第3282回 フランス勢の欧州カップ中盤戦(10) 6チーム中3チームが首位で終盤戦を迎える

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■スロバン・ブラチスラバと首位攻防戦を迎えるリール

 ヨーロッパカンファレンスリーグに出場しているリールは、近年はリーグ戦で好成績を残し、チャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグに出場してきたことから、ヨーロッパカンファレンスリーグの出場チームの中ではUEFAインデックスはトップクラスであり、第1シードとなる。第2シードのスロバン・ブラチスラバ(スロバキア)と中盤戦で対戦する。
 中盤戦を迎える時点でグループAの首位は連勝スタートのスロバン・ブラチスラバ、リールは勝ち点で2の差をつけられている。

■ようやく後半に得点をあげて逆転勝利したリール、首位奪回

 首位攻防戦はまず10月26日にリールのピエール・モーロワ競技場で行われた。ホームチームのリールは立ち上がりからスロバン・ブラチスラバのゴール前に迫る。しかし、先制点を奪ったのはスロバン・ブラチスラバであった。23分に左サイドを崩し、オフサイドぎりぎりの位置でボールを受けたアレクサンダー・カブリッチが至近距離からシュート、これが決まる。副審はオフサイドフラッグをあげたが、VARの判定により、得点が認められた。1点を奪われたリールはボール支配率は7割を超え、攻め続けるが前半は得点をあげることなく折り返す。
 後半もリールはジョナサン・デイビッドなどがシュートを放つもののなかなか同点に追いつけず、ようやく68分にユスフ・ヤジチの左足シュートで追いつく。79分にはペナルティエリア内でリールのレミ・カベラが倒されるが、VARの結果、ノーファウル、リールは勝ち越しのチャンスを逃したかに見えたが、82分にカベラが勝ち越しゴールを決めた。スロバン・ブラチスラバは84分に退場者を出し、リールが2-1と先勝し、直接対決を制したリールは首位の座をスロバン・ブラチスラバから奪った。

■ブラチスラバでの試合では追い付かれたが首位をキープしたリール

 11月9日には舞台をブラチスラバに移して第4節の試合が行われた。リールはデイビッドをベンチにおいてスタートした。アウエーの試合でもリールがボールを支配するが前半は両チーム無得点で折り返す。後半に入って、先制点を奪ったのはリールであった。53分、アンヘル・ゴメスとヤジシがパス交換しゴメスがロブのシュートはスロバン・ブラチスラバのGKの頭上を越えてゴールインする。連勝に向けて貴重なゴールを奪ったリールであったが、守り切れなかった。81分にカブリッチのゴールでスロバン・ブラチスラバに追いつかれた。第4節は1-1のドローとなったが、リールは勝ち点8で首位をキープしたのである。

■ヨーロッパリーグ、ヨーロッパカンファレンスリーグで好成績を残したフランス勢

 欧州カップの中盤戦について紹介してきたが、順位を紹介するとチャンピオンズリーグではパリサンジェルマンが2位、RCランスが3位である。
 チャンピオンズリーグ以外のフランス勢は好調である。ヨーロッパリーグのマルセイユとレンヌ、ヨーロッパカンファレンスリーグのリールが首位であり、ヨーロッパリーグのトゥールーズも2位である。
 さて、気になるのはUEFAインデックスである。5位のフランスは6位のオランダに追われる立場にある。チャンピオンズリーグでRCランスがオランダのPSVアイントホーフェンと対戦し1分1敗という結果に終わり、オランダ勢との直接対決はないもののパリサンジェルマンもここまで2勝2敗、カタール資本になってから初めてチャンピオンズリーグのグループリーグで2敗した。
 ただ、ヨーロッパリーグ、ヨーロッパカンファレンスリーグでフランス勢は好成績を残している。唯一のオランダ勢との直接対決となるヨーロッパリーグのグループBでのマルセイユのアヤックス戦は、アムステルダムでの試合でマルセイユが引き分けている。アヤックスだけではなく、ヨーロッパカンファレンスリーグに出場しているAZも最下位に低迷している。
 この結果、僅差ではあるが、フランスはUEFAインデックスでオランダを抑えて5位の座をキープし、グループリーグの終盤戦を迎えるのである。(この項、終わり)

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