ベンフィカ戦の勝利チームは早々と2位以内を決定することができる。これまでパリサンジェルマンはリスボンでの戦績が芳しくないことを伝えてきたが、逆にパリでの戦績は2勝1分であり、負けていない。さらにパリサンジェルマンはベンフィカ以外のポルトガル勢にもパルク・デ・プランスでは3勝1分と良い戦績を誇っている。パリサンジェルマンがこの日、2位以内を決定すれば、2012-13シーズンから11季連続でチャンピオンズリーグの決勝トーナメント進出となる。2012-13シーズンから連続して決勝トーナメントに進出しているのはパリサンジェルマン、レアル・マドリッド、バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)だけである。
■両チームともPKで1点ずつあげ、1-1のドロー
パリサンジェルマンのキックオフで始まった試合、リスボンでの試合と同様にパリサンジェルマンが優位に試合を進めるが、両チームは中盤で相手の攻撃をつぶしあい、なかなかシュートには至らない。ようやくこの試合の枠内へのシュートが放たれたのは試合の3分の1以上が過ぎた34分のことであった。ペナルティエリア内からのサラビアのシュートはベンフィカのギリシャ代表のGKオディセアス・ブラホディモスが難なくカットする。パリサンジェルマンの攻撃する時間が続き、37分、ペナルティエリア内に走り込んだフアン・ベルナトが倒され、PKとなる。このPKを渦中のムバッペが決めて、決勝トーナメント進出に向けて前進する。
後半に入っても試合のリズムは変わらず、52分にはムバッペがゴール前でフリーのチャンスを作るが、シュートはわずかに枠から外れる。
一方、守勢のベンフィカは数少ないチャンスでパリサンジェルマンのゴール前に迫る。60分いはラファ・シウバがペナルティエリア内でマルコ・ベラッティに倒されて今度はベンフィカにPKが与えられる。これをジョアン・マリオが決めてタイスコアとなる。
結局、1-1のまま試合終了、グループHはパリサンジェルマンとベンフィカが他の2チームを引き離して終盤戦を迎えるのである。(続く)