第3151回 パリサンジェルマン、バイエルン・ミュンヘンに先勝を許す (1) 直前のモナコ戦でも敗れたパリサンジェルマン
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■マルセイユ以外の5チームが決勝トーナメントに進んだフランス勢
昨秋のワールドカップ開催に伴い、チャンピオンズリーグなどの欧州カップはグループリーグを例年より1月以上早い11月の初めに終えたが、決勝トーナメントは例年通り2月中旬に始まった。各チームとも3か月半ぶりの国際試合となった。
フランスからチャンピオンズリーグの決勝トーナメントを戦うのはパリサンジェルマンだけである。それ以外にフランス勢はレンヌ、モナコ、ナントがヨーロッパリーグのプレーオフ(ベスト16決定戦)を戦い、ニースがヨーロッパカンファレンスリーグに挑む。結局、昨年秋に行われたグループリーグでは、昨季リーグ2位のマルセイユがチャンピオンズリーグのグループリーグで最下位となって敗退した以外の5チームは決勝トーナメントに進出した。
■バイエルン・ミュンヘン戦のリハーサルのマルセイユ戦で敗れたパリサンジェルマン
そのマルセイユに1週間前にフランスカップで敗れたのがパリサンジェルマンである。パリサンジェルマンは2月14日にバイエルン・ミュンヘンとパルク・デ・プランスで対戦することから、1週間前に行われるマルセイユ戦はパリサンジェルマンにとっては格好のリハーサルとなるものであった。しかし、本連載第3147回と第3148回で紹介した通り、パリサンジェルマンは低調な試合で、1-2で敗れてしまう。
■バイエルン・ミュンヘン戦を控え、メンバーを入れ替えて臨んだモナコ戦
パリサンジェルマンは週末のリーグ戦でモナコと対戦した。モナコ戦は選手を入れ替えて臨み、厳しいアウエーでの試合になることはあらかじめわかっていた。モナコは今年になってからはリーグ戦では負けがない。他方、パリサンジェルマンはリーグ戦に限ってもRCランスとレンヌに敗れている。ターンオーバーに加え、キリアン・ムバッペなどを負傷で欠くパリサンジェルマンであるが、ワールドカップ前に負傷したプレスネス・キンペンベが復帰、先発ではないがベンチ入りした。
1万6500人とルイ二世競技場では異例の観客の集まる中、トルコとシリアで起こった大地震の犠牲者を追悼する黙祷が試合前に捧げられた。
■攻撃を組み立てられないパリサンジェルマン、モナコに完敗
試合開始早々の4分、パリサンジェルマンはターンオーバー制で出場してきた選手に連携の乱れが起こる。モールを奪ったモナコのユスフ・フォファナは前線のウィッサム・ベンイェデルにつなぎ、最後はアレクサンドル・ゴロビンが決める。パリサンジェルマンは8月に行ったモナコとのホームゲームでも先制点を奪われている。この時は終盤のネイマールのPKで追いついて引き分けに持ち込んでいる。そのネイマールはこの日も出場し、ウーゴ・エキティケと2トップを組むが、リオネル・メッシはメンバーから外れ、キリアン・ムバッペは2月初めに負傷して離脱しており、なかなかシュートチャンスが巡ってこない。
そして18分、パリサンジェルマンはまた守備が乱れる。セルヒオ・ラモスに代わってストッパーに入った17歳のエルシャダイル・ビチアブがボールを奪われ、ベンイェデルが角度のないところから右足でシュート、ジャンルイジ・ドンナルンマの守るゴールのサイドネットを揺らした。パリサンジェルマンは序盤に2点を失った。パリサンジェルマンはボールを持たされたような状態になり、逆にモナコは攻撃を組み立ててシュートまでつなぎ、ボール保持率はパリサンジェルマンが上回るが、シュート数はモナコが圧倒した。
パリサンジェルマンが一矢を報いたのは39分であった。16歳のウォーレン・ザイール・エメリが1点を返す。プロ入りして2つ目のゴールとなった。
しかし、モナコは前半のアディショナルタイムに17歳のエリス・ベンセギルからパスを受けたベンイェデルがヌーノ・メンデスの代わりに入ったフアン・ベルナトを簡単に抜き去ってシュート、ハーフタイムを前に3-1と差を広げた。
後半にパリサンジェルマンはセルヒオ・ラモス、アクラフ・ハキミ、キンペンベなどの主力を投入したが、ボールを支配するがシュートまでつなげられないという構図は変わらず、際立ったのはドンナルンマのセーブだけで1-3と敗れる。チーム内の不協和音も伝えられる中でチャンピオンズリーグの決勝トーナメントを迎えたのである。(続く)