第3342回 マルセイユ、リールも準々決勝へ(3) 第1戦で大勝したマルセイユとリールが勝ち抜く

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■「黄色い潜水艦」というニックネームのビジャレアル

 ヨーロッパリーグの決勝トーナメントのプレーオフの第1戦は3月7日に行われ、マルセイユは本拠地ベロドロームで4-0と大勝した。
 大量リードを受けてマルセイユは14日にビジャレアルの本拠地セラミカ競技場に乗り込んだ。両チームは第1戦、第2戦とも同じ色のユニフォームを着用したが、スタジアムは第1戦は水色一色であったが、この日は黄色一色となる。チームカラーが黄色のビジャレアルはビートルズの「イエローサブマリン」から「黄色い潜水艦」というニックネームがある。

■余裕を持って戦ったマルセイユ、2試合通算スコアで上回る

 第1戦の後のリーグ戦でもナントに2-0と勝利したマルセイユは余裕をもって第2戦に臨む。開始早々好位置でFKを獲得、ジョルダン・ベルトゥが直接ゴールを狙うが、ビジャレアルのGKが好セーブを見せる。大量点を狙い攻撃的な布陣のビジャレアルは積極的にシュートを放ち、マルセイユが守勢となる。そして黄色いスタジアムを歓喜させたのは32分、元フランス代表でビジャレアルのエチエンヌ・キャプエが先制点を上げる。キャプエはその後もしばしばマルセイユのゴールを襲うが、マルセイユは1点を許しただけで後半を迎える。
 後半に入ってマルセイユは第1戦で活躍したピエール・エメリク・オーバメヤンを投入したが、リズムは変わらない。ビジャレアルは57分にいったんはオフサイドの判定で取り消されたゴールが認められ、残り2点となり、マルセイユは自陣ゴール前にくぎ付けという苦しい時間が続く。そして86分にビジャレアルはDFのイエルソン・モスケラが屁出イングシュート、あと1点取ればホームでの延長戦となる。5分と表示された後半アディショナルタイムにもビジャレアルの攻撃は続いたが、オーバメヤンが左サイドを駆け抜け、クロスをあげてジョナタン・クロースが1点を返す。マルセイユはジャン・ルイ・ガセ監督就任後初めての黒星となったが、2試合通算スコアで5-3と上回り、ベスト8入りしたのである。

■フランス勢で最後に登場したヨーロッパカンファレンスリーグのリール

 ヨーロッパカンファレンスリーグにフランスから唯一出場しているリールは欧州カップに出場したフランス勢で唯一グループリーグを首位で突破している。プレーオフは免除され、決勝トーナメント1回戦からの参戦、第1戦は3月7日とフランス勢の中で最も遅い段階での登場である。この時点でフランス勢で残っているのはチャンピオンズリーグのパリサンジェルマンとヨーロッパリーグのマルセイユだけである。
 リールの相手はオーストリアのシュトゥルム・グラーツである。シュトゥルム・グラーツはヨーロッパリーグのグループDでアタランタ(イタリア)、スポルティング(ポルトガル)に次いで3位となり、ヨーロッパカンファレンスリーグの決勝トーナメントのプレーオフに回った。プレーオフではヨーロッパカンファレンスリーグのグループAでリールに次ぐ2位のスロバキアのスロバン・ブラチスラバに連勝している。

■シュトゥルム・グラーツ相手にアウエーの第1戦で大勝、リールも8強入り

 シード扱いのリールは第1戦はアウエーのグラーツで迎える。フランスリーグでも上位をキープするリールはアウエーながらシュトゥルム・グラーツを圧倒した。28分にジョナサン・デイビッドがグラウンダーのシュートで先制し、折り返す。後半に入っても51分にはゴール前に詰めていたデイビッドが追加点をあげる。攻撃の手を休めないリールは71分にもエドン・ジェグロバがゴールを決め、3-0と先勝した。
 リールに戻って第2戦は3月14日に行われた。ちょうどマルセイユが試合を終え、ベスト8入りした直後にキックオフを迎えた。前半終了間際の43分にリールはチアゴ・三都主が先制点を決める。シュトゥルム・グラーツはその直後の前半アディショナルタイムに同点に追いつく。
 後半は両チームとも得点はなく、1-1のドローとなったが、2試合通算スコアで4-1としたリールもベスト8入りを決めたのである。(この項、終わり)

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