第3261回 無敗で第1戦を乗り切ったフランス勢(3) 第1戦の戦績は3勝3分

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■久しぶりの欧州での戦いとなるRCランス

 6チームが出場した今季の欧州カップ、フランス勢はパリサンジェルマンの勝利で幸先良いスタートを切った。パリサンジェルマンの勝利の翌日の9月20日、昨季リーグ2位のRCランスが初戦を迎える。RCランスはチャンピオンズリーグに出場するのは2002-03シーズン以来21年ぶり3回目のことである。RCランスの先発メンバーの中には前回のチャンピオンズリーグに出場した際にまだ生まれていなかった選手もいる。また、欧州カップについても2007-08シーズンのUEFAカップ以来16年ぶりであり、血と黄金というニックネームの北部のチームは新たな歴史を歩むことになった。ところが、国内リーグではパリサンジェルマンよりも状況は深刻であり、ここまで1分4敗と未勝利である。

■RCランス、昨季ヨーロッパリーグ覇者のセビリアとアウエーでドロー

 そのRCランスの開幕戦はスペインのセビリアとのアウエーゲームである。昨季のヨーロッパリーグの優勝チームとしてチャンピオンズリーグに出場してきたセビリアもパリsなジェルマンからセルヒオ・ラモスを補強しながらスペインリーグでは開幕3連敗、ようやく4戦目でラス・パルマスに勝利して初戦を迎える。
 初顔合わせとなる両チームであるが、先手を取ったのはホームのセルビア、9分にイバン・ラキティッチの左CKからかつてモナコやマルセイユに在籍したルーカス・オカンポスが先制点を奪う。セビリアが優勢に試合を進めたが、RCランスは24分に初めてのチャンスとなるペナルティエリアのすぐ外でのFKを得る。これをアンジェロ・フルジニが直接狙う。セビリアのGKマルコ・ドミトリビッチはわずかに及ばず、RCランスが同点に追いついた。RCランスでチャンピオンズリーグでFKを直接ゴールに決めたのは1998年のウラジミール・シュミツェル以来のことである。このゴールでRCランスは盛り返すが、両チームともその後得点をあげることはなく、1-1のドローとなる。チャンピオンズリーグのグループリーグに出場している32チームの中で最も経験の少ないRCランスはアウエーのセビリア相手に勝ち点1を獲得したのである。

■ジョナサン・デービッドの活躍で勝利したリール

 そして原則として木曜日に開催されるヨーロッパカンファレンスリーグの中でラグビーワールドカップの影響もあり、水曜日に本拠地に登場したのがリールである。本拠地のピエール・モーロワ競技場では9月23日にイングランド-チリ戦が行われる。
 リールの相手はスロベニアのオリンピア・リュブリャナである。リールはこの時点で国内リーグは6位、オリンピア・リュブリャナはスロベニアリーグで2位である。リールのトップはカナダ代表のジョナサン・デービッド、試合開始直後から積極的にゴールを狙う。リールが優勢に試合を進め、43分にデービッドが先制点を奪う。リールは後半アディショナルタイムにも得点を重ね、2-0と勝利した。

■マルセイユ、トゥールーズはアウエーでドロー、レンヌはホームで完勝

 木曜日の21日にはヨーロッパリーグに3チームが出場した。最も注目を集めたのはアヤックス(オランダ)、ブライトン(イングランド)、AEKアテネ(ギリシャ)という強豪チームと同じグループBに入ったマルセイユである。初戦はアウエーでアヤックスと対戦、5万4000人の観客の集まったヨハン・クライフ競技場でアヤックスは20分までに2点を先制する。マルセイユは23分にジョナタン・クロース、38分にピエール・エメリク・オーバメヤンが得点を決め、2-2で折り返す。アヤックスは52分に勝ち越すが、マルセイユは78分にオーバメヤンが同点ゴールを決めて3-3のドローを勝ち取った。
 2009-10シーズン以来14年ぶりに欧州の舞台に立ったフランスカップ優勝チームのトゥールーズはアウエーでベルギーのサン・ジロワーズとアウエーで対戦する。トゥールーズは前半のアディショナルタイムにPKで先制する。互角の展開であったが、サン・ジロワーズは後半に入って69分に追いつく。試合はそのまま1-1のドロー、トゥールーズもアウエーで勝ち点1を獲得した。
 ホームで第1戦を迎えたレンヌはイスラエルのマッカビ・ハイファと対戦する。レンヌは開始1分にルドビック・ブラが先制点、これで試合を圧倒する。その後もアドリアン・トルフェール、ベルトゥ・ユルデュルムが追加点をあげて3-0と完勝した。
 フランス勢は初戦を3勝3分と無敗で乗り切ったのである。(この項、終わり)

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