第3365回 ボルシア・ドルトムントが先勝(1) 準々決勝以降の国内の戦績が対照的な両チーム
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■グループリーグでも対戦したボルシア・ドルトムント
準々決勝でバルセロナ(スペイン)に逆転勝利したパリサンジェルマン、3年ぶりの準決勝進出となった。準決勝の相手はドイツのボルシア・ドルトムント、グループリーグの再戦となる。
グループリーグでの対戦は本連載で紹介しているが、最初の第1節と最後の第6節で対戦している。9月18日の第1節はパリで行い、パリサンジェルマンがキリアン・ムバッペの先制点などで2-0と勝利している。幸先よいスタートを切ったパリサンジェルマンであるが、第2節から第5節までの4試合は1勝1分2敗と苦しみ、第6節を迎える時点で2位であったが、2位以内を確定できていなかった。12月13日の第6節は首位のボルシア・ドルトムントとアウエーで対戦、この試合で敗れ、同時刻に行われるニューカッスル・ユナイテッド(イングランド)とACミラン(イタリア)の試合が勝敗がつくと、パリサンジェルマンは3位に落ちてしまう。この試合はボルシア・ドルトムントも引き分け以上で首位突破ということもあり、ドローとなって両チームがチャンピオンズリーグの決勝トーナメント進出となった。
準決勝の第1戦は5月1日、ドルトムントで行われるが、昨年12月のドローは上述のような事情があり、参考にはならないであろう。
■準々決勝は両チームとも第2戦で逆転を決める
むしろ両チームの勢いを比較したい。チャンピオンズリーグの準々決勝の結果を見るならば、パリサンジェルマンは第1戦で敗れ、第2戦で勝利し、2試合通算スコアで勝ち進んできたが、ドルトムントも同様であり、アウエーの第1戦でアトレチコ・マドリッドに1-2と敗れながら、ホームの第2戦で4-2と逆転して勝ち進んできた。
■準々決勝以降、国内の強敵に対して勝ちのないボルシア・ドルトムント
そして準決勝進出を決めた後の国内での戦いであるが、ドルトムントは骨のある相手と連戦した。まず、すでに優勝を決めているレバークーゼンとホームで対戦した。試合終盤の81分にニコラ・フリュクルクがゴールをあげ、開幕以来続いていたレバークーゼンの無敗記録をストップするとファンは期待した。しかしながら後半アディショナルタイムの96分、ヨシプ・スタシッチに同点ゴールを決められてしまい、レバークーゼンの勢いを止めることができなかった。続いての試合はアウエーでのRBライプチヒ戦である。この時点でドルトムントは勝ち点57でリーグ5位。3連勝でドルトムントをかわして4位に浮上したのがRBライプチヒである。来季のチャンピオンズリーグ出場権を争う試合、勝ち点2差で追うドルトムントはアウエーゲームであるが、勝利の欲しいところである。ドルトムントは累積警告や体調不良者を除いてベストメンバーで臨む。その目論見通り、ドルトムントは立ち上がりから攻め込んで20分にジェイドン・サンチョが先制点を奪う。しかし、ドルトムントはその直後に追いつかれ、逆転を許す。後半に入っても2点を追加され、1-4と敗れ、準々決勝と準決勝の間の2試合はいずれも勝つことができなかった。
■準々決勝以降、圧勝を続け、リーグ優勝も果たしたパリサンジェルマン
一方のパリサンジェルマンは、延期となった準々決勝2試合の間の週末に予定されていたロリアン戦を含み、リーグ戦3試合を戦っている。また、リーグ優勝も目前に迫っており、準決勝の前に優勝を決めておきたいところである。
バルセロナでの見事な逆転劇の5日後の21日、ホームにリヨンを迎えた。序盤はもたついたリヨンであるが、後半になって上り調子、来季の欧州カップ出場を狙う勢いがあるが、このリヨンを簡単に4-1と退ける。水曜日の24日は当初は試合予定はなかったが、バルセロナ戦の間に行われるはずのロリアン戦が入る。アウエーの試合であったが、これも難なく4-1と圧勝、アウエーのバルセロナ戦から3試合続けて4-1と勝利し、優勝に王手をかけた。
ドルトムント戦前の最後の試合は27日のホームでのルアーブル戦、この試合で勝利すれば、パリサンジェルマンはリーグ優勝を果たす。パリサンジェルマンはキリアン・ムバッペ、ゴンサロ・ラモスをベンチスタートさせるが、ルアーブルに先制を許す。ブラッドリー・バルコラのゴールで追いつくが、再び勝ち越され、後半に入って追加点を許し、2点差となる。後半に入って投入したムバッペ、ゴンサロ・ラモスの活躍でドローに持ち込むが、優勝はならなかった。翌日に2位モナコが敗れたため、ドルトムント戦前の優勝を果たすことができた。
準々決勝以降の両チームの国内での戦いは対照的なのである。(続く)