第3088回 グループリーグ終盤戦の欧州カップ(1) マッカビ・ハイファにホームで大勝したパリサンジェルマン
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■首位争いをするパリサンジェルマンとベンフィカは終盤戦で下位と対戦
ワールドカップ開催により、チャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグ、ヨーロッパカンファレンスリーグのグループリーグは今年は11月初めに最終節を迎える。今回からはその終盤戦を紹介していこう。
まず、パリサンジェルマンとマルセイユが参戦しているチャンピオンズリーグ、中盤戦の第4節を終えた段階まで紹介したが、グループHのパリサンジェルマンはポルトガルのベンフィカと激しい首位争い、全勝同士で中盤戦を迎えたが、リスボンの試合もパリの試合も1-1のドロー、2勝2分の勝ち点8で終盤戦を迎える。このグループでは当初は首位争いをするのではないかと思われたイタリアのユベントスが不調でパリサンジェルマン、ベンフィカ相手に連敗して迎えたマッカビ・ハイファ(イスラエル)との中盤戦は1勝1敗となり、この時点で上位2チームと下位2チームが決定した。
終盤戦は上位チームが下位チームと対戦し、パリサンジェルマンとベンフィカは首位争い、ユベントスとマッカビ・ハイファはヨーロッパリーグの決勝トーナメントに出場できる3位争いをすることになる。
■大量得点をあげたいパリサンジェルマン
勝ち点で並んだ場合、パリサンジェルマンとベンフィカは直接対決で全く互角であるため、下位勢相手に大量得点をあげたいところである。その点ではマッカビ・ハイファとホームゲームを残すパリサンジェルマンは優位に立つ。パリサンジェルマンはパルク・デ・プランスでの第5節でマッカビ・ハイファ相手に目論見通りの試合を展開した。右からリオネル・メッシ、ネイマール、キリアン・ムバッペを並べた攻撃陣を支える中盤以下はマッカビ・ハイファに対し、圧倒的なボール支配率で試合を優勢に進める。
19分にパリサンジェルマンはこのムバッペとメッシが相手ゴール前で左右にパスを回す。マッカビ・ハイファの守備陣が付いていけなくなったところをメッシがボレーでシュートして先制点をあげる。25分には左サイドからムバッペとネイマールがパスをつないで、最後は左サイドのムバッペが同じようなコースを決めて追加点をあげた。さらに35分はメッシ、ムバッペ、ネイマールの3人がパスを回しながら前進、ネイマールがゴールを決めて、パリサンジェルマンの誇るMNMがそろって得点をあげた。38分にマッカビ・ハイファは左サイドのFKからヘディングシュートで1点を返すが、パリサンジェルマンは前半終了間際にメッシがペナルティエリアの外側から左足でミドルシュート、これが決まって3点差で折り返した。
■後半にも大量点をあげたパリサンジェルマンが5点差で勝利
スコアとボール支配率では劣るマッカビ・ハイファも積極的にシュートを狙う。後半に入ってマッカビ・ハイファが1点を返し、再び2点差とする。しかし、パルク・デ・プランスの満員の観衆の前で、パリサンジェルマンの攻撃陣は休むことを知らなかった。64分には右サイドのアクラフ・ハキムが逆サイドのムバッペに展開、ムバッペが右足でシュートを決め、5-2とする。さらに67分にはネイマールのクロスをマッカビ・ハイファのDFがオウンゴール、最後は84分にメッシのクロスをカルロス・ソレールが左足でパリサンジェルマン加入後最初の得点をあげ、7-2と大勝する。
■ユベントスに終盤追い上げられたベンフィカは1点差の勝利
グループHのもう1つの試合ではベンフィカがユベントスをホームに迎えた。ベンフィカが先制するがユベントスが追いつく。しかし、ベンフィカはPKで勝ち越し、それから2得点を追加し、50分過ぎには4-1と3点差をつけた。ベンフィカにとっても得点差をつけて最後のホームゲームを飾りたいところである。しかし、ユベントスは終盤に2点を返し、結局4-3と1点差での勝利となった。
ベンフィカが2点しか差をつけることができなかったマッカビ・ハイファに対して5点差で勝利したパリサンジェルマンは、勝ち点で並ぶベンフィカよりも得失点差で4上回り、優位な位置で最終節を迎えたのである。(続く)