第3336回 パリサンジェルマン、決勝トーナメント1回戦を突破(1) グループリーグで首位となったレアル・ソシエダ
平成23年東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨、令和6年能登半島地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■12年連続でチャンピオンズリーグの決勝トーナメントに進出したパリサンジェルマン
前回までの本連載ではヨーロッパリーグのプレーオフを戦ったフランス勢4チームについて紹介し、マルセイユのみがベスト8決定戦に相当する1回戦に進出したことを紹介した。
チャンピオンズリーグの決勝トーナメントにフランス勢から唯一残ったパリサンジェルマンはこのプレーオフ第1戦が行われる前に第1戦を戦い、プレーオフ第2戦の翌週に第2戦を行った。グループリーグではかろうじて2位の座を確保し、チャンピオンズリーグで12年連続で決勝トーナメント進出を果たした。
■2年連続で決勝トーナメント1回戦で敗退したパリサンジェルマン
しかし、決勝トーナメントでの成績は決して満足のいくものではなく、2020年に準優勝、2021年はベスト4に入ったが、それ以外はベスト8以下に終わっている。一昨年、昨年も決勝トーナメント1回戦で敗れており、カタール資本下の過去11回の決勝トーナメントのうち、最初の4回は1回戦を突破し、準々決勝で敗退、そして直近7年間は1回の準優勝と1回のベスト4以外は1回戦敗退である。
決勝トーナメント常連のパリサンジェルマンであるが、3年連続でグループリーグでは2位通過となった。したがって決勝トーナメント1回戦はグループリーグの首位突破チームと対戦、しかも延長戦やPK戦の可能性もある第2戦をアウエーで戦うことになる。昨シーズンはグループリーグを6戦全勝で突破したバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)に連敗、2年前はレアル・マドリッド(スペイン)にホームの第1戦で1-0と勝利したものの、アウエーの第2戦で1-3と敗れている。
すなわち、グループリーグで2位にとどまったことが決勝トーナメントの最初のラウンドでの敗退の原因となっている。
■決勝トーナメント1回戦の相手はレアル・ソシエダ
今年の相手は過去2年とはやや異なる。パリサンジェルマンが対戦することになったのはスペインのレアル・ソシエダである。バスク地方のサン・セバスティアンにある有力チームであるが、これまでスペインリーグ制覇は2回、1980年代のことである。チャンピオンズカップには2回出場経験があるが、チャンピオンズリーグになってからも2回の出場経験しかない。しかし、近年はスペインリーグで上位に進出し、昨年までは3季連続でヨーロッパカップに出場、そして昨季はリーグで4位となって10年ぶりのチャンピオンリーグ出場となった。
■第4シードから唯一グループ首位通過したレアル・ソシエダ
チャンピオンズリーグの本戦に出場する32チームは欧州カップに出場しているチームがひしめく。したがって、これまでの実績の足りないレアル・ソシエダは最下位の第4シードとなった。今季のチャンピオンズリーグにスペインからは昨季のヨーロッパリーグの優勝チームであるセビリアを含め5チームが出場しているが、レアル・ソシエダ以外の5チームは第2シードまでに入っている。欧州5大リーグから第4シードにとどまったのはレアル・ソシエダ以外にはイングランドのニューカッスル、ドイツのウニオン・ベルリン、フランスのRCランスと欧州での経験の少ないチームが名を連ねた。ニューカッスル、ウニオン・ベルリンはグループリーグで最下位となって敗退、RCランスは3位となってヨーロッパリーグのプレーオフに回ったように強豪リーグでもまれているチームでもチャンピオンズリーグの壁は高かったが、レアル・ソシエダだけは異なった。
第1シードはポルトガルチャンピオンのベンフィカ、第2シードはイタリアのインテル・ミラノ、第3シードはオーストリアのレッドブル・ザルツブルクというグループDにおいて序盤戦を1勝1分で乗り切り、中盤戦でベンフィカと対戦する。第1シードのベンフィカはまさかの連敗スタート、調子を落としているベンフィカに対し、レアル・ソシエダは連勝、3勝1分でインテル・ミラノと並んで終盤戦を迎える。第5節は両チームともドローで最終節はミラノでの直接対決となる。スコアレスドローとなるが、サン・セバスティアンでの試合も引き分けのため、総得失点差の争いとなり、2ポイント上回るレアル・ソシエダが首位突破となったのである。(続く)