第3274回 フランス勢の欧州カップ中盤戦(2) RCランスはアーセナルに勝利、マルセイユはブライトンと引き分け
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■RCランス史上最高の成績となったUEFAカップ準決勝進出
前回の本連載ではチャンピオンズリーグの第2節でパリサンジェルマンが21年ぶりに出場してきたニューカッスル(イングランド)に1-4で敗れたことを紹介したが、第2節ではフランス勢とイングランド勢との対戦が他に2カードあった。
チャンピオンズリーグではRCランスがホームにアーセナル(イングランド)を迎える。アーセナルは第1節でPSVアイントホーフェン(オランダ)に4-0と大勝している。両チームは1999-2000シーズンのUEFAカップの準決勝で対戦している。ロンドンの第1戦でアーセナルが1-0と勝利して迎えたフェリックス・ボラールでの第2戦、アーセナルはティエリー・アンリが先制、RCランスもいったんは追いついたが、アーセナルはヌワンコ・カヌーのゴールで2-1と連勝、RCランスは準決勝で敗退したが、これが血と黄金というニックネームのRCランスの欧州でのベストの成績である。
■試合前の予想通り、アーセナルが先制
昨季リーグ2位のRCランスはリーグ戦ではもたつき、5試合未勝利のままチャンピオンズリーグが始まった。フランスリーグでは第6節のトゥールーズ戦でようやく初勝利、第7節のストラスブール戦でも連勝してアーセナルを迎え撃つ。
一方のアーセナル、プレミアリーグ、チャンピオンズリーグ、リーグカップで9試合戦い、7勝2分と負けがなく、RCランスとは対照的な成績である。さらにアーセナルはフランス勢とのアウエーの試合でめっぽう強く、欧州カップでこれまでに14戦して、2019年にレンヌに敗れた以外は8勝5分と負けていない。
RCランスの旗色は悪いかと思われたが、フェリックス・ボラール競技場には満員のファンが押し掛けた。1984年欧州選手権、1998年ワールドカップ、1999年ラグビーワールドカップ、2007年ラグビーワールドカップ、2016年欧州選手権の会場になりながら、今回のラグビーワールドカップでは使用されず、ファンは国際試合を待ちわびていた。
試合は立ち上がりからRCランスの攻撃が目立つ。しかし、試合はアーセナルのリズムになり、14分にアーセナルはガブリエル・ジェズスがペナルティエリアに入ったところから右足でシュート、これが決まってアーセナルが先行する。
■少ないチャンスで逆転勝ちしたRCランス
守勢のRCランスであったが、25分にアドリアン・トマソンが似たような位置からシュートを決めて同点に追いついた。実はアーセナルにとってこれが今季のアウエーゲームでの初の失点である。アーセナルは前半のうちにブカヨ・サカが負傷で交代するというアクシデントにも見舞われた。前半は、試合を支配したのはアーセナルであったが、シュートの本数が多かったのは守勢のRCランスであった。
後半もアーセナルのゲームであったが、RCランスを救ったのはフランス代表のGKでもあるブリス・サンバである。そして69分に決勝点を奪ったのはRCランスのエリー・ワヒ、まだ20歳の選手である。リードされたアーセナルは次々に選手を交代させてゴールを狙うが、ゴールは遠く、RCランスはリードを守り、2-1で勝利した。
■2点差を守れなかったマルセイユ
そしてヨーロッパリーグでは10月5日にマルセイユがブライトン(イングランド)と対戦した。第1節でアヤックス(オランダ)とアウエーで引き分けたマルセイユに対し、欧州カップ初参戦となるブライトンはホームでAEKアテネ(ギリシャ)に敗れている。
マルセイユは立ち上がりから優位に試合を進める。19分にマルセイユはCKからの攻撃でペナルティエリア内にボールをつなぐ。ペナルティスポット付近のシャンセル・ムバンバがフリーでボールを受け、そのままシュート、マルセイユが先制する。さらにマルセイユは20分にもジョルダン・ベレトゥがブライトンGKの足の間を通すシュートで追加点をあげる。
しかし、2点はセーフティーリードではなかった。後半に入ってブライトンは54分にパスカル・グロスが1点を返し、86分にはジョナタン・クロースがペナルティエリアでタリク・ランプティを倒してしまい、PKとなる。このPKをジョアン・ペドロが決める。マルセイユは第2戦も引き分けとなった。
第2節のドーバー海峡をはさむ戦いは1勝1分1敗と互角だったのである。(続く)