第3181回 フランス勢最後の望み、ニース(1) 決勝トーナメント1回戦の相手はシェリフ・ティラスポリ

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■ヨーロッパリーグは2月の段階で姿を消したフランス勢

 チャンピオンズリーグなどの欧州カップも準々決勝を迎えた。本連載で紹介した通り、フランス勢はグループリーグを突破したものの、決勝トーナメントで次々と敗れてしまった。ヨーロッパリーグでは、フランス勢3チームはグループリーグで2位となり、プレーオフに出場した。ナントはユベントス(イタリア)に1分1敗で敗退した。モナコはバイエル・レバークーゼン(ドイツ)、レンヌはシャフタール・ドネツク(ウクライナ)といずれも1勝1敗となり、得失点差でも並び、PK戦となったが、そろって敗れている。ヨーロッパリーグに関してはフランス勢は2月の段階で姿を消してしまった。

■チャンピオンズリーグもパリサンジェルマンが敗れる

 チャンピオンズリーグではマルセイユがグループリーグで最下位となって敗退し、パリサンジェルマンが2位通過した。パリサンジェルマンはフランス勢の中で最も早く決勝トーナメントの第1戦に臨んだが、バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)にホームで敗れる。逆転勝利を狙った第2戦が行われたのは3月8日の段階ではヨーロッパリーグに出場したフランス勢3チームはすでに舞台から降りていた。期待を背負ってミュンヘンでの試合に臨んだものの、0-2と連敗し、チャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグからフランス勢はいなくなってしまった。 フランス勢がチャンピオンズリーグとヨーロッパリーグの8強に残れなかったのは2018-19シーズン以来4季ぶりのことである。

■ヨーロッパカンファレンスリーグでグループ首位となったニース

 このようにチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグでは残念な結果となり、フランスのファンが望みを託したのが、ヨーロッパカンファレンスリーグに出場したニースである。ニースはグループリーグで首位となる。首位通過はフランス勢でニースだけであった。
 今季が2季目となるヨーロッパカンファレンスリーグ、1年目はマルセイユが準決勝に進出した。もっともマルセイユはヨーロッパリーグのグループリーグから転戦しており、グループリーグに出場したレンヌは敗退している。ニースはヨーロッパカンファレンスリーグのグループリーグをフランス勢として初めて突破したチームでもある。
 昨季リーグ5位でヨーロッパカンファレンスリーグはプレーオフから参戦したニースは、グループリーグのシード順は第3シードであった。そのニースがグループリーグを首位で突破したことは評価したい。
 ヨーロッパカンファレンスリーグの決勝トーナメントのフォーマットであるが、昨年とは同様、グループリーグで2位の8チームとヨーロッパリーグのグループリーグで3位の8チームの間でプレーオフを戦い、その勝者がグループリーグを首位通過したチームと決勝トーナメント1回戦を戦う。

■決勝トーナメント1回戦で対戦するシェリフ・ティラスポリ

 ニースはプレーオフの勝者を待ち受けることとなる。ニースの決勝トーナメント1回戦の相手が決まったのは2月24日、プレーオフの第2戦が終了した翌日に組み合わせ抽選が行われた。ニースが対戦するのはシェリフ・ティラスポリ、モルドバのナンバーワンチームである。毎年のようにヨーロッパリーグの予備戦やプレーオフに出場していたが、なかなか本戦にたどり着くことができなかった。2012年にはプレーオフでマルセイユに敗れている。
 ただ、昨季はチャンピオンズリーグのグループリーグに初出場、グループ3位となってヨーロッパリーグの決勝トーナメントに進出した。今季はヨーロッパリーグのグループリーグで3位となり、ヨーロッパカンファレンスリーグの決勝トーナメントに転戦する。プレーオフの相手はニースがグループリーグで対戦したパルチザン・ベオグラード(セルビア)であった。ホームの第1戦は0-1と敗れたが、アウエーの第2戦では前半13分に先制され、万事休したかと思われたが、そこから3得点を奪い、3-1と逆転勝利した。2試合通算スコア3-2となり、決勝トーナメント1回戦に勝ち進んだのである。(続く)

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