第3280回 フランス勢の欧州カップ中盤戦(8) リバプール戦を1勝1敗で乗り切ったトゥールーズ
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■チャンピオンズリーグの常連リバプール、ヨーロッパリーグに参戦
ヨーロッパリーグにフランスから参戦しているのは前回の本連載で紹介したマルセイユ以外にトゥールーズとレンヌである。
グループEのトゥールーズは1勝1分という成績で中盤戦でリバプール(イングランド)と対戦する。リバプールは昨季のプレミアリーグでは5位にとどまり、これまで6年間連続して出場し優勝したこともあるチャンピオンズリーグの出場権を得ることができなかった。したがってヨーロッパリーグ出場チームの中ではUEFAインデックスで他のチームを引き離しでトップである。優勝候補らしく連勝でスタートした。
■アンフィールドでの試合はリバプールのゴールラッシュ
10月26日の第3節はリバプールの本拠地アンフィールドで行われた。両チームは2007-08シーズンのチャンピオンズリーグの予備戦3回戦で対戦しているが、この時はトゥールーズでの第1戦は1-0、リバプールでの第2戦も4-0とリバプールが勝利している。
トゥールーズからリバプールに2500人のファンが移動したが、赤い壁は高かった。トゥールーズは立ち上がりから高い位置で試合を展開しようとしたが、9分にリバプールはディオゴ・ジョッタが右足で先制点を決める。これに対してトゥールーズは16分にタイス・ダリンガが右足で同点に追いつくゴールを決める。圧倒的な得点力でフランスカップを制したトゥールーズの遠来のファンは沸き立つが、ここまでであった。リバプールがボールを支配し、次々とシュートを放つ。トゥールーズのGKギヨーム・レストが好セーブを見せるが、30分にはトレント・アレクサンダー・アーノルドからのパスを遠藤航が右足で振りぬいて勝ち越しゴールとなる。リバプールは34分にはダーウィン・ヌメスが追加点をあげ、リードを広げる。
後半に入ってもリバプールはライアン・グラフェンブルフ、モハマド・サラーがゴールを決め、5-1と大勝し、アンフィールドでのフランス勢の戦績は1勝2分12敗となったのである。
■ミスの目立ったリバプールに対し、ホームで勝利したトゥールーズ
ところが、11月9日のトゥールーズでの試合は様相が一変した。リバプールでの試合同様、ボールを保持したのはリバプールである。ところが、4分のジョー・ゴメスのシュートがポストをたたくなど、、シュートを放つが決まらない。またリバプールは簡単なミスが起こり、そこをトゥールーズに付け込まれた。先制点はトゥールーズであった。アーロン・ドヌムがコスタス・ツィミカスからボールを奪い、ゴールを決める。
リバプールのユルゲン・クロップ監督は前半の動きの悪かった3選手を後半開始時に交代させる。しかし、58分にはトゥールーズのダリンガが追加点を入れる。74分にトゥールーズのクリスチャン・カセレスのオウンゴールでリバプールは1点差に迫る。リバプールの時間帯が来ると思われたが、76分にトゥールーズのフランク・マグリのゴールで再び2点差とする。地力に勝るリバプールは89分にジョッタがスピードのあるプレーで1点差に迫り、後半アディショナルタイムは7分と表示、97分にリバプールは20歳のジャレル・クアンサが同点ゴールを決めたかに見えたが、トゥールーズは抗議、ラスムス・ニコライセンにはイエローカードが提示された。しかし、VARの結果、リバプールのアレクシス・マカリスターにハンドがあったと認められ、ゴールは取り消された。
守勢のトゥールーズではあったが、リバプールの選手に強度と集中力を欠くプレーが散見され、競り合いに勝ったトゥールーズが得点を重ねることになり、3-2とトゥールーズが勝利した。
■最大の難敵と1勝1敗、終盤戦は下位と対戦するトゥールーズ
トゥールーズは最大の難敵リバプールに1勝1敗と五分の成績を残す。グループFの中盤戦にこのほかにLASK(オーストリア)とサン・ジロワーズ(ベルギー)が対戦したが、こちらもそれぞれホームで勝利して1勝1敗、第4節を終えた時点の成績は首位リバプール(勝ち点9)、2位トゥールーズ(7)、3位サン・ジロワーズ(4)、4位LASK(3)となり、終盤戦は上位勢と下位勢が対戦するのである。(続く)