第3092回 グループリーグ終盤戦の欧州カップ(5) モナコもナントも2位通過
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■2位以下は混戦となったモナコのグループH
前回の本連載ではトルコのフェネルバフチェと首位を争い、終盤戦の2試合で勝ち星を逃して2位通過となったレンヌを紹介したが、今回はチャンピオンズリーグの予備戦から転戦してきたモナコとフランスカップ勝者のナントについて紹介しよう。
モナコの所属するグループHの第5節を終えた時点の順位を紹介すると首位がハンガリーのフェレンツェバローシュで勝ち点10、2位がモナコで勝ち点7、トルコのトラブゾンスポルとセルビアのレッドスター・ベオグラードで勝ち点6となっている。最終節でモナコは勝ち点でフェレンツェバローシュに並ぶことはできるが、直接対決でモナコは1分1敗であり、フェレンツェバローシュが最終節を前に首位を確定している。ヨーロッパリーグのグループリーグの2位は決勝トーナメントのプレーオフ進出、3位はヨーロッパカンファレンスリーグのトーナメントのプレーオフに転戦することになる。最終節でモナコは2位をキープしたい。
■最終節で完勝したモナコが2位をキープ
最終節は11月3日、モナコはレッドスター・ベオグラードを迎える。同時にトラブゾンスポル-フェレンツェバローシュ戦が行われる。モナコは勝利すれば2位を確定、引き分けとなれば、もう1試合の結果によるが、2位から最下位敗退までの可能性がある。
レッドスター・ベオグラードはここまで2勝3敗であるが、2勝はいずれもホームゲーム、唯一のホームの敗戦がモナコ戦である。相性のいい相手にモナコは序盤から攻め続けた。早速5分にケビン・フォランドが先制点をあげ、その後もモナコの攻勢が続き、15分にはウィッサム・ベンイェデルが追加点かと思われたが、オフサイドの判定でノーゴール。しかし27分にフォランドが2点目を決めてハーフタイムを迎える。
後半も50分にミラン・ロディッチが3点目を無人のゴールに決める。53分にモナコはブノワ・バディアシルのペナルティエリア内のファウルからPKで1点を失ったが、87分にはフォランドがハットトリック達成となるゴールを決めて、4-1と勝利、2位通過を決めた。
■残り2試合に逆転を託すナント、ホームの直接対決でカラバフに勝利
欧州での近年の実績に乏しいナントはグループGの第1節で勝利した後は3連敗、第4節を終えた時点の勝ち点は3で3位である。このグループは4連勝のフライブルクが独走して首位通過を決定、2位のアゼルバイジャンのカラバフは勝ち点7、4位のギリシャのオリンピアコスは勝ち点1とかなり勝ち点が分散している。2位に食い込みたいナントにとって第5節のカラバフとの対戦はラストチャンスとなった。第2節のアウエーでの試合では0-3と完敗したが、10月26日のホームの試合で勝利すれば勝ち点1差に迫ることができる。
ナントは17分にルドビック・ブラが相手のミスに乗じて先制点をあげたが、苦しい展開となった。後半に入って55分にカラバフの攻撃に対し、ナントのGKのアルバン・ルフォンがペナルティエリア内でファウル、カードは提示されなかったが、PKを与えてしまう。ルフォンはPKをストップできず、同点となる。試合はこのまま進むが、後半アディショナルタイムの94分、ナントのイグナティウス・ガンゴが決勝点をあげ、3位以内を確定し、最終戦に2位突破の望みをつないだ。
■最終戦でオリンピアコスに勝利、カラバフを抜いて2位となったナント
11月3日が最終戦、ナントはオリンピアコスとのアウエーゲーム、ライバルのカラバフは首位を確定したフライブルクとのホームゲームである。ナントが勝利し、カラバフが引き分け以下の場合のみ、ナントは2位になる。
フライブルクは25分にPKで先制、ナントにとってお膳立てはできた。しかし、試合はオリンピアコスが支配し、ナントは劣勢のまま前半を終える。
後半に入っても両チーム無得点ながらオリンピアコスのゲームとなったが、ナントは79分にムスタファ・モハメドが貴重なゴールを奪う。さらに90分にはブラの追加点で2-0と勝利する。カラバフは途中で1人が退場しながら、後半アディショナルタイムに追いついてドローで試合終了、この結果、ナントも2位通過を決めたのである。(続く)