第3090回 グループリーグ終盤戦の欧州カップ(3) 後半アディショナルタイムの失点で最下位敗退となったマルセイユ
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■中盤戦でスポルティング・リスボンに連勝したマルセイユ
前々回と前回の本連載では、アウエーでの総得点という微妙な差で首位をポルトガルのベンフィカに譲り、2位通過となったパリサンジェルマンを紹介した。パリサンジェルマンとベンフィカは中盤戦で2試合とも1-1のドローということでこのような結果になったが、今回紹介するマルセイユは連敗スタートだったが、中盤戦でスポルティング・リスボン(ポルトガル)に連勝し、スポルティング・リスボンを首位の座から引きずり下ろした。
マルセイユの所属するグループDは第4節を迎える時点で首位はトットナム・ホットスパー(イングランド、勝ち点7)、それを追って勝ち点6でマルセイユとスポルティング・リスボン、フランクルト(ドイツ)が勝ち点4で最下位である。
■フランクフルトにアウエーで敗れて最下位に落ちたマルセイユ
第5節は10月26日に行われ、首位のトットナム・ホットスパーがスポルティング・リスボンを迎え、マルセイユはフランクフルトに乗り込む。最下位のチーム相手にマルセイユは勝利をあげたいところである。しかし、そのマルセイユは出足でつまずいた。3分にフランクフルトはクロスから鎌田大地が右足でシュートを決める。対するマルセイユも22分、マテオ・ゲンドウジが相手のクリアボールを拾ってサイドに展開、シャンセル・ムベンバが右サイドからクロスを供給、最前線まで走りこんできたゲンドウジがボレーで同点ゴールを決める。試合は振出しに戻ったが、ホームの大歓声を受けたフランクフルトは27分にエスパー・リンドストロームのパスがマルセイユの守備陣にブロックされたこぼれ球をオリンピックのフランス代表だったランダル・コロムアニが右足で勝ち越しゴールを奪う。1点リードされたマルセイユは攻勢を強め、パスを回してボール支配率を高める。後半は攻めるマルセイユ、守るフランクフルトという構図の試合となったが、マルセイユは追いつくことができず、フランクフルトにはホーム、アウエーとも敗れ、中盤戦での勢いを勝ち点にすることができなかった。
■混戦となったグループD
グループDのもう1つの試合はトットナム・ホットスパーがスポルティング・リスボンに先制を許しながら、終盤に追いついた。
この結果、最終節を迎える時点のグループDの順位と勝ち点は首位のトットナム・ホットスパーの勝ち点は8、2位のスポルティング・リスボンと3位のフランクフルトが勝ち点7、最下位に落ちたマルセイユは勝ち点6となる。最終節は11月1日に行われ、スポルティング・リスボン-フランクルト戦、マルセイユ-トットナム・ホットスパー戦が同時にキックオフされる。すなわち、この時点ですべてのチームに決勝トーナメント進出の可能性があり、トットナム・ホットスパー以外の3チームは最下位となって敗退する危険性がある。
リスボンとマルセイユ、2つの港町で行われた試合はグループリーグ最終節にふさわしいスリリングな展開となった。マルセイユはホームでトットナム・ホットスパーに勝利すれば、2位以内が確定する。特にスポルティング・リスボンとフランクフルトの試合が引き分けになれば首位突破である。
■後半アディショナルタイムの失点で3回連続グループリーグで最下位敗退
最初にゴールネットが揺れたのはリスボンの試合であった。スポルティング・リスボンのアルトゥールが39分に先制点をあげる。このままのスコアだとマルセイユは3位争いをフランクフルトとすることになり、直接対決の結果から最下位のままである。そしてファン待望のゴールがベロドロームで生まれた。前半アディショナルタイムにムベンバがCKからの展開でヘディングシュート。これでマルセイユは2位に浮上した。
後半に入りトットナム・ホットスパーがクレマン・ラングレのシュートで追いつき、またマルセイユは最下位に落ちるが、フランクフルトは前節でマルセイユから得点を奪った鎌田とコロムアニが立て続けにゴール、これでマルセイユは3位に浮上する。逆にこの時点でトットナム・ホットスパーは首位から陥落した。首位通過を狙うトットナム・ホットスパーは後半アディショナルタイムノ95分にピエール・エミール・ホイビュルクが決勝点をあげる。
この結果、マルセイユは最下位となり、チャンピオンズリーグのグループリーグでは3回連続して最下位敗退となったのである。(続く)