第3260回 無敗で第1戦を乗り切ったフランス勢(2) パリサンジェルマン、ボルシア・ドルトムントを破る

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■ボルシア・ドルトムントとの初対決は2試合ともドロー

 昨季フランス王者のパリサンジェルマンはルイス・エンリケ新監督を迎えながら、シーズン前の主力選手との契約面のもつれから、プレシーズンマッチと言える日韓遠征では前年のような成績を残せなかった。シーズンに入っても最初の2戦は圧倒的に攻めながらも引き分けに終わり、キリアン・ムバッペが合流した3戦目で初勝利、第4節もムバッペの活躍で勝利したが、第5節はニースにホームで敗れ、チャンピオンズリーグの開幕を迎えた。
 初戦はホームゲームであるが、第2シードのボルシア・ドルトムント(ドイツ)が相手である。パリサンジェルマンはこれまでにボルシア・ドルトムントとチャンピオンズリーグで1回、ヨーロッパリーグで1回対戦している。最初の対戦は2010-11シーズンのヨーロッパリーグのグループリーグである。フランスカップの勝者として出場したパリサンジェルマンはブンデスリーガ5位のボルシア・ドルトムントとホーム、アウエーとも引き分け、結局グループリーグ首位となり、決勝トーナメント1回戦を勝ち抜き、ベスト8決定戦でベンフィカ(ポルトガル)に敗れる。一方のボルシア・ドルトムントはグループリーグで敗退する。

■無観客試合でボルシア・ドルトムントを破った新型コロナの感染拡大時

 チャンピオンズリーグでの対戦は新型コロナウイルスの感染拡大の始まった2020年早春のことである。グループリーグを勝ち抜いた両チームは決勝トーナメント1回戦で対戦する。第1戦は2月18日にドルトムントで行われ、ボルシア・ドルトムントが2-1と先勝する。第2戦は3月11日にパルク・デ・プランスで開催される予定であったが、新型コロナウイルスの感染拡大により、無観客で行われる。この試合はパリサンジェルマンが2-0と勝利し、2試合通算スコアで3-2としたパリサンジェルマンが準々決勝に進出したが、新型コロナウイルスの感染拡大は止まらず、この試合を最後にしばらく試合が行われることはなかった。

■前半はボールを保持しながら得点を奪えないパリサンジェルマン

 昨季ブンデスリーガ2位のボルシア・ドルトムントに対し、パリサンジェルマンのメンバーはGKがジャンルイジ・ドンナルンマ、DFは右からアクラフ・ハキミ、マルキーニョス、ミラン・シュクリニアル、ルカ・エルナンデス、MFは右にウォーレン・ザイール・エメリ、中央の低い位置にマヌエル・ウガルテ、左にビティーニャ、FWは右にウスマン・デンベレ、中央にランデル・コロムアニと新戦力が並び、左にキリアン・ムバッペが入る。ムバッペはこれで7シーズン連続でチャンピオンズリーグ出場となり、パリサンジェルマンではエディンソン・カバーニと並ぶ記録となった。
 試合は黒いユニフォームのパリサンジェルマンが黄色と黒のボルシア・ドルトムントを終始圧倒する。前半のパリサンジェルマンは8割近いボール支配率を誇るが、ボルシア・ドルトムントの守備のブロックを崩せない。ビティーニャのシュートがポストをたたいたが、枠内シュートはデンベレが39分に放った1本だけにとどまった。まさにシーズン開幕直後に連続ドローを記録したのと同じパターンである。ハーフタイムにイレブンがロッカールームに戻る際にどんよりとした空気がパルク・デ・プランスを覆った。

■キリアン・ムバッペのPKで先制、初戦を白星で飾る

 しかし、後半早々にスコアが動く。46分にムバッペが左足でシュート、これがニコラス・ジュールの手に当たる。VARの判定の結果、フランスにPKが与えられる。これをムバッペが右足で蹴る。ボルシア・ドルトムントのGKグレゴール・コベルも正しい方向に反応したが及ばず、パリサンジェルマンが先制する。さらに58分、ハキミがビティーニャとワンツーでパスを交換しながら前進、ハキミはゴール前でマット・フンメルスをかわして右足のアウトサイドで決め、2-0とする。ボルシア・ドルトムントは79分に19歳のジェイミー・バイノー・ギッテンスのシュートがポストをたたくが、得点ならず。
 パリサンジェルマンは2-0と白星で発進したのである。(続く)

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