第3295回 チャンピオンズリーグ最終節(2) パリサンジェルマン、2位で決勝トーナメントへ
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■最激戦区グループFは2位から4位チームまで決勝トーナメントの可能性あり
前回の本連載はチャンピオンズリーグ最終節のうち12月12日に行われたRCランス-セビリア(スペイン)戦で、劣勢のRCランスが勝利して3位を確保し、ヨーロッパリーグのプレーオフへ進出したことを紹介した。
今回はその翌日に行われたグループFのパリサンジェルマンの戦いを紹介しよう。パリサンジェルマンの所属するグループFはボルシア・ドルトムント(ドイツ)、ニューカッスル(イングランド)、ACミラン(イタリア)が入り、開幕前から最激戦区と目されてきた。
最終節を迎える段階の順位は、首位は3勝1分1敗(勝ち点10)のボルシア・ドルトムント、2位は2勝1分2敗(7)のパリサンジェルマン、3位は1勝2分2敗(5)のニューカッスル、4位は1勝2分2敗(5)のACミランとなっており、すでに2位以内を決めているボルシア・ドルトムント以外の2位以下のすべてのチームにも決勝トーナメント進出の可能性がある。そして最終節はボルシア・ドルトムント-パリサンジェルマン戦とニューカッスル-ACミランという上位勢同士、下位勢同士の直接対決となる。
■引き分け以下の場合、もう1試合の結果次第となるパリサンジェルマン
パリサンジェルマンについては最終節でボルシア・ドルトムントに勝利すれば勝ち点で並び、直接対決の結果により、首位突破となる。また引き分けの場合は2位以下になるが、ニューカッスルがACミランに勝利した場合、勝ち点で並ばれ、直接対決で負け越しているため3位になる。そして敗れた場合はニューカッスル-ACミラン戦が引き分けた場合は2位を確保できるが、勝敗がついた場合は勝利チームに2位を譲り、3位となる。
ドルトムントのシグナル・イドゥナ・パルクには8万人以上の観衆が集まり、パリサンジェルマンにとっては今季最も観客の多い試合となる。ただし、その観客のほとんどは勝利で有終の美を飾りたいボルシア・ドルトムントの熱いファンである。また、パリサンジェルマンはここまでチャンピオンズリーグのアウエーゲームで3連敗中である。さらにパリサンジェルマンがチャンピオンズリーグのグループリーグで2敗したのはカタール資本になってから初めてである。パリサンジェルマンはその中で勝利を目指す。
■キリアン・ムバッペのシュートを防いだニクラス・ズーレ、カリム・アデイエミが先制
試合は第1節のパリでの試合同様、パスワークに優れるパリサンジェルマンが優勢に試合を進め、16分には李康仁がチャンスを作る。さらに決定的だったのは17分、GKも交わしたキリアン・ムバッペのシュートは無人のゴールに吸い込まれるかと思ったが、ゴール前に身を投げ出してきたニクラス・ズーレが右足でボールを蹴りだし、パリサンジェルマンの先制点を許さない。引き分け以上でも首位を確保できるボルシア・ドルトムントも得点をあげることはなく、両チームともスコアレスでハーフタイムを迎える。
もう1つの試合ではニューカッスルがリード、このままでは3位に落ちてしまう。
後半に入って51分、ゴール前に攻め込んだボルシア・ドルトムントはゴール前でニクラス・フルクルクが中央のカリム・アデイエミに冷静にパス、先制点を奪われた。ニューカッスルの試合展開を考えると、パリサンジェルマンは窮地に陥った。
■ウォーレン・ザイール・エメリ、フランス人としてチャンピオンズリーグで最年少得点
しかし、パリサンジェルマンは慌てることはなかった。55分に左サイドを駆け上がったムバッペが中央にクロス、これを受けたブラッドリー・バルコラはマッツ・フンメルスにマークされていたため、ボールを後方に戻す。ここに走りこんできたウォーレン・ザイール・エメリが勢いのあるシュート、ボルシア・ドルトムントの守備陣は動けず、同点に追いついた。フランス人として最年少のゴールが生まれた5分後にACミランが追いつき、パリサンジェルマンは2位に浮上する。勢いづいたパリサンジェルマンは76分にムバッペがゴールを決め、首位奪還かと思われたが、オフサイドの判定で取り消される。
90分を迎えようとするところで、ACミラン逆転のニュースが入る。これで引き分ければ2位確定と判断したパリサンジェルマン、引き分けても首位通過というボルシア・ドルトムントの利害が一致、1-1で試合は終了となり、首位ボルシア・ドルトムント、2位パリサンジェルマンが決勝トーナメント進出、8万観客は満足して家路についたのである。(この項、終わり)