第3360回 パリサンジェルマン、バルセロナに大逆転(4) 見事な逆転勝利で準決勝へ

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■ゴールラッシュになるパリサンジェルマンとバルセロナの対戦

 アウエーのバルセロナ(スペイン)での試合で、上々な立ち上がりを見せたが、12分に右サイドのラミン・ヤマルのスピードについていけず、パリでの第1戦でも得点をあげ、ラッキーボーイ的なラフィーニャに先制点を決められてしまったパリサンジェルマン。少なくとも2点が必要であり、これでバルセロナが優位に立ったかに見えた。パリでの第1戦もいずれかがリードするたびに、試合は決まったかと思われたが、結局は2度の逆転劇があった。
 両チームのこれまでの対戦で記録されたゴールは1試合平均3.6点、これは過去10試合以上の対戦のあるカードの中では最多である。パリでの試合も両チームで5点が入っており、これで守りに入るバルセロナではなく、この先制点を契機にリズムをつかみ、パリサンジェルマンのゴールを脅かすようになり、ゲームメーカーのイルカイ・ギュンドアンが左右にボールを供給するようになり、20分にはエースのロベルト・レバンドフスキがパリサンジェルマンのクリアミスしたボールをゴール前でシュートするが、枠から外れた。

■決定的な得点機会を阻止したロナウド・アラウホが退場処分

 しかし、そのバルセロナは守備に入らざるを得なくなるような事態が起こった。28分にキリアン・ムバッペが2試合目にしてようやくゴールに迫ったパリサンジェルマンは、その直後には第1戦には先発していなかったブラッドリー・バルコラが最終ラインを破って抜け出した。これをバルセロナのストッパーのロナウド・アラウホが後方からタックル、決定的な得点機会の阻止と判定され、アラウホにはレッドカードが突きつけられる。この試合初めてのカードは赤色であった。バルセロナの選手、スタッフは猛抗議をするが、ルーマニア人審判のイストバン・コバックス氏がVARも確認したうえで退場は確定、バルセロナは1時間以上を10人で戦うことになった。バルセロナにとっては反則の位置がペナルティエリア外でPKにならなかったことだけが幸運であった。長い中断の末、ウスマン・デンベレのFKで試合は再開するが、このピンチをバルセロナはしのぐ。突然の退場に混乱したバルセロナのベンチはアラウホの退場から6分経って、選手交代する。アラウホに代わるストッパーのイニゴ・マルティネスを投入し、ヤマルをベンチに下げる。第1戦から右サイドを支配してきた攻撃の切り札を落として、バルセロナは守りに入る。

■一方的に攻めるパリサンジェルマン、ウスマン・デンベレが同点ゴール

 序盤から押され気味だったバルセロナはこの退場をターニングポイントしてチームとしての機能を失ってしまう。
 40分にパリサンジェルマンはビティーニャが左サイドのバルコラにパス、バルコラは中央にクロスを上げデンベレが同点ゴールを決めた。その後もパリサンジェルマンが攻め続けるが、バルセロナはゴングに救われ、同点のままハーフタイムを迎える。
 後半もパリサンジェルマンが攻め続ける。48分のアクラフ・ハキムのシュートはマルク・アンドレ・テアシュテーゲンがCKに逃れ、52分のファビアン・ルイスのシュートはわずかに外れる。

■ビティーニャのミドルシュート、キリアン・ムバッペのPKでパリサンジェルマンが勝ち越す

 そしてパリサンジェルマンは54分に勝ち越し点をあげ、2試合通算得点で並ぶ。右からのCK、ハキミの蹴ったボールに対してビティーニャが20メートルの距離からシュートを決める。
 その直後の56分にギュンドアンが蹴ったシュートがポストに当たり、バルセロナは同点のチャンスを逃した。58分には審判の判定に不満の意を表したシャビ・エルナンデスが退場となり、シャビ・エルナンデスの兄オスカル・エルナンデスが指揮を執る。
 59分にはペナルティエリア内でデンベレがジョアン・カンセロのタックルを受けて、パリサンジェルマンはPKを獲得。ここでようやくキリアン・ムバッペが登場、テアシュテーゲンも正しい方向に飛んだが、ムバッペのシュートが優り、パリサンジェルマンは3-1とし、2試合通算得点でも勝ち越した。
 ようやく覚醒したムバッペは89分にも追加点、パリサンジェルマンが4-1と勝利し、2試合通算でも6-4と優り、準決勝に進出した。ルイス・エンリケはバルセロナの監督経験者として初めてチャンピオンズリーグの決勝トーナメントでバルセロナを倒した監督となったのである。(この項、終わり)

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