第3334回 プレーオフで苦戦したフランス勢 (2) マルセイユ、ホームで勝利してプレーオフ突破
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■グループリーグ最終戦で敗れたマルセイユとシャフタール・ドネツク
前回の本連載ではヨーロッパリーグの決勝トーナメントのプレーオフにチャンピオンズリーグから転戦してきたRCランスがヨーロッパリーグのグループリーグ2位のフライブルク(ドイツ)に延長戦で第2戦に敗れて敗退したことを紹介したが、今回からは、グループリーグ2位でプレーオフに進んだマルセイユ、トゥールーズ、レンヌのうち、マルセイユについて紹介しよう。
マルセイユはグループリーグの最終戦で首位から転落し2位に落ち、プレーオフに回った。
マルセイユはシャフタール・ドネツク(ウクライナ)との対戦、シャフタール・ドネツクは昨年12月に訪日し、アビスパ福岡と対戦していることから日本の皆様はよくご存じのチームであろう。ロシアのウクライナ侵攻を受けて第1戦のホームゲームはドイツのハンブルクで行われた。マルセイユは今年に入ってからのリーグ後半戦、ここまで4分1敗と勝ちがない。ただし、アフリカネーションズカップに送り込んだ7人のメンバーも戻ってきた。一方のシャフタール・ドネツクはチャンピオンズリーグのグループリーグの最終戦の後はトルコで親善試合を重ね、それ以来2か月ぶりの公式戦となる。シャフタール・ドネツクもグループリーグ最終戦でポルト(ポルトガル)に敗れ、グループリーグ3位にとどまり、ヨーロッパリーグに転戦することになった。
■2か月ぶりの公式戦となるシャフタール・ドネツク
グループリーグの最終戦が悔しい結果となった両チームにとって、このプレーオフにかける想いは強いであろう。ハンブルクの市民公園競技場には2万8000人の観客が集まり、マルセイユからも1800人が駆けつけた。2か月ぶりの公式戦となるシャフタール・ドネツクが試合開始直後からグラウンドを駆け回る。スタンドはやや過熱気味で、発煙筒が投げ込まれしばしば試合が中断する。試合を支配していたシャフタール・ドネツクは27分にエギナウドがマルセイユのレオナルド・バレルディのファイルを受けながらもゴールを決めるが、このゴールは取り消され、バレルディに警告、バレルディは1週間後のマルセイユでの試合は出場できなくなった。ピッチの内外で荒れ気味の前半であったが、枠内シュートはシャフタール・ドネツクの1本のみ、スコアレスでハーフタイムを迎えた。
■マルセイユが先制しながら2回追いつかれてドローとなった第1戦
後半に入って52分、マルセイユはジョナタン・クロースがようやくチーム初めての枠内シュートを放つ。次第に盛り返してきたマルセイユは64分に右サイドからの速攻でピエール・エメリク・オーバメヤンが先制ゴールを決める。今季のヨーロッパリーグで出場6試合目で6点とハイペースである。しかし、68分にシャフタール・ドネツクもミコラ・マティエンコのゴールで同点に追いつく。90分が近づいてきたところでマルセイユはオーバメヤンが左サイドから崩し、セネガル代表としてコートジボワールから帰ってきたイリマン・エンディアイエが勝ち越しゴールを決める。シャフタール・ドネツクも後半アディショナルタイムの93分にエギナウドが同点ゴール、第1戦は2-2のドローとなった。
■アフリカ勢の活躍で逆転勝利を収めたマルセイユ
2月22日、ベロドロームに6万3000人の観衆を集めて第2戦がキックオフされた。この試合もキックオフ直後にシャフタール・ドネツクがマルセイユのゴール前に迫る。11分にエギナウドがペナルティエリア内で倒され、シャフタール・ドネツクがPKを獲得し、成功させて先制する。
マルセイユが追いついたのは23分、オーバメヤンが右足のシュートを決める。すでにガボン代表を退いているオーバメヤンはマルセイユのためにパワー全開、この時点で得点王に並ぶ。前半終了間際にペナルティエリア内でマルセイユの選手が倒されるきわどいプレーがあったが、VARの判定の結果、PKにはならず、タイスコアで後半に入る。
後半に入って74分、マルセイユはセネガル代表のイスマイラ・サールが勝ち越しゴールを決める。81分にはジョフレイ・コンドグビアの追加点が決まる。
マルセイユはアフリカ勢の活躍で3-1と勝利、ベスト16入りしたのである。(続く)