第3083回 3チームが参戦したヨーロッパリーグ(1) 後半アディショナルタイムに得点と失点を記録したレンヌ
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■フランスから3チームがグループリーグに参戦したヨーロッパリーグ
前回までの本連載ではチャンピオンズリーグに出場したパリサンジェルマンとマルセイユの中盤戦について紹介してきたが、同時にヨーロッパリーグ、ヨーロッパカンファレンスリーグのグループリーグが行われ、ワールドカップ前に決勝トーナメント出場チームが決定する。今回からはヨーロッパリーグのグループリーグにフランスから出場している3チームを紹介しよう。
UEFAのリーグランキングで5位のフランスはリーグ戦4位のレンヌとカップ戦優勝のナントにグループリーグの出場権が与えられる。そしてリーグ3位のモナコはチャンピオンズリーグの予備戦3回戦から出場したが、PSVアイントホーフェン(オランダ)に敗れ、ヨーロッパリーグのグループリーグに回った。
■第2シードとなったレンヌとモナコ、第4シードのナント
グループリーグの組み合わせは第3060回の本連載の通りであるが、改めて紹介すると、UEFAランキングに従ってシード分けがなされ、レンヌとモナコは第2シード、ナントは第4シードとなった。レンヌはグループB、第1シードのディナモ・キーウ(ウクライナ)、第3シードのフェネルバフチェ(トルコ)、第4シードのAEKラルナカ(キプロス)と対戦する。モナコはグループH、第1シードはレッドスター・ベオグラード(セルビア)、第3シードはフェレンツェバローシュ(ハンガリー)、第4シードはトラブゾンスポル(トルコ)となった。ナントはグループG、第1シードから順にオリンピアコス(ギリシャ)、カラバフ(アゼルバイジャン)、フライブルク(ドイツ)と対戦する。
■後半アディショナルタイムで決勝点を奪ったAEKラルナカ戦
3チームの中で最も順調に勝ち点を重ねたのがレンヌである。8月初めに始まった国内リーグ戦では序盤はもたついたが、9月8日にヨーロッパリーグのグループリーグ第1節を戦ってからチームは変わった。この時点でリーグ戦では2勝2分2敗、9位と中位をさまよっていた。アウエーで迎えた第1戦、レンヌはリーグ戦とは異なるメンバーで戦ったのが功を奏し、前半から攻め、16分にはCKからアルツール・テアテのシュートはポストに嫌われたが、29分にテアテはヘディングで先制点を決める。その直後にAEKラルナカが追いつき、試合はホームのAEKラルナカが優勢に進め、時計の針は90分を回り、アウエーで勝ち点1かと思われた。しかし、レンヌは後半アディショナルタイムの94分、右サイドの攻撃からクロスがゴール前に上がる。これをロレンツ・アシニョンが右足のボレーで合わせて決勝点となる。
■主将を退場で失い、後半アディショナルタイムにPKで追いつかれたフェネルバフチェ戦
レンヌは直後のリーグ戦ではオセールを5-0と撃破、9月15日にはフェネルバフチェをホームに迎える。フェネルバフチェは第1節で第1シードのディナモ・キーウに勝利している。レンヌは初めて欧州カップでトルコのチームと対戦することになった。
ロアゾンパークは2万人以上のファンが集まり、赤と黒のレンヌを後押しした。フェネルバフチェが優位に試合を進めながらも、前半は両チームとも得点なく後半を迎える。後半の序盤にレンヌは連続ゴールを決める。52分にマルタン・テリエが先制点を決め、54分にはロブロ・マイエルが追加点、2-0とリードする。このまま、オセール戦に続いて大勝かと思われたが、欧州の舞台は勝手が違う。60分にフェネルバフチェは1点を返す。このまま逃げ切りたいレンヌであったが、主将のアマリ・トラオレの82分のファウルが最初は警告と判定されたが、VARの結果、レッドカードとなって退場処分となった。レンヌはさらに守備的な戦いを進めたが、後半アディショナルタイムに入ったところで、レンヌはバンジャマン・ブリジョーがペナルティエリア内でフェネルバフチェの選手の腕をつかみ、フェネルバフチェにPKを与えてしまう。このPKで追いつかれ、2-2のドローとなったが、確実にレンヌはリズムをつかんだのである。(続く)