第3276回 フランス勢の欧州カップ中盤戦(4) PSVアイントホーフェンに負け越したRCランス
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■UEFAインデックスで争うフランス勢とオランダ勢の直接対決
欧州カップは10月の下旬に行われる第3節と11月の上旬に行われる第4節は同じ相手とホームアンドアウエーで戦う。第2節までの戦いぶりが順調なフランス勢であるが、中盤のこの2試合で連勝すれば一気に上位を確定することができ、勢いに乗って終盤戦を迎えたいところである。
まずチャンピオンズリーグについては、グループBのRCランスがPSVアイントホーフェン(オランダ)、グループFのパリサンジェルマンがACミラン(イタリア)と対戦する。
第2節でアーセナル(イングランド)に勝利し、首位に躍り出たRCランスは第3節をホームで迎える。
しかし、このチャンピオンズリーグの中盤戦は特別な意味を持つ。それはUEFAインデックスで5位のフランスの下にいるオランダのチームとの直接対決であり、RCランスは自分のチームだけではなく、フランス全体のためにも勝利したい。
■国内外の成績が対照的な両チーム、ランスでの第1戦はドロー
RCランスは1勝1分と首位に躍り出たが、国内リーグ戦では大きく出遅れて15位である。相手のPSVアイントホーフェンはまだ勝ち点1であり最下位である。前身のチャンピオンズカップ時代には優勝経験のあるPSVアイントホーフェンであるが、今季だけではなく、近年はチャンピオンズリーグでも成果をあげておらず、2015年を最後に15試合連続勝ちがない。
前半はPSVアイントホーフェンが優勢に試合を進めたが、枠内にシュートを放つことができず、両チームとも得点はなく、折り返した。
後半に入って54分、PSVアイントホーフェンはマリク・ティルマンがヨハン・バカヨコにパス、バカヨコは角度のない位置でボールを受けたが、落ち着いてまわりこんでシュート、RCランスはGKブリス・サンバのセーブも及ばず、ホームで先制点を許す。先行されたRCランスは65分にエリー・ワヒが同点ゴールを決める。第2節のアーセナル戦の決勝点に続くゴールである。試合はその後、PSVアイントホーフェンがRCランスのゴールをしばしば襲うが、RCランスは堅守で持ちこたえ、かろうじてドローに持ち込んだ。
■ルーク・デヨング、ルート・ファン・ニステルローイと並ぶ通算8得点
RCランスとPSVアイントホーフェンは2週間後の11月8日に舞台をアイントホーフェンのフィリップス競技場に変えて再戦する。RCランスはこの間にリーグ戦で順位を10位まで上昇させるが、PSVアイントホーフェンはリーグ戦では依然負けなしで、首位を独走する。試合は立ち上がりにワヒがシュートを放つが、得点にはならず。一方、地元の大声援を受けたPSVアイントホーフェンは12分にバカヨコが左サイドからクロスを上げる。このクロスをペナルティスポット付近でルーク・デヨングがヘディング、GKのサンバは手に当てたものの、ボールはクロスバーに当たってゴールインする。これがデヨングにとってはチャンピオンズリーグでは通算8得点目、昨季監督を務めていたルート・ファン・ニステルローイと並ぶクラブ史上通算最多得点となった。
■RCランスは追いつくことができず、PSVアイントホーフェンに1分1敗
1点を追うRCランスはその後積極的に攻める。後半に途中出場してきたアンジェロ・フルジニは惜しいシュートを放つが、同点ゴールとはならなかった。また同じく後半から出場した、モルガン・ギラボギは88分に右足でシュートを放つがポストに阻まれ、さらに後半アディショナルタイムに入ってから2枚目のイエローカードを受け、退場となってしまう。10人になったRCランスに同点に追いつく力はなく、そのまま試合終了となる。
RCランスは今季のチャンピオンズリーグで初めての敗戦となる。対照的にPSVアイントホーフェンは初勝利となる。グループBは第4節を終えた時点で首位はアーセナル(勝ち点9)、勝ち点5でPSVアイントホーフェンとRCランスが並ぶが、直接対決の結果でPSVアイントホーフェンが2位、RCランスが3位となり、勝ち点2のセビリア(スペイン)が4位となったのである。(続く)