第3294回 チャンピオンズリーグ最終節(1) RCランス、3位を確保しヨーロッパリーグのプレーオフへ

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■最終節を3位で迎えるRCランス

 チャンピオンズリーグのグループリーグの最終戦は12月12日と13日に行われた。フランスからはパリサンジェルマンとRCランスが出場しているが、本連載第3291回で紹介した通り、第5節では足踏み状態となり、パリサンジェルマンは2位、RCランスは3位で最終節を迎える。
 今回と次回は両チームの最終節の模様を紹介しよう。まず12日に最終節を迎えたのがグループBのRCランスである。最終節を迎える時点での順位と最終節のカードを紹介しよう。首位は4勝1敗(勝ち点12)のアーセナル(イングランド)、2位は2勝2分1敗(8)のPSVアイントホーフェン(オランダ)、3位は1勝2分2敗(5)のRCランス、4位は2分3敗(2)のセビリア(スペイン)である。

■RCランスに勝利すれば順位が入れ替わるセビリア

 最終節は上位2チーム同士のPSVアイントホーフェン-アーセナル戦、下位2チーム同士のRCランス-セビリア戦となる。上位2チームはすでに決勝トーナメント進出と順位も確定しているが、下位2チームの最終戦での直接対決は順位が入れ替わる可能性がある。セビリアが勝利すれば勝ち点5で並ぶが、その際はまず直接対決の成績で決まるため、第1節のホームでの試合で引き分けているセビリアが2位になる。
 引き分け以上で3位になり、ヨーロッパリーグの決勝トーナメントのプレーオフに進出することのできるRCランスは国内リーグ戦は1引き分けを挟んで4連敗という最悪のスタートとなったが、その後は負け知らずで順位を7位まで上昇させた。しかし、チャンピオンズリーグでは第4節、第5節と連敗している。
 一方のセビリアは昨年のヨーロッパリーグチャンピオンの面影はなく、国内リーグではいまだ2勝しかしておらず、16位に低迷している。しかし、このランスでの試合で勝利を収めれば、昨年制したタイトルに再出場することができる。

■ブリス・サンバが好セーブ、プレミスワフ・フランコフスキのPKで先制

 セビリアは負傷者や出場停止が多く、マルコス・アクーニャ、ルーカス・オカンポス、ヘスース・ナバスなどがメンバーから外れる。しかし、これまでフランス勢を得意としているセビリアは立ち上がりから攻め込み、RCランスのゴール前に迫る。
 29分、セビリアはイバン・ラキティッチが強烈なミドルシュート、これをRCランスのフランス代表GKブリス・サンバが左手1本で防ぐ。圧倒的に試合を支配されたRCランスは、一度もセビリアのペナルティエリア内に入ることはできなかったが、スコアレスでハーフタイムを迎える。
 後半になっても攻め続けたのは勝利の欲しいセビリアであった。57分にもセビリアは右サイドのクロスからアドリア・ペドロサがアウトサイドでシュート、これもサンバがセーブし、バーに当たってゴールの枠の外に逃れた。そしてその直後、RCランスはカウンターからエリー・ワヒが抜けだす。中央にクロスを入れたところで、RCランスのファクンド・メディーナが倒される。VARも入ったがPKとなり、RCランスはPKのスペシャリスト、プレミスワフ・フランコフスキが決めて先制する。

■同点に追いつかれたが、後半アディショナルタイムに勝ち越しを決めたRCランス

 まさかのリードを奪われたセビリアは75分にようやくPKを獲得する。これがチャンピオンズリーグ出場142試合目というセルヒオ・ラモスが蹴るが、これを見事にサンバがセーブする。その後もRCランスのゴール前で攻防が続いたが、PKの際にサンバの足がゴールライン上になかったということでPKはやり直しとなる。今度はパネンカでセルヒオ・ラモスが決め、チャンピオンズリーグではDFでは最多ゴールとなる17得点目となった。
 逆転を狙うセビリアはゴール直後にセルビオ・ラモスがゴール内のボールを取る際のプレーが警告を受けるほど急ぎ、アディショナルタイムに入っても攻め続ける。96分、ハーフウエイ付近でセビリアが保持していたボールをRCランスはフロリアン・ソトカが奪い、そのまま縦に走り、クロスを入れる。これをアンジェロ・フルジニがグラウンダーで決めて、フェリックス・ボラール競技場は熱狂の嵐のうちに試合終了となる。
 RCランスは3位となりヨーロッパリーグ決勝トーナメントのプレーオフに進出したのである。(続く)

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